第4話 替え玉でもニートがいい
久しぶりの投稿になります。どうか笑ってやってください。
禿げていない女性をじっくりと見てしまう圭吾。サナも驚きながら見ている。
「話しかけよー」
ぷにぷにが一切の躊躇なく、その女性へと近づいていく。
「だめだァァァ!!」
(この匂いはヤバイやつ!!絶対関わっちゃいけないやつ!!!)
圭吾は必死でぷにぷにを止める。しかしぷにぷにの体はヌルッとして滑ってしまった。圭吾の手から離れ、ぷにぷにはその女性の元へと向かう。
「あぁ」
(終わった…平穏が…神様…僕に慈悲を…)
ぷにぷにはその女性の目の前まで行った。そして声をかける。
「ここの街のやつ何で禿げてんだ?そして何でお前は禿げてないんだ?」
その女性は初めは沈黙していたが、少しすると話し始めた。
「私はここの住人じゃないからな…」
(ほらほら!!絶対ヤバイやつ!!関わっちゃいけないやつぅぅ!!)
「それってどういうこと?」
もう流石にここらで終わらせてほしいと思った圭吾だったが、どんどんとぷにぷには深く質問していく。
「私は魔王に追いかけられてる…逃げてきたんだ…時期にここにも来るだろう…」
「おいおい!!もう目標か!」
(なんだよ!!神イベぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!)
めんどくさいことに巻き込まれていると思った圭吾だったが、初めてぷにぷにを仲間に入れてよかったと思った。
「それじゃあ…もう圭吾さんとの旅は終わりですか?なんか悲しいです…」
サナは急な旅の終わりに悲しむ。
圭吾は悲しんでいるサナを見て、可愛いと思ってしまった。
「えっ!?どういうこと?」
1人着いて来ていないのはその女性である。
「圭吾さんは勇者なんです!」
「えぇぇ!?嘘でしょ」
その女性はとても驚き、圭吾をまじまじと見る。
(俺は嘘であって欲しいよ!!!!)
「でもそれなら好都合ね!私を追ってくる魔王はあんたが倒してくれるんでしょ?私の名前はアズレード・ドラットレッド・ドラマレロ・ケチャップ・マスタード・レイよ!」
「おいおい!!長すぎる!!しかもなんだよケチャップとマスタードって!!」
「でも任せとけ!俺が必ず魔王を倒してやる!!」
(そしてニート生活に舞い戻るゥゥゥ!!)
圭吾はかっこよく決めてやった。しかしそれは全部ニート生活へ戻るためだ。
そして当たりは暗くなり始め、黒い雲が空を覆い始める。また雷が雷鳴と共に街に響き渡る。
「なんか急に天気変わったな」
「魔王がくる」
辺りに緊張感が走り、街の人たちは何が起こるのかと脅えている。これは夜の戦いだ。
遠くの空の方から何かに乗って誰かがやって来る。
ぶぅぅぅぅん
「なんだ?」
へんなエンジン音が辺りに響き渡る。
遠くからやって来たのは、赤いフェラーリに乗って飛んでいる魔王だった。
ぶぅぅぅぅん
フェラーリはレイのすぐ側で停止した。
そしてフェラーリから黒い布を被った男が出てきた。
「帰るぞレイ…お前は俺のものなのだから…」
少し低い声で話す魔王に、圭吾はちょっと怖くなったが、ブレイブソードを握って魔王の前に出る。
「お前が魔王か?」
「いかにも…お前は勇者か…まさかまだ勇者の素質をもつ奴がいたとはな」
「何でもいいから早く戦おうぜ」
「威勢のいいガキだ…ボロボロにして、苦しませながら殺してやる」
魔王からただならぬオーラが溢れ出す。少し暗めの紫色だ。
「行くぞ!最終決戦だ!!」
圭吾はブレイブソードを握りしめ、魔王へと向かっていく。魔王は手に紫色のオーラを纏いながら、圭吾へと手を差し出す。
「やばそうだな!!」
どう見てもやばそうなオーラなので、圭吾はその場から離れる。しかし魔王の手からは紫のオーラが出ているだけで、何も変わらない。
「あの一瞬で判断をして、攻撃を止めたというのか…」
魔王の強さに、圭吾は本当に勝てるのかどうか不安になってきた。しかしここで諦めるわけにはいかない。また圭吾はブレイブソードを握りしめて魔王へと襲いかかる。魔王の手前まで来たところで剣を振り上げる。しかし魔王が圭吾に向けて、紫のオーラを纏った手を差し出す。
「くそっ!!直撃だ!!」
圭吾は手を顔の前でガードするようにする。そして地面へと着地する。
「え?」
何かがおかしい。今のは必ず攻撃が直撃した筈だ。
「喰らえ!!」
「やばい!!」
また魔王は、手を後ろへとやって圭吾に手を突き出す。圭吾はまた手をガードするように構える。
「ん?」
「はぁ!!」
「うわぁ!!!………え?」
魔王はまた圭吾に向けて手を突き出すが、やっぱり何も出ない。
「ちょちょ、ちょっと、待て…えっ!?」
「はぁ!!」
「はぁ!!......……じゃねェェーよ!!何も出てねェーんだよ!!」
この時点で、圭吾はあることに気づいた。
この魔王は弱いのではないかと。そして圭吾はブレイブソードを持ち、魔王に襲いかかる。
「ふっ…そんな動きじゃ私の攻撃の餌食だ」
魔王は真正面に来た圭吾に向けて手を突き出す。しかし圭吾は物凄い速さで魔王の後ろへと移動していた。
「観念しろ魔王!」
魔王は物凄い速さで、両手を挙げた。
「参りました」
「えっ!?ちょっともう1回言ってくんない?」
絶対に聞き間違いだろうと思い、もう1回聞き返す。こんなすぐに魔王が投降するはずがない。
「聞こえなかったの?参りました参りました参りました参りました参りました参りました参りました参りました参りました参りました」
「言い過ぎだよ!!分かったよ!!もう1回って言ったの!!何で何回もリピートしてんだよ!!」
魔王は降伏した。しかしこんな簡単に魔王を倒せていいのだろうかと圭吾は思った。
「凄い…凄すぎます!!圭吾さん!!」
サナは圭吾の強さに驚いていた。レイも口を大きく開けて、驚いていた。
「魔王弱すぎだろ!!!!そんなわけあるかァァァァァ!!」
「ふっふっふ…そうさ… よく気づいたな…私は替え玉だ…私は魔王では無い!!」
「くそォォォォォォォォォォ!!!」
(ニート生活にやっと戻れると思ったのに!!!)
圭吾は今までで1番悔しがった。それと、この替え玉に腹が立っていた。
「えっ!?ちょっと待って?逆にぃ、逆にぃ、もう魔王と戦えると思ったぁ?えっ?嘘ぉ?まじで?」
「喋り方が変わってねぇーか?」
魔王の喋り方は少し高めの声に変わっていた。そしてテンションがオカマのように変わっていた。
「だってぇーあの喋り方は魔王の喋り方じゃん!?何言ってんの?えっ!?魔王をちゃんとやれてたってこと!?ほんと?嘘?そうだったらまじ嬉しぃー」
「何こいつぅ!!うぜぇ!!」
魔王は全く別人に変わってしまった。
「いやぁでもさぁ!勇者出てくると思わなかったもん!!そりゃ替え玉だからさぁ!勝てるはずないのよ!!そりゃぁ降参よ!!」
「いやでもお前が来る時、凄いことになってたぞ!」
「あぁー!!それ?それねぇ!!演出演出!!魔王の替え玉になると付いてくんのよ!!」
「なんだそのオマケ!!!」
魔王の替え玉は甲高い声で、どんどんと喋る。圭吾はそれに追いつくので必死だ。
「じゃあなんでお前が替え玉やってんだよ!!」
「えっ!?それ聞いちゃう?ほんとに聞く?ほんと?ほんとぉ?ほーんと?」
「うるせぇ!!早く聞かせろ!!」
圭吾か聞き出したいことを聞いても、魔王はなかなか本題に入らず、圭吾はイライラしている。
「いやぁ!クジでぇー勝ったの!」
「はぁ!?クジぃ!?」
「そう!!クジ!!クジぃ?クジぃぃ!?クジぃぃぃ…」
「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!!!!」
そろそろ頭がおかしくなってきそうだったので、一気に腹立たしさを解放してやった。
「クジってどういうことだよ!」
「替え玉クジに決まってるでしょぉ!?」
魔王の替え玉は手を広げて、ベロを出しながら圭吾に説明をする。
「替え玉クジはぁー魔王様の替え玉を作るクジでぇー全員が引くことが出来るからぁー誰にでもチャンスが巡ってくるのよぉーでもぉーこれでぇー負けたからー私はー替え玉引退ねー」
「長々と喋んじゃねェ!!」
「だからー私はーあなた達のー仲間にぃーなる」
圭吾は耳を疑った。こいつは何を言っているのだろうと。そして何も聞かなかったことにしようと。
「ねぇねぇ!!聞いてるぅ?聞いてるの?おーいおい!おーーーい!!おっほぉっーい!!うほ!」
「ゴリラになってんじゃねェーか!!」
「仲間は多いほうがいいんじゃない?」
レイは仲間に入れるのを押している。
「嫌に決まってるだろうが!!」
圭吾はどうしても仲間には入れたくはないようだ。それもそうだ、戦力外が増えるだけなのだから。
「私の名前はカエダマよ!よろしくぅ!」
カエダマと名乗った。圭吾はそのままのネーミングにイラッとした。
「なに入る雰囲気になってんだよ!!入れるわけないだろ!!」
カエダマが圭吾の仲間になった。
タラララーン!
「おいぃ!!また作者ァァァァ!!!ゴラぁぁぁぁ!!!!ざけるなぁ!!お前が一番の敵じゃぁ!!てか何度もお前の好きにさせるかァ!!」
圭吾は作者を無視して暴走する。もう手に負えない。圭吾はブレイブソードでカエダマへと襲いかかる。そして何回も斬りあげる。
「ぎゃあああ!!!!!」
カエダマの悲鳴が辺りへと響く。
カエダマは地面へと倒れた。
はっはっはっ!!甘かったな圭吾!!作者はそんなんでへこたれるか!!こちとらカエダマを直せるんじゃ!!
カエダマは何故か分からないが謎の力が働き全回復した。
「クソがァァァァ!!!!」
カエダマが仲間になった。
「でさぁ!みんな私の今の姿が本当の姿って思ってる?思ってたら大問題!!見せてあげる本当の姿!!」
そう言ってカエダマは頭に手を乗っける。そしてそのまま掴み引っぺ返し始めた。そしてそこに現れたのは髪の毛が肩まであり、鼻の下に髭が生えてる変態だった。それを圭吾はガン無視する。
「てかさ!レイは良かったのか?自分を追いかけてきた張本人を仲間に加えるんだぞ?」
「まぁ少しは嫌だよ。でも旅が楽になるならそれでいいでしょ?」
戦力外を入れたところで楽にもならないと思いながら圭吾はレイの話を聞いていた。そして後ろからは恐る恐る見ていた村人達が近づいてきた。
「おい!!お前強いなぁ!是非俺に力を貸してくれェ!」
禿げた男が言ってきた。その禿げた男が言うには村の奥にある祠に祀られている神が暴れ出してしまったという。
(またまためんどいイベント来たァァ!!)
「やりましょう圭吾さん!!なんたって圭吾さんは選ばれた勇者さんなのですから!!」
余計なことを口走らないでくれと思っていた矢先にサナは言った。
「いやぁでも俺弱いしなぁ」
(サナ!!どうか俺を殺さないでくれぇ!)
「選ばれた勇者だと!!それは良かった!!」
圭吾を置き去りに話は勝手に進んで行ってしまう。圭吾は追いつけない。
「じゃあがんばるわよ!!」
カエダマは物凄い張り切っている。ぷにぷにとレイもそれに合わせて手をあげる。
「じゃあついてきてくれ!」
そう言って禿げ男は歩き出す。それに全員ついて行く。圭吾の後ろにはギャラリーが沢山ついてきていた。
「あ、申し遅れました私はこの村の町長をやっていますハゲ一と申します」
すげー名前だと思いながらもそれを聞いているふりをして無視する。少し歩くと洞窟のような場所につく。
「ここが''死ぬ洞窟''です」
「名前ェ!!」
誰がどう聞いても不吉な洞窟名だ。
「ではよろしくお願いします」
そう言ってハゲ一は洞窟の前で立ち止まる。
「え?一緒には行かないんですか?」
サナがハゲ一に聞く。晃孝は理由を分かっていた。
「死にたくないので勝手に倒してください」
(うん!知ってた)
晃孝の予想通りに話は進んだ。この洞窟からは圭吾達だけで進むことになった。圭吾達は覚悟を決めて洞窟に入っていく。洞窟内は雫が垂れ落ちてきていて、少し薄暗かった。少し肌寒い気もした。そして急に何かが圭吾達に向かって飛び出してきた。それはでかい芋虫だった。
「きゃあ!!」
サナは怖がって圭吾に抱きつく。圭吾は照れた。照れまくった。死ぬかと思った。というか今すぐにでも結婚式を開きたかった。今思い出したが、ハゲ一がこの洞窟には大きい芋虫がいると言っていたような気がする。名前は芋虫と言うらしい。目が真っ赤で気持ち悪い。
レイはそのカンピアをなんの躊躇もせずに殴る。カンピアは消え、<500トレッド>と<芋虫の液>を手に入れた。
「な、なんの躊躇もなく殺しやがった…こえぇ…」
圭吾はサナに比べてレイは怖いと思った。必ずこの人には喧嘩を売ってはいけないと思った。そして圭吾達はまた奥へとどんどん進んでいく。
奥から何かの音が聞こえる。たくさん響いているようだ。何かが地面を擦れる音が辺りに響き渡っている。全員は嫌な予感がしている。そう、奥からやって来たのは反撃しに来た芋虫達だった。ざっと数100匹はいるだろう。
「うわぁ!!きもいきもいきもいきもい!!!!」
「よーし!久しぶりに戦闘だ!!」
ぷにぷにが前へとでる。出せる技もないのにやる気になっている。
「よし!行くぞ!!」
圭吾はみんなに声をかけた。
「おう!!!」
みんなで一斉に芋虫の方へと向かっていく。