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松尾健太 その2

―松尾健太 その2―


ふひー、ごっつぁんです。

馬車の中ではお楽しみでしたよ。<魅了>大活躍の巻。

美人金髪母娘とキスしたり揉みまくるとか、日本では考えられなかったからな。

拙者大満足だ。


お腹をゆらしながら馬車を降りると、<魅了>で拙者にメロメロになった二人が、うっとりした目で拙者の腕に抱きつく。

美人母親の名前がマリア。

金髪美少女の名はデルリカという。


で、馬車が着いたここは、この母娘の住む「ベルセック伯爵邸」である。

大きい。

日本人の感覚では、校庭が綺麗な庭園になった中学校といえばいいだろうか。

そのくらいのお屋敷だ。


二人に案内されるままお屋敷に入ると、奥から美麗な人が拙者たちに駆け寄ってきた。

「マリア!デルリカ!何をやっているのだ。」

まるで宝塚みたいな綺麗な顔を怒らせてイキナリ剣を抜くと、拙者に突きつけてきた。


「デブ、貴様は何をしている!妻と娘に何をした。返答しだいでは八つ裂きにしてくれるぞ!」


うん、どうやらこの宝塚っぽい人がベルセック伯爵なんだろう。

女性にしか見えない綺麗な顔に、細く長い手足。

貴族の血って言うのは美形を生みやすいって聞いたことがあるけど、ここまでなのか。

そして、拙者にとってはエロ対象として見れるな。ベルセック伯爵でも問題なさそうだ。


「魅了!拙者に惚れろ!そして掘られることを望め!」

即効<魅了>発動。

ベルセック伯爵は、すぐに剣を下げてモジモジしたしぐさで拙者を見だした。

よっしゃ、伯爵には男の娘になってもらおう。


「ベルセック伯爵、もしも拙者・松尾健太に好意を持つのなら、メイド服に着替えて女性っぽくなって出直すのだ!」

「な、何を・・・しかし貴殿がそれを望むのなら。」

いうと、きびすを返し奥に消えていった。


うひひひ、笑いが止まりませんな。

そうだ。

拙者はマリアに向く。

「マリアさん、この屋敷の女中を拙者に紹介してください。全員を一目見ておきたいので。」

恋するオトメのマリアママは、嬉しそうに頷く。

「はい松尾様、私がご案内いたしますわ。」

すると不機嫌にデルリカ嬢が拙者を引っ張った。

「お母様ズルイですわ。ワタクシが松尾様のご案内をいたします。」


わははは、おいおい、親子で拙者を取り合うなよ、やれやれ。

思わず口元が緩んでしまう。


しょうがないので、二人に案内をしてもらうことにした。

拙者を取り合うロリとマダム。

異世界万歳だな。


その日のうちに、このお屋敷にいる24人の全ての女中を<魅了>でモノにした。

ハーレム第一陣完成!


しかしこれはまだ序の口。

このまま国中の美女を拙者のハーレムに入れてやる。

わはははは。


心の中で大笑いしていたら綺麗系のメイドが歩いてきた。

「松尾殿、これでよいのだろうか?」

だが声は男。


ベルセック伯爵、グッジョブ!

「ほー、なかなか良いな。では拙者とベッドのある部屋で親交を深めようではないか。」

照れるベルセック伯爵は頷きつつ、拙者の手をとって部屋に案内した。


何でもあり、異世界は凄いところだ。

ーーーーーーーーーーーーーーー


拙者が未知の世界、「男の娘」を性的にアレした後、デルリカ嬢と共に街に出てみた。

素晴らしかったですぞ。


・・・あれ、拙者もしかして・・・DT卒業を男の娘でしてしまった?

ぐ、ぐぬぬ。ちょっとさっきのは無し。あとで沢山ハーレムで楽しんで、この切ない過去を帳消しにしなければ。


そうだ!良さそうな街娘は根こそぎ<魅了>の餌食にしてやる。

ぐふふふ

目移りする。


すると後ろから、誰かが拙者の肩を叩く。

「松尾さんもこの町についていましたか。」

振り向くと、長道さんが微笑んでいた。

長道さんの後ろには、拙者を汚いものでも見るような眼つきをした、銀髪ツインテールの美女がいる。


「あ、長道さんも無事だったんですね。ところで・・・長道さんの後ろの美女は?」

拙者の目は銀髪ツインテール嬢に釘付けである。

すらりと細い体で、身長は170センチはありそう。

快活な性格をしていそうな表情をしている。


これは・・・欲しい。


銀髪ツインテ嬢をジロジロ見ていると、長道さんが困った顔で視線に割り込んできた。

「この女性に<魅了>は使わないでくださいね。この人は一応僕の相棒なので。」

ち、いったん我慢するか。


「はいはい、長道さんの相棒なら我慢しましょう。ところで長道さんはどこ行ってたんですか?イキナリ消えたので驚きましたよ。」

だが心配はしなかった。


「ああ、あの時はちょうどこの大海姫さんに拾われて飛び去ったんです。何も言わずに姿を消してしまいスイマセンでした。」

「そうなんですか。飛び去った?飛べるんですか?」

「ええ、大海姫さんは大天使の一人なので、凄いスピードで飛べるんですよ。僕はマリユカ様に大天使さん達の召喚と使役を許してもらっているんです。」


おお、長道さんもなかなかやるな。

自分が大きな力を持つよりも、大きな力を持つ存在を自由に出来たほうが無双できるってことでしょ。

良い判断だ。


感心していると長道さんは、拙者の腕に抱きついているデルリカ嬢を見つめて言った。

「松尾さん、<魅了>を使ったんですか?気をつけてください、スキルは万能ではないと思うんです。弱点とかも把握するまで乱用は控えたほうがいいと思いますよ。いくら<剛力>や<鉄身>のスキルを持っていても、弱点いかんによっては無敵ではいられなくなりますから。」


これって親切で言ってるんだろうけど、ウザイな。

お説教は母親ババアだけで十分だ。


そうだ、お説教された腹いせに、相棒の大海姫を奪ってやろう。

うひひ、あのツインテールは良いものだ。


拙者が大海姫を見つめると、向こうも見てきたので目が合う。

今だ!<魅了>発動!


次の瞬間、微笑んだ大海姫が拙者の顔を殴ってきた。

ぐほおおお

拙者は痛みでぶっ倒れた。

「松尾様!!」

デルリカ嬢が慌てて倒れた拙者に手を伸ばす。


だがデルリカ嬢を払いのけるように大海姫が拙者の胸元を掴んで、凄い腕力で無理やり拙者を立たせると、お腹に回し蹴りをいれてきた。


ぬぎゃあああああ。


拙者の分厚い脂肪のバリアが全く役に立たず、お腹に深々と大海姫の脛がめり込む。

たまらず拙者は数メートルすっ飛ばされた。

ぐああああ

痛みでゲロを吐いた。


ゲロを吐いている拙者をもう一度蹴り飛ばすと、すごく怖い顔で笑いながら大海姫さんは拙者を踏みつけた。

「なんかお前の事が好きになっちゃったよ。わたしは好きな相手を虐めたくなるんだよね。」


うわあああ、なんだそりゃ。

拙者は急いで<魅了>の効果を切ろうとした。

だけど、ここで初めて気がついた。


<魅了>の効果は消したくても消せない。


拙者が慌てていると、長道さんが間に入ってくれた。

「大海姫さん、やり過ぎですよ! 待機してください!」


そこでやっと大海姫は動きを止めて一歩下がった。

長道さんは、懐からハンカチを出すとゲロで汚れた拙者の口元を拭いてくれた。

「立てますか?スキルみたいに便利なものは性質を理解して使わないと、意外な落とし穴があるものですよ。これからは慎重に使ってくださいね。」


ううう、相棒の大天使を<魅了>で奪おうとした拙者に優しくしてくれるなんて、なんてできた人なんだ。

この凶暴ツインテール天使よりも、よっぽど長道さんの方が天使だ。


「かたじけない。拙者が馬鹿をやったのに・・・。」

「それはもう良いです。でもわかったでしょ、これからは<魅了>の使用は気をつけてくださいね。<剛力>や<鉄身>で活躍したって女性は寄ってくるでしょうから、<魅了>に頼り過ぎないようにしたほうがいいと思いますよ。」

「はい、、、ごもっともです。」


そのあと、少し雑談をしてから長道さんは大海姫を連れて去っていった。

しかし大天使って言うのは恐ろしい。

雑談のなかで長道さんが『大海姫さんの一撃は大海を割るほどだから、充分手加減しているんでしょうけど、やっぱりバカ力ですよね。』とか言っててビビったね。


でもそれなら納得。

<鉄身>のある拙者なのに、お腹の脂肪がまるでモーゼの十戒のように割られたんだから。

長道さんは気づいてないみたいだったけど、<鉄身>があってあのダメージだったなら、普通の人なら一撃で砕け散ってるって。

チート持ちでも大天使には役に立たないか。


もう、大天使には係わらないからな、絶対。

絶対だぞ絶対。絶対かかわらないからな!


「松尾様、大丈夫ですか?」

考えに没頭していて忘れていたけど、デルリカが心配そうに拙者の腕を抱いている。

むふふ、ロリ万歳。

「拙者は頑丈なので大丈夫。そうだ、なにか食べよう。」

「はい、松尾様。」

頬を薄く染めたデルリカ嬢が微笑んでうなずいた。


こんな可愛いロリを手にいれているんだし、長道さんの言う通り、もう<魅了>は使わなくてもいいか。

そう思いながら二人で酒場に入ると・・・

「いらっしゃいお客さん、好きな席に座ってよ。」

ボーイッシュな犬耳の獣人娘が出迎えてくれた。


うん<魅了>!

「あ・・・お客さん、その・・・・素敵ですね。」

また一人手に入れてしまった。


まあツインテ大天使みたいな変な人はそんなに居ないだろうから、心配しなくて良いか。

拙者はやっぱり<魅了>を自重しないことにした。


お読みくださりありがとうございます。


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