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お人好し魔技師は少女を放っておけない  作者: 綴螺
精霊と星霊と聖獣の約束
101/105

集合

 元気な星霊のコーグはムスの頭の上、弾をいれたショルダーバッグを抱え、半袖長スボンスタイルのムス、白いコートに、白のワンピースをきたラム、銀の鎧をつけ、槍を背中に携えたアーマラ。ダースは赤いコートをきて、隣にはサラマンダーが座っている。

 そこに転移魔法陣が出て、騎士の鎧をきたアステラが到着。

 

「待たせてしまって、申し訳ない。準備はできている」


 アステラが謝る。

 だが、アステラが来た時間はぴったり。遅れないように皆が速く来たのだった。


「手紙はもったな?転移をかけるが、いいか?忘れ物はないか?」


「ない」


「侯爵様、いってまいります。ラム様はお任せください」


「大丈夫です。忘れ物はありません」


「では、《空間魔法》(テレポート)。気を付けてくれ。アルマを頼む」


 ダースがそういうと4人とコーグの姿は霞んでいく。

 ムスは手を振り、アーマラとアステラは頭を下げ、ラムは軽く手を振った。


「無事で戻ってこい」


 ダースはそう呟き、侯爵邸に帰る。




ーーーーー転送先でーーーーー




 4人に強い太陽の日差しが降り注ぐ。

 寒いバース領とは気温が高く、海が見えた。

 木々は南国の植物が並び、葉を大きく広げ、沿岸にずらりと並んでいる。

 波の音が響いたと思うと、目の前には金属製の重厚な薄青緑色の建物があり、大きさは不釣り合いなほど大きく、約家3軒分位あった。

 神殿の階段は石畳であり、頑丈に作られ、強い結界が張られていた。 

 隣にはいかつい聖騎士が2人。鎧を全身につつみ、顔色は伺えない。2人は門番のようだった。


「2人だね。手紙を出せばよさそう?」


「ムス、私がするよ。アーマラ、アステラ、後ろにいて」


 ラムがムスから手紙を受け取る。


「門番。王都、ジール王子からの遣い四名。ラム・ガーディソード、ムス、護衛のアーマラとアステラ」


 門番に王家の紋章、月光草を彫られた文章を見せる。

 門番は紋章と人を見比べて頷く。


「話は伺っています」


「修復は」


「俺がやります。場所は」


 ムスは手を挙げた。


「私は補助。案内を頼みます」


 門番の一人が進み出て、


「ーーー門番、速く。急いだほうがいい。壊れる。持って1日だ」


 ムスが珍しく考え込む。


(黒い雲がここまで漏れてる。奥は、どうなってる?いや、攻撃されてるか?今も?色が濃い。だんだん、黒い雲の色が濃くなってる。浄化が追いついてない。まずい)


「まさか」


「本当だから、速くしなさい。ムスはそこら辺なら私よりわかる。魔法師である聖女の言葉は信じない?」


「ーー失礼しました。こちらです」


「ラム、こわこわ。脅してるよー」


「神殿は聖女の言葉は重いからな。こうなるのは当然だろう」


「ガーディソード侯爵家の力も強い。彼女は実力もあるから、強いのだろう」


「貴族はこうゆうときに強い。助かった、、」


(やっぱり俺は弱い。普通の魔技師に見えるだろうから)


「こうゆう時しか使えないからね。利用できるならする。後はアルマを見つけて、連れて帰る」


「給仕の格好してたから、食堂?むしろ、隠れて現場に来そうだよね」


 4人は足早に結界の方へ向かう。


「お連れしました」


「ありがとう」


 結界の側にある小さな小部屋に入った。

 門番の聖騎士が短い銀髪の男性に頭を下げる。


「私が結界の守護者のヴァーゴだ」


 白い長袖に長ズボン。大きな大剣を装備した、30代ぐらいの短い銀髪の男性。

 声色は落ち着いていた。


「え、、剣の名前と一緒?」


 ラムはムスを見る。


(あれ?皆、知らないのか?)


 ムスは誰も名前に反応しないことに違和感を覚える。


「はははははは!話は聞いていたが、相当な実力者を連れてきたか。剣の名前と同じだと知っているのは、修復した者だけだ。すまないが、原因がわかるなら早急に頼む。前からおかしかったが、協力者がいたから何とかなっていたに過ぎない。原因がわかるなら、速めに頼む」


「お姉ちゃん!」


「!!アルマ!!」


 神殿の給仕係の姿をした金髪に空色の瞳のアルマにラムは駆け寄って抱きつく。


「お嬢様、ご無事で」


「そっかぁー、聖女なら結界も多少はもつね。任せて。とりあえず、案内してもらっていい?」


(ラムとアルマさんは嬉しそうだけど、修復は急いだ方がいい)


「お姉ちゃんが来てくれてよかった」


「心配したよ。もう、いるなら言って」


「抜け出したのはよかったけど、王宮も大変だし、少し隠れてようと思って。泳がせたら捕まえやすいしね。近い神殿に入ったらこんな状態だから、解析していたけど、修復が追いつかなくて」


(聖女が追いつかないってことは、、。陣、結界を集中攻撃しているから、、内側ではない、やっぱり外側だ)


「んーー、あーーー、んーーー」


「ムス、どうしたのー?」


「いやーー、あれは壊そうとしてるから、外部かな~って」


「!?」


「お姉ちゃん、すごい人連れてきたね、、。それ、わかったの最近なのに」


「案内する。ムスと言ったな。直してくれ」


 ヴァーゴを先頭に、アルマ、ラム、コーグ、アーマラ、アステラは結界の前へ移動を開始した。

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