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伝達と相談


すいません、曜日を間違えました。今日、更新しました。


 ムスは1階におりると、洗濯物を担いでいるユリアを居間で見つける。


「母さん!」


 ムスは菫色のワンピースをきた母親を呼び止める。


「ムス、どうしたの?」


「ラムが目を覚ました!食欲あるって」


「まぁ!良かったわ。すぐに食事の用意をしなきゃ」


「うん!母さん、これは屋根裏部屋に干しとけばいいよね?」


 洗濯物の籠を受け取ろうとするムスにユリアは首を振って否定する。


「干してから支度するわ。そんなにかからないし。で?何か言ってたの?女性が1人で旅してるなんて、何か事情があるのでしょう?」


「妹が拐われたって。だから、ここまで探しにきたって。で、慌てて出てきたみたい。母さん、切り傷みたでしょ?人攫いと交戦して、負った傷だって。かなり腕利きみたい。妹さんは母さんと同じ拳闘士で、普通なら撃退できるけど、ラムは心配らしい。何でも結婚間近で歳は16」


「婚前の妹さんが?それは、慌てるわねぇ。親御さんは何をしているのかしら。普通は娘さんを1人で歩かせるなんてしないわよ。危ないもの」


「ーーそういえば、兄が上に2人以上いるとは言ってたけど、親の話はしなかった。兄しかいないのかもしれない」


「ーーー亡くなってるのかしら。だとしたら、必死でしょうね。でも、16歳で結婚なんて早いわね〜」


「まぁ、貴族だと普通だけど、、。確かに早いか。ラムは相手がいないみたいだし、誰かに見初められでもしたんじゃない?本人も若そうだけどしっかりしてる印象は受けたよ」


「2人共、どうした?」


「父さん!」


「ペディロ!」


 話している2人を見つけたペディロはいつも通りの黒一色の格好。

 気になったので、2人を呼び止めたらしい。


「ラムが目を覚ました。で、拐われた妹さんを探しにきたって。しかも婚前で16歳だって」


「さらに、1人で来たみたいなのよ。親御さんはどうしたのかなと思って」


「言わなかったなら、いないか仲が悪いかだろう。そういうものだ」


「そうなの?」


 妙に説得力があるペディロが落ち着いていう。


「ああ。私もそうだった。聞かれれば答えるがわざわざ言わない。ご家族は他にいるのか?」


「兄がいるみたい。悪くない感じじゃないかな。俺の感じ方だけどさ」


「ふむ。なら、家族仲は悪くないが事情があるのだろう。言わないできたのか、魔法を使って瞬間移動してきたのか。魔力があるから、ある程度戦闘はできるだろうし、大丈夫だと思ったかもしれん。それか、勝手にでてきたか。何れにしろ、妹さんが心配なのだろう」


「後、ギルドに捜索依頼を出そうと思って。彼女の許可も出たし、報酬は宝石持ってたからそれにして。俺か母さんに連絡を行くようにしていい?個人で出すより安全だし、正確に出そうだしさ」


「私はいいわよ。女性が1人で出したら危険だわ。『グリザス』で出しましょう」


 ユリアは頷く。


「ムス、嘘は言ってなさそうか?」


「怪我してるのに迷惑かかるからって、出ていこうとしたぐらいだから、嘘じゃないと思う」


(あれが演技だったら危険人物だよ)


「みょーん!嘘言ってないよー。綺麗な光属性だよ。ルミニスが好きそうな魔力の塊だよ〜」


 つぶらな黒い目に蝙蝠のような形をした者、コーグがムスの肩に突然現れて話し出す。

 どうやら隠密行動していたらしい。

 精霊は嘘がわかるので、ひっそりついてきていたようだ。姿を消していると仲の良いムスでもわからない。


「コーグ、見てきたのか?」


「うん!こっそりチラチラッ。見えるかなぁーって。本当は顔に張り付こうとしたけど、ムスに怒られるからやめた」


「こらっ!やったら、怒ったぞ!」


 ムスはめっと言いながら、コーグの身体を掴んで揺する。


「わあぁ。やってないもーん。ブルブルやだー」


 コーグはムスの腕を翼でぺしぺしと叩く。


「そうだけど!窒息するからだめ」


 ムスは揺するのをやめて、コーグを抱える。


「ベリって引き剥がしたら、見える確定だもーん。窒息する前に剥がれればいいもん。見えてもおかしくなさそう。魔力は綺麗。わくわく。ラムが見えたら、ボールで遊ぶんだ〜!手を振ろうっと」


 コーグは期待を寄せながら、目を輝かせる。


「コーグが言うなら、嘘はついてないだろう。依頼は出してきなさい。人攫いは処分しなければいけない。ムスやユリアが狙われていたら、私は黒炎で焼け野原にしている。ギルマスも緩い。人を対象外で煙をださない火事を起こして、焼くが一番効率がいい。拐われた人が声をだせば、居場所がわかり現行犯逮捕できる。地下室も丸見えだ。速く解決しなければならないのに」


「焼いた建物どうするの、父さん。賠償金とんでもないことになるよ」


「黒炎は見せかけもできる。焼き切るには1日かけることも可能。半日ぐらいでは黒くなるだけだ。何、処分や改造予定の場所を1軒、見せしめに壊せば慌てるだろう。人攫いなど後ろめたい事をしているなら、変な動きをみせる。そこが狙い目だ。まあ、その場所は焼き切り丸裸にするのが一番いい。人が何よりの証拠だ」


 ペディロはにっこりと笑顔を浮かべる。


(ひぃぃ。それ、俺と母さんが拐われたら問答無用でやるつもりか。絶対に捕まったら大変な事になる。力技だ。速く捕まえろって言うんだろうな。費用はギルマスや国に言う時に相談するのだろうな。いや、既にしてそう。父さん、用意周到だし、昔、宮廷魔法師だったらしいから伝手もありそう)


 ペディロの笑みにムスは顔色を悪くする。


「ムス?どうした?」


「いや、、絶対に捕まらないから。とりあえず、出してくる」


「出すことに決まったのね!じゃあ、美味しいご飯を温めて、パンは焼き立てがいいわね。レモネードを出して、サラダはどうしようかしら」


「私も手伝おう。失敗したら大変なことになる。身体が回復したら、一度、私に合わせて欲しい。色々と聞きたいこともあるし、実際にみてみたい」


「わかったわ!ペディロと一緒!ふふふっ!嬉しい。コーグ、ムスをお願いね!」


「うん!」


「母さん、父さん、コーグも頷いてるから鞄持ってでかけてくるね!」


「いってらっしゃーい!」


「いってらっしゃい。なるべく速く戻ってきなさい」

 

 ムスは準備をして元気よく家をコーグと一緒に出ていった。



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