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門番


ーーーームスはアステラティーア王国の王都までたどり着いたーーーー


 門番に怪我人を抱えているとみせたら、すぐに別の部屋に案内してくれた。

 鉄製で作られた部屋で、怪我人や身分証明をする部屋で真ん中に木の椅子とテーブルがあるだけの簡易的な兵士達の休憩所。今は誰もいないので案内してくれた。


「ムス、知り合いじゃないのか?」


「うん。ゴブリンの集団に襲われて一緒に戦ったけど、倒したのはいいが疲れて意識なくて。揺さぶったけど起きないし、貧血だからあまり激しく揺らすとよくないし」


「バッグに身分証明書もないしなあ」


 鎧をきた門番は知り合いで、ラーズという気のいい青年。若いが戦士として腕もよく、顔も目鼻立ち整った青い目のいい好青年だった。

 その青年が困ったようにため息をつく。

 本人の意識がないため、申し訳ないが、2人でバッグの中身を開けた。

 中から出てきたのは数個の小さな宝石、ナイフ、財布、お金。後はやばいネックレス。ギルドの証明書もなく、貴族や公爵の証明書もなく、これでは王都にいれられないのだ。


「ラムって言う子なんだけど。職業は魔法師なはず。なんか、どっかに所属してないのか。どうしよう」


(もっと聞いとけばよかった)


 ムスは怪我人だから入れないかといったが、ギリギリ重症にならず無理だったのだ。


「うーん、規則だから入れられないよなぁ。でも、怪我してるけど命に関わる傷じゃないから緊急でも無理だし。打つ手が。誰か保証人になってもらわないと、、、」


「ーーー家で面倒みるって駄目?」  


「お前の家で?何かあったら、ダーラスが潰れるぞ?お前の家、良い稼ぎだろ。やめとけ、潰すな」


 ラーズから言われる。


「うー、でも、ポイッなんかできないよ、、、。怪我してるし」


(お店は潰したくないから店で雇うはだめか)


 ムスは諦めた。


「方法は、ここで預かるか、意識が戻るまで待つかだ」


(それだとまずいしなぁ。ここは男性が多すぎる。間違えたら吹っ飛ぶし、誰も面倒をみれない。女性も少ない)


「あーーー、わかった。俺が保証人になる」


(やっぱりこれしかない。うう、怒られるだろうなぁ。みんな、ごめん)


 父親からげんこつを貰うだろう。でも、譲れなかった。


「正気か!?犯罪者だったら、お前も牢屋行きだぞ!」


「仕方ないだろう。身分証明書ないし、ほっとけないし、怪我してるし!入れないなら仕方ないじゃないか!悪人ではないのは戦闘したからわかる。そもそも、宮廷魔法師試験に連れていって、試験すれば受かるよ、この子」


「ーーは?まじか。そんなに強いの?この子?」


 信じられないとラーズは眠っている子をみる。


「大魔法使えるし。制御も完璧。魔力量は俺と同じぐらいある。充分に食べていける。じゃなきゃ、ゴブリンの群れを瞬殺は無理だって。だから、滞在期間だけ保証人になる。目が覚めて体調が万全になったらもう一回くるよ。その時、ラーズからちゃんと取り調べしてもらう」


「はぁ。なるなら止めないけど、本当に速く来いよ。悪人だったら、保証人すぐ外してやるから。なにか起きる前に必ずこい。俺の名前だせばすぐにするようにしておくから。ほら、紙だけかけ」


 保証人になるための紙をラーズは持ってきて出す。

 通る人に自分は王都に住んでいるため、問題はない。ラムの名前をかいて、自分が保証するとかく。判子がいるため、バッグから取り出すと


「ムス、判子はつかなくていい」


 ラーズが他の兵士に気づかれないように判子を隠す。


「え?でも、判子がいるって書いてあるが」


「時間稼いでやるっていってるんだ。慌ててて、判子つかせるの忘れたって。さらに、コーヒーこぼして破ってやる。だと、修繕魔法しなきゃいけなくなって、時間がかかる。俺も怒られるけど、お菓子でチャラな。書き直しでもう一回、呼び出しするからその時に本人も連れてこい。保証人いらなくなるだろ」


「ーー!いいのか?」


「ああ。ま、ただし5日ぐらいしか稼げない。速まるかもしれないからな。あの子が怪我してるのは本当だし、具合悪そうだ。あの具合なら一時的に入れるようにした方がいいと俺も思うよ。後は、薬草の礼だ。次は駄目だからな」


「ありがとう。恩に着る。呼び出しきたら、絶対に連れてくる」


(とびっきり美味しいお菓子をもっていこう)


「それは本当に守れよ。ほら、いけ。速く手当てしてやれ」


 ラーズは書類を懐にしまって、王都に繋がる道を開ける。

 ムスは判子をしまい、ラムを抱えて頭を下げてから、自分の家へ向かった。



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