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入院中は暇だよね
こんな新学期早々…
ぜったいぼっちダァ
【愛おしい。
あなたを見るだけで私の心が浮き足立つ。
あなたを呼ぶだけで体が熱くなる。
あなたと目が合うだけで息がつまりそうになる。
そして私はいつも想う。
ああ、あなたが愛おしい。
憎い。
あなたを見るだけで私の心が暴れ出す。
あなたを呼ぶだけで体が嫌悪感で包まれる。
あなたと目が合うだけで殺意で全てを壊したくなる。
そしてワタシはいつも思う。
ああ、あなたが憎い。
あなたの何気ない仕草
一つ一つが愛おしい。
一つ一つが憎い。
あなたの寝顔を見るたびに
心の芯から温まる。
心が壊れていく。
あなたのメールを見るたびに
嫉妬する。
悔しくなる。
あなたが女の子と喋っていると
私の体は激情でおかしくなる。
この時に私は想う。
思う。
よかった、ワタシは一つだ。
だから私は
あなたのすべてを知りたい。しりたい。
シリタイシリタイシリタイ
だからワタシは
あなたのすべてを壊したい。こわしたい。
コワシタイコワシタイ
あなたの全ては私ワタシ】
ピピピピ
う〜ん
ピピピピ
ゔ〜ん
ピピ…
ドカッ
グ〜
はっ!何時だ…
ゴシゴシ
あれ?おかしいな
7時に目覚ましかけたはずなのにな〜
はちじぃぃぃ!
ヤバイヤバイ
入学早々遅刻はヤバイ
完全無欠みんなの王子さまとして遅れるわけにはいかん!…まあまだ入学式しかみんなと会ってないけど
俺は駆け足で1階に降りて仏壇に手を合わせて
埃っぽいリビングをパン1枚咥えてダッシュで駆け抜けそのまま外へと飛び出した。
…べつにパン咥えてダッシュしてたらどこぞのラブコメ主人公みたいに美少女とぶつかるかなぁとか思ってもないんだからね!
っていくか実際、美少女とぶつかるなんて狙ってしないと普通むりだよね。
ちなみに両親は国外にいる。
普通は父の転勤で母も…
というふうな感じだが俺の家では逆だ。
母に父がついて行ったのだ。
まあ唯一この点だけがラノベの主人公並のポテンシャルを持っている。
…え?ポテンシャルってのは人に対して使う言葉であって環境に対してじゃないって?
う、うっせーよ。し、知ってたしそんなこと!
と、まあ中学の時とさしてかわらない朝が過ぎようとしていた。
ドウンゥ
これは絶対美少女と街角でぶつかる音じゃないよな。
案の定、ぶつかったのはナナシだった。
くそっ!なんでこんなとこで野生児に会わな…
「いやぁ、美少女とぶつかったと思ったらナナシかぁ、一瞬みまちがえたよ。嬉しいなぁ。ハハハハ」
どうだ、カタカナ部分は大分減っただろ。
やはりこの田中拓海は日々進化し続ける天才、完璧少年だったようだな。
ゴン!
「バカか。
完璧だったらそんなこと考えないし、
だいたいこんな遅刻寸前にダッシュしてないだろ」
くそう。だからって頭をグーパンチで殴らなくても
そうか!日々進化し続けているのはナナシの方だったか。
読心術も女とは思えないパワーも…
ゴメンナサイ
ホントウニハンセイシテイマス
だから無言で拳にぎるのやめてぇぇ
あっ
ちなみに学校は遅刻した。
しょうがないよね
誰だって街中でゴリラと会ったら遅刻するよね、うん。
べつに学年が違うから安心して悪口言ってるんじゃないんだからね!
ところどころ狂気は散りばめているつもりなんですが…
今回の【】につながる狂気だけルビ振っときました。
べ、別にルビを使いたかったわけじゃないんだからね!