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大豊姫 その12

人物紹介

大豊姫:Iカップの大天使。グラマー好きにはもてる美女。ブラウンのゆるふわ髪。

パンツ子:意思を持つ少女型ゴーレム。セーラー服を来た中学生にしか見えない黒髪ポニテ。

ナガミーチ:日本から来た人。マリユカの付き人。普通の顔立ちの男。

マリー:少女に見えるが最高神マリユカの仮の姿。黒髪パッツン。

デルリカ:ウェーブのかかったブロンドを持つ美女。33歳だけど求婚があとを絶たない。人類最強。

―大豊姫 その12―


最前線に着くと、意外な事に大福は司令官として働いていた。


「中破まで負傷したゴーレムは回復用のスリープモードに入って。6体集まったチームから出撃だ。数が足りない班は暇そうなゴーレムに声掛けて自力で補充して!」


指示出してる。

意外、ちゃんと戦っているみたい。


って言うか…デスシールにはナガミーチ製ゴーレムを中破させる奴が居るの?

それ初耳なんですけど。


私は大福に駆け寄る。

「ちょっと、ゴーレムが自己修復の為にスリープモードにならないといけないほど破壊されたの?嘘でしょ。」

「あ、ダイホーさん。なんか敵に強いのが居るらしくて、ジリジリ押されています。そろそろスリープ中のゴーレムが多くなり過ぎて厳しくなってきてますね。」


私は急いでパンツ子ちゃんを見る。

「パンツ子ちゃん、指揮を変わって。シルクレースちゃんは前線の敵の正体を探って。リボンパン子ちゃんは、ゴーレム増やすから手伝って。」


「「「はーい」」」


それを聞いて大福は怯えた目になる。

「ご冗談でしょ、ほら、いまおれ忙しいし。」


でも私が地面に魔方陣を浮かび上がらせる。そこにリボンパン子ちゃんは手早く資源を置いた。

どっせい!私はその魔方陣のなかに大福を放り込み、股間にパンチを振り下ろす。

「うぎゃあああ、いでよ九十九神いいいいい。」


するとすぐに新しいインテリジェンス・アーツのゴーレムが魔方陣からはえて来た。


私はそれを見て満足しつつ、大福を一瞬で回復させる。

「よし、ちゃっちゃと進めよう。」


そうしながら、次々にゴーレムの製造を続けた。


「ぎゃああ」

「次いくよ」


「うぎゃあ」

「はい、次用意して」


「ぎゃわわわ」

「すぐ次やるよ」


・・・・

・・・

・・



ゴーレム軍の指揮はパンツ子ちゃんいまかせているので、夜中までゴーレムの作成だよ。

楽しく一晩で320体も増やせて一安心。


持ってきた資源を全て使い尽くしたので大福を解放。

ふう、ストレス発散っていいよね。

今夜はグッスリ眠れそう。




そして次の朝。

大福はやっぱり馬鹿なようで、昨日の事など綺麗に忘れた顔で起きてきた。

「いやー、面倒ですよねー。ぱっと勝てないですかね。」


お前な、面倒なら帰ってくれても良いんですよ?

すぐ帰して上げるよ。


ほんとコイツ嫌だなあ。


眠い目を擦りながら、朝食の為に司令用のテントに行くと、ゴーレムの子達が大量に集まって体育座りしていた。


探査で数を数える。

832体


この国が保有する、インテリジェンス・アーツのゴーレムが全部勢ぞろいしているんだね。

なんで一体も出撃してないのかな?

休憩中?


私と大福が近づくと、先頭で体育すわりをしていたパンツ子ちゃんが立ち上がる。


「ダイホーさん、司令官。敵の殲滅終わりました。デスシールの王を司令用のテントに軟禁していますがどうしますか?」


最初、言っている意味がわからなかった。

え?王を捕まえた?


大福は慌ててパンツ子ちゃんに駆け寄る。

「王を捕まえたってマジ?だって敵の軍は結構強かったでしょ。」


すると不思議そうに答えてくれる。

「いいえ、普通にノンストップで王城を落とせましたよ。軽々落とせました。むしろ私達が来るまでの2日間、どうやって苦戦していたんですか?」


大福は動揺していた。

「嘘だ。たまたまじゃないの?それとも敵が戦力を落とすシフトの隙間を狙えたとか?それとも…。」


なんか一生懸命、自分が悪いんじゃないと言いたげな推理を始めたので、ナガミーチさんに念話を飛ばして聞いてみた。


『ナガミーチさん、なんか大福が2日間も苦戦していた敵を、パンツ子ちゃんが一晩で落としたみたいなんですけど、なんでですかね?』

『どもダイホーさん。っていうか僕のゴーレムを500体以上使ってどうやって苦戦するんですか?』


『ですよねー。パンツ子ちゃんも不思議がってました。でも私達が来るまでは半分以上のゴーレムが小破や中破してて、回復用のスリープモードで動けない状態だったんですよ?』

『…え、どうやって?だってそもそもデスシールの攻撃じゃ破損させられないはずですよ。』


『やっぱりそうですよね。現にパンツ子ちゃんが力押しで圧勝しているし。何故でしょうね。』

『……いまマリーちゃんがゲハゲハ喜んでます。どうやら大福の無様な姿が楽しいらしい。まさか、、、ちょっと大福さんのステータスを見てもらえます?バッドステータスがついてませんか?』


いわれて私は大福のステータスを見る。


<マリユカの呪い><生涯童貞の呪い>


『ナガミーチさん、しっかり<マリユカの呪い>が付いてますよ。これじゃ上手く行くわけなかったんですね』

『やっぱり。彼にはリタイアを勧めてあげてください。ちょっとこの後はいいこと無いと思いますので。』

『そうですね、わかりました。』


念話を切り、大福を見るとまだ言い訳をしている。

近づいて、そっと肩を叩いた。


「大福さん、そろそろ潮時ではないでしょうか?元の世界に帰るのでしたら手伝いますよ。」


しかし大福はヘラヘラしながら答える。

「なんでですか。絶対に帰らないから。」

「でも、コッチの世界に居てもこれ以上楽しい事は無いですよ。」


「大丈夫、ゴーレムを連れてデスシールを占領ですよ。ゴーレムのチートで無双してやる。」

「でも。。。。」


大福は私からプイっと顔を背けると回りに命令を飛ばす。

「このうるさい女を押さえつけろ。散々痛めつけられたから復讐してやる。性的な意味で。」


うわー、こいつキモ!

するとゴーレム達は一斉に立ち上がった。

ゴーレムちゃんたちは『司令権』に逆らえない。


あ、ヤバイかも。

くー、こういう困ったときはアレしかない。

念話発動!

『ナガミーチさん緊急です!大福がゴーレムちゃんたちに命令して、私に薄い本みたいなエロい事をする気です。助けてください!』


『大豊姫さん…、なんども思いましたけど日本のこと詳しいですよね。まさかその言い回しが出るとは思いませんでしたよ。』


ナガミーチさんが呑気な事を言ってる間に、私は取りおさえれてしまった。

『うわーん、捕まりました!はやく!早く助けてください!』


そこで、パンツ子ちゃんの声が聞こえた。


「それ以上は許しません!」


すぐに大砲が撃ちだされる様な音が聞こえた。

ドガァァァン!


唐突に大福が砕けた。

何が起きたの? いや、本当は分かっている。ただ認めたくないだけ。


咄嗟に思ったことを念話で飛ばしてしまった。

『汚ねえ花火だ…』


その間に、上半身を失った大福の下半身がパタリと倒れる。


『大豊姫さん、日本のサブカルに詳し過ぎますよ。でも、ふざけている余裕があるなら結構。ゴーレムの強制停止コードを言いますから、それを叫んでみてください。』


状況が見えないナガミーチさんからの念話が、すでに手遅れで虚しい。


私は、返り血で自分が真っ赤になっているのがわかった。

顔についた生臭い液体を拭いながら返事をする。

『いいえナガミーチさん、強制停止コードは必要なくなりました。だって、今まさに大福が砕けましたから。』


『えええええええ!どういう事ですか!』


でも返事をする気が起きなかった。

私をおさえ付けていたゴーレムちゃんたちも、司令権の所有者が消えたので、ノロノロと手を離し、爆発で浴びた血に呆然としている。


うーん、死んだね。大福。


みんなが呆然としているなかで、パンツ子ちゃんだけが険しい顔で立っていた。

右手の魔力砲から発射後の煙を漂わせながら。


私はゆっくり立ち上がるとパンツ子ちゃんに近づく。

パンツ子ちゃんは泣きそうな顔をしていた。


魔法で自分についた返り血を消し去ると、そっとパンツ子ちゃんを抱きしめる。

「ありがとう、助かりました。」


私の中で、パンツ子ちゃんは震えている。

一度は自分の司令官だった人を撃ち殺したのだ。

恐ろしくないわけが無い。


私はパンツ子ちゃんを抱きしめながらナガミーチさんへ念話を送る。

『ピンチの私をパンツ子ちゃんが助けてくれました。大福は死にましたが…長道さん、この後始末をお願いしていいですか?お願いします、どうにかしてください長道さん。』


すると数秒の沈黙の後に、やれやれという感じの声で返事が返ってきた。

『もう、大天使でしょ。僕なんかに頼らないでくださいよ。まあ厳しいですけど、多少は丸く収まるようにしてみます。2~3時間そこで待っていてください。』


ありがとうございます。


私もゴーレムちゃんたちも、黙ってその場で待っていた。

みんなボソボソと大福の事を話し出す。

その話で、だれも『司令官が好きだった』という子は居なかった。

ボソボソなのに、延々悪口ばかりが語られている。

すごいな、死んだのに悪口しか言われないとか、あるいみ偉大だよこいつ。


3時間ほどして、お昼くらいの頃に聖騎士の集団と一緒に、マリー様を小脇に抱えたナガミーチさんが転送魔法で現れた。


「お待たせしました。準備してきたんで始めましょうか。」


すると聖騎士30人が大福の下半身を囲む。

そこにナガミーチさんが魔方陣を描く。


そして準備が整ったところで、ナガミーチさんは私のところに来た。

「では始めましょう。実は今、試練の神・メビウスさんのところにいって、新しいジョブを追加してきました。ですから今、ここに居る聖騎士は『ベルセック・パラディン』という称号になっています。」


言われてからチェックすると、たしかに全員『ベルセック・パラディン』になっている。

さらに良く見るとスキルに<蘇生の儀式>というのがついていた。


まさか…


タブン私は驚いた顔をしたと思う。

それを見て、ナガミーチさんがニヤリとした。


「そうです、折角なので今まで暖めていた<蘇生>を実装してみました。とはいえ今回は、ぶっつけ本番の実験なので失敗するかもしれません。そしたらまたメビウスさんのところに行って、プログラムを書き換えます。なのでまずはあまり期待しないでくださいね。」


おおおお!

私達大天使ですら持ってい無かった<蘇生>を勇者システムに実装なんて、なんて無茶苦茶なんでしょう。

でもどうやって?


そうか、このあいだ作った「天界用言語」の中に<蘇生>のためのアルゴリズムを仕込んでいたんですね。

すごい!すごいですよナガミーチさん。大天才!


すると聖騎士ベルセック・パラディン達が儀式のために鎧を脱ぎ、ローブ姿になった。

その儀式の中央にデルリカちゃんが転送魔法で現れる。


何が起きるんだろう。


すると、一斉にそれぞれの空間収納から楽器を取り出した。

え?楽器?


それを確認すると、死体の上に空中浮遊しているデルリカちゃんがタンタンタンと手をたたく。

「スリー、ツー、ワン、はい!」


その掛け声と共に聖騎士たちは楽器を演奏し始めた。

そしてその演奏にあわせて、デルリカちゃんが空中で舞い始める。


おおお、美しい。

前奏が終わると今度は歌いだした。

ポップでロックぽい日本的な独特な音楽の歌。


あ、これサトミーちゃんの歌だ。


でもデルリカちゃんが歌うと、またまったく別の曲みたいに聞こえる。

上品に大きく踊り、透き通るように響き渡る歌声。


はああ、聞き惚れちゃう。


そして一曲歌い終わると、優雅に一礼した。


同時に832体のゴーレム達から拍手がでる。

私も思わず拍手しちゃった。ブラボー。


マリー様もキャッキャと喜んでいる。

すると魔方陣に光がともり、大福の下半身に向って地面に放置されていた肉片が集まりだす。


さらに、聖騎士たちの身につけている装飾品から、半透明な少女達が飛び出し、しばらくしたら見慣れた猿顔の男の霊を連れてきた。


半透明だが一目で分かる。大福だ。

そして半透明の大福の魂も、半透明の少女達によって魔法陣の中央に投げ込まれる。

そして、ゆっくり魔方陣の光りが消えた。


おお、もしかして蘇生成功?

凄い期待できる。


私は飛び上がって魔方陣の中央を見た。

そこには。


黒い猫が一匹いた。


それを見つめてナガミーチさんは引き攣った笑顔で声を震わせながら言った。

「は、半分成功。」


いやいやいや、半分も成功していないでしょ。

お読みくださり、ありがとうございます。


ナガミーチ「蘇生とかできると、とたんに詰まらなくなりますよね。」

マリー「ねえねえ、だからネコになったのですかー?」

ナガミーチ「そ、そのとおり。そのとおりです。あははははは」

マリー「(ホンキの失敗だったみたいですね。後でからかっちゃお。)」

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