表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お人好し魔技師は少女を放っておけない  作者: 綴螺
精霊と星霊と聖獣の約束
102/105

結界1

 薄暗い通路の中、金属製の重厚な扉が現れた。

 ヴァーゴが魔法で鍵を出して、鍵を回し扉をあける。

 ゆっくりと扉がゴゴゴっと、空いていき魔法の陣が壁、地面にびっしりと書き込まれていた。その中央に剣がさしてあった。


(ーーー剣から黒いモヤが出ている。攻撃されている。魔法の陣と祝福、結界、何重もの文字と模様。後は星霊は、どこだ?)


 ムスは〈見破り〉の技能を使い剣に意識を集中させていると、一つの魔法の陣にひびが入り消滅。予備の魔法の陣が出現していた。

 

「ーーいや、壊れかけてる」


(これ以上の破壊は危険)


 ムスが入った瞬間にそう呟き


(殺気!?)


「ヴァーゴさん、右!!いる!」


「そこ!」


 ムスの声とアルマが飛び出すのは同時。

 ガキンっと音が響く。


(刃物の音)


「仕留め損ねた!」


 アルマは直ぐに後ろに下がって臨戦態勢。

 エプロンは投げ捨て、ラムの隣へ。


「空へ舞い上がれ、風よ、全て、吹きとばせ《風の魔法》(ハリケーン)!」


 ラムは、神殿の壁側に向かって広範囲に魔法を叩き込む。

 柱がぐらりとゆれ、まともに立つこともできないぐらいな強風か吹き荒れる。風という生易しいものではなく、嵐だった。


(ラムは即座に攻撃不能にさせて時間稼ぎしている。判断が速い)


「ムス、修復」


 コーグがムスの頭の上で飛び跳ねる。


「ヴァーゴさん、大丈夫ですよね!?」


「ああ、助かった。2人共よくわかったな。今、舞い上がったのは4人か」


 大剣を構える。


「殺気あった」


(反応速度は練習しているから助かったようなもの)


「敵意あったから。俺、修復に入るからよろしく」


 ムスは剣の前まで近づき魔針を剣の中央に突き刺す。修復開始の合図のためだった。


(もたもたしていると壊される)

 

 もう一本魔針を取り出す。それに気づいた黒い霧がムスに向かって襲いかかろうとする。


(修復させたくないらしい。これは本格的にやらないと。結界の補強、修正、強化が壊れてる)


「ーーー、かなり危険。コーグ、防御だけ。後は周囲よろしく」


「コーグバリアー!ムス、ファイトー!」


 コーグは叫ぶと薄い防御膜をムスに張り、耳をぴょこぴょこと動かして警戒している。


「わかった。近づかせない」


 アステラが構える。


「前衛が3人、分担はそれぞれでよいですかな?」


「オッケー、アーマラ!」


「承知した」


「もうそろそろ、落ちるよ」


 ラムが言うと嵐がピタッと止まり、床に4人は叩きつけられた。


(ーー攻撃している魔力はこれ。同じ人は)


「呪はーー、あの人!」


 ムスは魔力を探す。


「コーグ、呪きらい!」


(呪の集中力を途切れさせるか、媒介を壊したほうが攻撃が止む)


 ムスが叫ぶとコーグが黒い弾がラムがおかしいと思った人に向かう。

 その人がコーグの魔法を黒い煙のような鞭で払う。


「ーー!!呪術師!?身体を、心を、纏う強き光、そのまま纏い盾となれ《光の精霊》(ガードマインド)」


 ラムは即決で精神異常耐性を6人につける。


「ラム、防御頼む!!〈祝福〉」


 ムスは魔針を空に刺す。

 指した箇所から模様が浮かび上がる。

 自分の魔力で上から祝福のマークであるユリのような白い花の花弁と月桂樹の葉が6人を囲む。


「ーー判断がいい。かなりの腕の魔技師か。呪術師としては不足なし」


 黒いローブを被った人は男性だった。

 煙は姿を変え、鞭を剣を弓を魔法を生成する。


(うわー。目をつけられたか)


「ムス!?」


「呪術師は達が悪いから、攻撃は全て避けるか払ってくれ。俺、3つ同時しかできない。魔針修理に出してて3本しかないから。流石に呪返しは時間がかかる」


(防御はラムに任せて、後は補強に力を回そう。修正。強化を練り直し、補強をなぞり書きし、星霊の力を呼び戻す。魔力をゆっくり流して)


 ムスは結界の修理に集中する。


「私が払う。柔らかな風、変化自在に動き回れ《風の精霊》(ウインド)」


 ラムは《風の精霊》(ウインド)を操って攻撃を払う。


「お姉ちゃん、防御は任せた。呪術師は私がとどめをさす」


「私は、剣士の相手を」


 アーマラは槍を構えて走る。

 なぜなら、他に魔法使いと弓矢がいるからだ。


「私は守る」


 アステラは剣を構え、ラムとムスの場所に。


「ヴァーゴさん、星霊はわかるよね?起こして。邪魔な呪は隔離した。後は修復するけど、、意識がないときついから」


 ムスは息を吐いて、ヴァーゴを呼ぶ。

 そして、ムスは〈祝福〉を維持しながら、ぶつぶつと言いながら針を縫うような動作している。


「わかった。星霊、ヴァーゴ、、いるなら、力あるなら、返事を」


 ヴァーゴが剣に向かって呼びかける。

 少しだけ剣が光ったのをムスは見逃さずに、そこに向かう呪を一瞬で隔離。その後、結界に足りないのを付け加え、補強、修繕を自動に。他は崩れたのを修正。次々と魔針を動かしていく。


「書き換えか。凄まじい力だ。お前、魔力どうなっている?自分に呪返しまでかけて」


「ここをこうして、、」


(ヴァーゴに攻撃されないように、身代わりの魔法の陣を描く)


「無理か。なら」


「そこ!!」


 アルマが飛び出して蹴りをいれた後に〈骨砕き〉を構えて鳩尾にいれて、吹き飛ばした。

 アルマは直ぐに魔法使いにも殴りかかり、叩きつけたが、姿が消えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ