『人生はチョコレートの箱』その後(BL風味SS)
ムーンライトノベルズに置いている小説の後日談になります。
ほぼ会話(笑)
だからさぁ、と紫色をしたストレートヘアの人物は、かじったポッキィの先を泰騎へ向けた。
「潤ちゃんが穴を開けまくった敷きパッドを、丸見えの状態で燃えるごみに出すのはどうかと思うんだよね」
「丸見え? ワシはちゃんと色付きの指定ゴミ袋に入れたで?」
「……しかもなんか、たくさんシミが付いてたんだけど……」
半眼で睨まれる。反対に泰騎は、大きな目を瞬かせた。
「倖ちゃん、そんなに人ん家のゴミ袋の中身をガン見するん? ちょいと引いたわ」
指摘され、倖魅はバランスを崩し、椅子から転がり落ちそうになった。寸でのところで踏み留まり、姿勢を戻す。
「べ、別に、そんな見てたわけじゃないよ! ただ、酷い有り様の布団っぽい何かが捨てられてたから、気になっただけだし!」
泰騎は、ふぅん、と頬杖を突いた。目の前にある書類に目を通しながら、ほうじ茶を口へ運ぶ。
倖魅はパソコンのキーボードを叩きながら、ボソリと呟いた。
「泰ちゃんは、ホント、潤ちゃんの事しか見えてないよね」
「え、何か言った?」
「……ボク、告白する前に失恋して傷心してるんだよね」
ジト目で訴えられ、泰騎が目を剥いた。
「えっ!? 倖ちゃん、恵未ちゃん以外に好きな人が居ったん!?」
倖魅の視線が、更に険しくなる。
「泰ちゃんのそーいうトコ、ほんとヤだー。末永く爆発しちゃえばいいよ」
プイとそっぽを向くと、紫色の髪がさらりと踊った。
泰騎はきょとんとしたまま小首を傾げ、紫頭を暫くの間眺めていた。
ここから、倖魅のオネェ化が急速に進んでいくのです……。
(倖魅と泰騎の詳しい関係については『ウサギ印の恋慕事情』を参照してみてください)




