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第5話 オナラが臭くてもニートがいい

食事の方は見るのを進めません笑


芋虫(カンピア)は物凄い量だった。圭吾(けいご)はカンピアにブレイブソードを次々と振るう。カンピアは沢山斬られていき、消える。


「きゅーきゅー!!」


カンピアは高い声で鳴いている。そして何か変な行動をし始めている。


「何をする気だ!!」


圭吾は疑問を持つ。もしかしたら物凄い技を持っているのではないか。


沢山のカンピアは1点の場所に集まって、並び始める。そしてその並んだカンピアの上にまたカンピアは並んでいく。そしてその上、またその上へと、そしてピラミッドのような形になった。


「ん…なんだ?」


「なんでしょうかね」


圭吾は近くにいたサナへと聞くが、サナも分かるはずもない。


「きゅー!!」


カンピアは一斉に声を合わせて鳴いた。圭吾達には未だにハテナが浮かんでいる。そしてカンピアは鳴いたあと、ゆっくりと地面へと降りていく。


「何もしねェーのかよ!!馬鹿かよ!!」


圭吾はつっこむ。これだけのために時間を使わされたのだから。


「きゅー!!きゅー!!」


カンピアはまた鳴いた。そしてまた動き始める。カンピアは縦になるように立って、横にずらっと並んでいく。そして、1番端のやつは地面へと倒れて、扇形を作り出す。


「きゅー!!」


カンピアはまた同時に鳴いた。


「だから何もしねェーのかよ!!てかこれ組体操じゃねェーか!!面白くも何ともねェーよ!!」


「つまらない」


レイは組体操を完成させたカンピアを躊躇なく、蹴り飛ばす。1体を蹴り飛ばすと、みんながみんな体制を崩し、その場に倒れる。


「躊躇なさすぎて怖ェーよ!!」


「私は面白いと思ったのにねぇ!!」


晃孝はレイに恐怖を感じた。この人には冗談が通じないんだろうなと思った。カエダマだけは終始楽しんでいたようだ。


カンピアは地面に何回もなぞっていた。完全にしょげたのだ。


「おい!!かわいいな!!」


晃孝はそんなカンピアを可愛いと思ってしまった。いや嘘だ。芋虫にそんなことを思う筈もない。


「きゅ〜〜!!」


カンピアは真っ赤に色を変えてモジモジした。これは完全に喜んでいる。


「えぇ…ちょろすぎ…」


「もう、飽きたから全部殺()っていい?」


「おい!!レイ待って!!ほんとに怖いわ!!」


レイはこのやり取りにすら飽きたらしい。完全にカンピアを殺す気でいる。


「カンピアの食事をしっているか?」


「急にどうしたぷにぷに…」

(こいつは何の話をしてんだよ馬鹿かよ!!)


急にどうでもいい食事の話をし始めるぷにぷにに本気で呆れた圭吾だった。


「聞きたいか?」


「いやいい!!」

(聞くのもめんどいわ!!)


聞いてる時間が勿体ない。というより、聞きたくもない。興味がない。


「あいつらカンピアの食事はよ」


「おいおいおい!!いいって言ったよね!?何で話し始めた!?」


「まぁ聞けって」


じゃあ何で聞きたいかなんて聞いたのかと心のそこから圭吾は思った。


「あいつらカンピアの食事は相当なものだ。人間を丸呑みするんだ」


「嘘つけぇぇぇぇ!!!」


「嘘じゃないんだが」


晃孝はぷにぷにが冗談を言っているようにしか聞こえなかった。なのでツッコミを入れた。しかし真顔でツッコミを消された。この真顔は本当なんだろうと思った。


「まじで?」


「まじ」


信じたくもないことを聞いた。そんなことなら初めから聞かなければ良かったと思うほどだ。圭吾は嘘だという真実を求めたが、そうはいかなかった。


「そろそろ()っていいか?」


「あぁ頼む」


レイは遂に耐えられなくなっていた。圭吾に殺していいか聞いた。圭吾は簡単にOKを出した。絶対にぷにぷにの話を聞いたからだろう。圭吾も剣で片っ端からカンピアを斬る。たくさんのカンピアが斬られていく。ついにカンピアは残りの一体になった。


「きゅー!!きゅー!!きゅゅゅゅ!!」


残りの1体は相当怒っていた。姿はどんどんと大きくなっていき、体が赤く染まる。そのカンピアは物凄い速さでぷにぷにに向かっていく。ぷにぷにはカンピアにお尻を向けている。


「危ない!!」


サナは叫ぶ。カンピアはぷにぷにの後ろから狙っていた。カンピアはぷにぷにの真後ろで突進しようとする。


ぷっ


なんだこの音は。


「あ、ごめん」


ぷにぷにはカンピアに向けてオナラを発射させた。そのオナラはカンピアの鼻にクリーンヒットだ。カンピアの色は真っ黄色に染まっていく。カンピアは地面で転がり悶えていた。


ぷりっ


「まただ…ごめん」


ぷにぷには地面で悶えているカンピアに向けて、もう1発オナラを発射してしまう。ぷにぷにの周りには圭吾達すらもいなくなっていた。理由は臭いからだ。カンピアはぷにぷにのオナラを喰らって痙攣の様なものを起こしてプルプル震えていた。


ぶりぶりっ


「ほんとにごめん」


カンピアはついに動かなくなった。


「最後のに関してはもうオナラじゃねェーだろ!!完全に出ちゃってるだろ!!」


圭吾は遠いところでツッコミを入れる。近づきたくもない。カンピアの1体はぷにぷにのオナラによって倒れたのだ。


圭吾達はカンピアを倒し終わったので、先に進むことにした。少し歩くと、洞窟の暗闇から1人の爺さんが現れた。やはり禿げていた。


「おぉ!お前ら誰だ!旅のお方か?」


「殺っていいか?」


「ダメに決まってんだろ!!」


本当にレイは容赦がない。まさにレイが魔物ではないかと疑うほどだ。


「てかお前臭いな」


その爺さんはぷにぷにを見ながら鼻を抑える。やはりそうだろう。オナラをしまくったのだから。


「わしの名前は、洞窟の中で50年太郎だ」


「名前が説明文じゃねぇーか!!でも凄いな!洞窟の中に50年もいたのかよ!!」


「何でわしが50年ここにいると知ってんだ!!!」


「お前の名前が教えてくれたんだよ!!」


めんどいわと思った。というかこんな名前つける親もどうかと思った。めんどくさいので太郎と呼ぶことにした。太郎の親は預言者だ。まるで50年洞窟にいることを知っていたかのような名前なのだから。まず太郎も馬鹿だ。一本道の洞窟で50年間も過ごしているのだから。


「よく旅人に会うのだが、この先に行って戻ってきた旅人は今までに1度もいないよ」


「そうか…」

(めんどそう…寝たい…眠たい…帰りたい)


「よし!!先を急ごう」


ぷにぷには臭いまま張り切り先頭を歩いていく。出来れば後方でついてこいとその場にいる全員が思ったことだろう。


少し歩くと出口が見えてくる。出口から出ると、小さな(ほこら)が見える場所へと出た。小さな川が流れていて、とても気持ちがいい。


「で、神をなだめるんだよな」


「殺っていいのか?」


「ダメに決まってんだろ!!さっきからそれしか言ってないけど!大丈夫かよ!!」


ここに来てまでもレイは殺すことを最優先に考えていた。


「話を聞いてたか?神が暴れだしたからそれを止めてくれっていう話だよ」


「で、その神様はどこにいるのでしょう」


サナは首を傾げる。確かに、神の姿が一向に見当たらない。と思った時、祠の後ろで、物凄い音が響く。


「絶対神よ!!」


カエダマは喜ぶ。急いで神がいる場所へと向かっていく。祠の裏へと回るとそこにはリーフドラゴンがいて、回りの木に体当たりをしながら暴れていた。


「ブォォォォォォォオオオオオ!!」


物凄いでかい鳴き声だ。今までの冒険で出会った中で恐らく1番強いだろう。圭吾はより一層めんどくさいと思った。


「圭吾さん!このドラゴン様Lv.が99レベルです!!」


「あぁ教えてくれてありがとう」

(何でだよ!!きりが悪ぃ!!そこは100にしろや!!)


リーフドラゴンは圭吾に襲いかかる。全く身構えていなかった圭吾はリーフドラゴンの突進をもろに喰らう。


「圭吾さん!!」


サナは圭吾が飛ばされたのを見て叫ぶ。しかし圭吾は近くの木を使ってリーフドラゴンの元へと帰る。そしてリーフドラゴンの顔面を掴み、地面に叩きつける。しかしリーフドラゴンは大人しくならなかった。圭吾に向けて、沢山のはっぱカッターを作り出し、放出させる。圭吾はそれを1枚1枚斬り落とす。そして圭吾は一旦後ろへと下がる。そしてすぐさまリーフドラゴンの方へと戻っていき、長い首に蹴りを1発。横へと体制を傾かせ、そのまま地面へと叩きつけた。リーフドラゴンはそれでも起き上がった。


「だめか…」

(くそ!!倒しちゃいけないから難しい!!)


「あの圭吾さんでも苦戦するなんて…」


「よし!!もう1度行くぞ!!」


圭吾はまたリーフドラゴンへと向かっていく。リーフドラゴンは緑の竜巻を作り出し圭吾に放っている。しかし圭吾は全て軽く避けていく。そしてそのまま次はリーフドラゴンの腹へとパンチを入れる。リーフドラゴンは鳴いて苦しんだ。圭吾はまだまだ止まらず、頭を掴んでグルグルと回し、そのまま地面へと叩きつける。


「よし!!これでもう起き上がらないよね!」

(いやめんどかった…いやでも死んでたらやばいな…俺は責任取れん)


リーフドラゴンは起き上がった。


「嘘だろ」

(めんどくせぇー!!なんでだよ!!起きあがんなよ!!起き上がりこぶしかよ!!)


リーフドラゴンはサナに向けて大きな竜巻を繰り出した。圭吾は反応に遅れていた。


「サナ!!」

(やばい!!)


圭吾は急いでサナの元へと向かう。そしてぎりぎりのところでサナを掴み助ける。


「ありがとうございました…ごめんなさい」


「大丈夫!!」

(もうドラゴン許さねェ、手加減しねェわ)


圭吾は一瞬のうちにリーフドラゴンの真後ろへと移動する。リーフドラゴンは尻尾でムチのように圭吾に攻撃したが、もう圭吾はそこにいなかった。圭吾はリーフドラゴンの真上にいたのだ。圭吾は思いきりリーフドラゴンにかかと落としを喰らわせる。


「ふぅー…もう終わりかな」

(本気まではいかないが…結構出したぞ)


リーフドラゴンはボロボロになりながら立ち上がった。何故立ち上がるのか意味が不明だ。


「おいおい…これが本当に神なのか?自分の行動すら制御できてねぇーし!!」

(いやいやいや…立ち上がるなよ!!)


リーフドラゴンはゆっくりと圭吾に向かっていく。しかし圭吾が次に攻撃したらリーフドラゴンは力尽きてしまいそうだった。


「よし!!俺がいく!!」


そう言ってぷにぷにはリーフドラゴンへと向かっていく。しかしリーフドラゴンの軽いビンタでぷにぷには吹っ飛ぶ。そしてリーフドラゴンはぷにぷにの方へと飛んでいき、続けてビンタを喰らわせる。


「ぼぉほぉ!!ぶぇぇ!!がぁ!!べほぉ!!いぃやん!!」


「殴られてる声が独特すぎだろォ!!」


ぷにぷには背を向けて、地面で必死に耐える。頭を手で押さえている。何発も何発もビンタを喰らう。圭吾はぷにぷにがよく耐えているなと思った。


ぷっ

ぷりっ

ぶりっ

ぶりぶりっ


出た。また出た。やりやがった。ぷにぷには連続的にオナラを発射しやがった。汚い。信じられない。それを嗅いだリーフドラゴンは一瞬で力尽きた。可哀想に。


「これは俺のお手柄じゃないか?」


ぷにぷには喜びながら圭吾達がいる方へと向く。しかし圭吾達の姿が見当たらない。いやいる。めちゃくちゃ遠いところで鼻を押さえていた。


「おーい!!何やってんだよ!!」


ぷにぷには手を振りながら、圭吾達の方へと向かっていく。圭吾達はゆっくりと後ろへ下がる。


「ん?」


ぷにぷにはなかなか近づかないので、全速力で走って近づいた。圭吾達も全速力でぷにぷにから逃げる。


「おーい!!待てよ!!」


「来んじゃねェェェェェエエエ!!!」

(くせェェ!!)


そこから色々とあり、ぷにぷにの匂いは我慢出来るほどに落ち着いた。できれば近づきたくない程度だ。それはさておき、リーフドラゴンが暴れていたことに理由が無いわけがない。圭吾達は周辺を探索する。


色々と探す。そして1つおかしい場所があった。それはたくさんのツルがアーチじょうになっていて、通れるようになっている場所だった。


「 よし!!行こう!!」


圭吾達はそこを進んでいく。そして圭吾達が見た景色は凄いものだった。物凄いでかい木の真ん中に物凄い大きな穴が空いていて、そこにはリーフドラゴンが生活しているだろう残骸がたくさん置かれていた。しかしそのでかいリーフドラゴンの住処は物凄い太いツルによって入れなくなっていたのだ。


「だからか…」

(初めから案内してくれればよくない?)


「リーフドラゴンさんは家に入れなくて困っていたのですね!!」


サナはニッコリしながら答えた。圭吾はこの笑顔を見れたから許すことにした。リーフドラゴンの家のツルを片っ端から斬ってあげた。そうすると、入り口の方からボロボロなリーフドラゴンがゆっくりと歩いてくる。そして圭吾にあるものを渡した。


[加護のお守り]だった。加護のお守りとは持った人のステータスを格段と上げるものだった。


(ごめん…俺には必要ないや)


圭吾はステータスMAXなので必要無かった。サナに渡した。そうして圭吾達は村へと帰っていった。

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