大豊姫 その6
2016/6/20 18:45 補足修正。
―大豊姫 その6―
「うぎゃあああ、いでよ九十九神!」
今回はノコギリで股間を切り落としてみちゃった。
両手を縛られている大福君はガックリと意識を失う。
でもスグに回復魔法しちゃう。
ふふふ、私の回復魔法は定評あるんですよー。
なんせ胴体をミンチにされて、首を切られて頭の半分が吹っ飛んでから、一時間くらいまでなら数秒で回復させられるんだから。
発狂もしないよ、精神ケアも回復魔法で行うから。
大天使・大豊姫の回復魔法は最上級です。
すると新しいゴーレムが魔方陣からはえてくる。
こんどのゴーレムは赤と白を基調としたメイド服を着た20代後半の女性だった。
「ひゃっはー、ソード型151番ゴーレム・旋風剣だ。空から襲い掛かる60本の刃に恐れおののくが良い。特技は飛翔剣舞とバスタービームだ。まあ仲良くやろうぜ司令官さんよ。」
旋風剣さんは待っていた騎士に連れられて別の部屋に移動する。
すぐに次の資源が運ばれてくる。
運んできた騎士が私に名刺を渡す。
「こちらの資源は、ベリースター伯爵家よりご提供いただきました。こちらで最後になります。」
「わかりました、では魔方陣の上にお願いします。」
大福君は力なく微笑んだ。
「やっと終わり?これで終わりなのね。」
私は、返事をせずに彼を資源の上に放り投げる。
そしての口を押さえた。
「何を・・・モゴモゴ」
その状態で、わき腹に拳を叩き込む。
「うぐううううううう」
さらにアバラを掴んでへし折る。
「うごおごごお。」
でも呪文は唱えさせない。
こうやって苦痛を与えることで、ゴーレムがランクアップするんだから頑張っちゃう。
さらに足の指を掴んで、腕力でねじ切る。
「ぬおおおおお」
最期に口から手を離して、インゴットを両手に持ち二つのインゴットで挟むように股間を潰した。
「うぎゃあああああ、いでよ九十九神!!」
すると魔方陣が光り、少女が生えてくる。
「シールド型37番ゴーレム。シルディーです。どんな攻撃も跳ね返します。特技は対魔力シールド、対物理シールド、範囲回復、大発光です。わたしに司令官を守らせてください。」
そこでがっくり大福君はまた気を失った。
ふう、良い仕事しました。
労働で汗だくになったからお風呂行きたいな。
この一週間で1219体のゴーレムが出来た。
大福君の魔力が尽きたら、私が補給してあげることで見事にやり遂げたって感じね。
縛られて気を失っている大福君を放置して部屋を出る。
その足で部屋に戻って湯浴みをしてた。
仕事の後のお風呂は良いよね。
ゆったりしていると、浴室のドアの向こうからメイドさんがノックした。
「おくつろぎ中のところ失礼いたします。大公陛下が急ぎ来てほしいとのことです。」
「わかりました、急いで向うとお伝えください。」
まったく忙しくて困っちゃう。
私はすぐに準備をして大公陛下の居る執務室に向った。
執務室の前まで行くと、警護の騎士にすぐに部屋に通される。
するとダギル大公のほかに、部屋の中にはナガミーチさんが居た。
うお!
早足でナガミーチさんの前まで行って両手で肩をがっしり掴んだ。
「ナガミーチさん、来ていたんですね!」
なんかジタバタ逃げようとしたけど、今日はガッツりつかんで逃がさない。
すこし暴れたけど、すぐにナガミーチさんは大人しくなった。
「これから大事な話をしますので、ダイホーさんも大人しく座ってもらえますか?」
「いやいや、それよりも・・・」
ドゴ!
ぐふっ、大天使である私が血を吐き出すほど強力な一撃が脇腹を襲った。
何?何?
衝撃の方を見たら、そこには不機嫌な表情をしたマリー様がアッパーを打ったポーズで立っていた。
マリー様、いまの一撃お見事でした。
喰らったのが大天使でなければ、国の一つや二つ滅びる威力でしたよ。
「ダイホー、調子にのるなって言いましたよね。ナガミーチを放して座りなさい。」
マリー様がお怒り!
「す、すいません。すぐ座ります。」
私は、口から垂れる血を拭いながらフラフラ椅子に座る。
うえーん、なんで私が怒られなくちゃいけないのよー。
きっと大福が悪いんだ。
そうだ、大福が悪いに違いないよー。
ダリル大公が心配そうにこっちを見ているけど、あなたに心配されても嬉しくないですよ。
ナガミーチさんは「助かりました」とか言いながらニコニコするマリー様の頭を撫でてる。
ひ、ひどい。
泣くぞ。いや泣いてます。ポロポロないてます。
私が何をしたのよ、ぐすん。
するとナガミーチさんが私を無視するように話し始めた。
「では話の続きですが、ここは言葉の裏の読みあいなしでストレートに言います。誤解が少しでもあると嫌ですので。よろしいでしょうか、ここからは言葉の裏などないので額面どおりに受け取ってください。」
話し掛けれれて大公陛下は慌ててナガミーチさんを向く。
「う、うむ。それは承知した。」
「では、まず僕らがフレンツ公国に攻め入る理由は一つ。それはこの国が大福さんを保護しているからです。彼さえ手放してくれればデルリカさんも侵攻をやめます。」
大公は厳しい顔になる。
「だが、彼は人工精霊を作り出せる。それはインテリジェンス・アーツを大量生産できることを意味しておる。手放すことは出来ぬ。」
するとナガミーチさんは冷たい空気をまとわせて、ユックリ口を開く。
「デルリカさんの意思はマリユカ様のご意志です、こちらは引けません。もしもデルリカさんが攻めてくれば、いまそちらの国にあるインテリジェンス・アーツのゴーレムはすべて破壊されますよ。良く考えてくださいね。彼女達を殺すかどうかを。」
「貴様、こちらがインテリジェンス・アーツのゴーレムに情が沸くのを待っておったのだな。そしてこのゴーレムがお主製だとこちらに知らせることで、我らがどう出るか探ったな。」
私は、小さく大公さんに聞いた。
「つまり、どういう事だってばよ。」
「ワザワザ少女型ゴーレムを送ったのは情をわかせるためだ。そしてゴーレムの出所がナガミーチだと教えてきたのは、我らが一枚岩かどうか調べるためだ。私だけに知らせたのに他の貴族がゴーレムを作る事をやめなかったので、私への求心力が低いことが見抜かれた。ここでデルリカが攻めてきてゴーレムが破壊されて敗北すれば、もうワシは身の破滅しかない。
そこまで自分が有利である事を確信して大福を引き渡せといってきておるのだよ、この賢者殿は。」
何かナガミーチさんの目が一瞬泳いだ。
あ、絶対そこまで深く考えてなかったな。
だって最初に裏はないっていっていたもの。
本当に何も考えずに説得に来たんじゃないかな。
でもナガミーチさんはすぐに冷静さを装う。
「僕の言葉を深読みしすぎると迷路に落ちますよ。言ったまま受け取ってください。デルリカさんの行動はマリユカ様のご意志です。今回の敵がグルニエール王国だと思っているのならば間違いです。今回のあなた達の敵はマリユカ様です。ですから判断を間違えないでくださいね。」
「だから、国に愛着がないというナガミーチも、デルリカの味方をするという意味だな。」
「それは否定しません。」
「恐ろしい男よ。餌を与えて、味を占めたところでそれを奪うと言って脅してくる。」
「ですが、損な話ではないと思いますよ。あのゴーレムたちだって、かなり破格の安値でお譲りしたのですから。それでいいじゃないですか。」
すると目をつぶって大公陛下はしばらく考える。
ナガミーチさんはそんな大公さんの言葉を根気よく待っているようだ。
数分の沈黙のあと、苦しそうに口を開いた。
「だが、ナガミーチも気づいているだろうが、私の求心力はもうない。大福を手放したくてもわしの意見は通らないであろうよ。みなが心底恐れるほど血を流さなければ降伏するのは無理だ。」
するとマリー様がニパーと笑った。
「大丈夫ですよオッサン。ナガミーチに従えば、オッサンの保身をしつつ大福を手放せます。ね、だから・・・・ナガミーチ、どうにかしてください。」
ナガミーチさんは不機嫌そうにマリー様を睨む。
「また丸投げですか!もう、勘弁してくださいよ。でもあえて考えるのであれば、大公陛下は一旦ライバル公爵に『やれるものならやってみろ』と大公の座を明け渡してください。」
「何をいっておる?」
「そうしたら彼らの派閥がダギル大公とは違うところを見せようと、自分の手駒を国境線に配置するはずです。デルリカさんがその貴族軍を殲滅したら、むしろ今までの被害で納めていたダギル大公の手腕を見直す人が増えるでしょう。そしたら降伏して大福さんを引き渡してください。先に反対派の貴族がデルリカさんに殲滅させられるんで、意見が通りやすくなりますし。」
「…恐ろしい男よ。鞭の次はアメで誘うか。ワルよのう。」
「いえいえ、本職の方々には敵いませんよ。」
そういいながら、マリーちゃんの口に焼き菓子を突っ込んみながら、悪い顔で笑った。
黒いナガミーチさんもカッコイイ。
およみくださり、ありがとうございます。
大公「ダイホーよ、男の股間に恨みでもあるのか?」
ダイホー「いいえ。ただナガミーチさんが一生童貞の呪いを受けているので、ほかの男性にも苦しんで貰いたいのはありますね。ですからナガミーチさん以外の股間への攻撃は私の義務だと思っています。」
大公「ナガミーチ、流石は賢者。聖人というわけか。」
(そしてまた無駄に過大評価されるナガミーチであった)




