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佐藤毅 その10

すいません・・・

間違えて修正前の第一稿を張ってしまっていました。

微妙に違っていますが、気にしなければ問題ないレベルの修正です。

2016/4/11 19:07に内容を入れ替えました。

―佐藤毅 その10―


サムソン第二王子が戦死することで唐突に始まった魔王城攻略戦。

そこに向かうにあたり、私はナガミーチさんから粘土状のものを包んだ紙と、コードのような物が詰まったリュックを渡された。

「タケシーさん、伝説の剣が見つからなかったらこれで門を壊してください。使い方は映画とかで見たことあると思いますが、このコードを粘土に突き刺して、スイッチ押すと爆発します。よろちくび。」


よろちくび・・・じゃない!

これアレでしょ、TNTとかいう奴でしょ。

なんでファンタジーにこんなモノ持ち込むかな。

この3年見てきて思ってけど、この人は本当にファンタジー世界に思い入れがないよな。

まあ、いまさら言ってもしょうがないか。

私は無言でリュックを受け取ると、スキルを信じて竜車を隠しているところから、歩いて魔王城に向った。


ある程度近づくと、魔物が沢山ウロウロしている。

しかし、みな私をスルー。

あっけなく魔王城の門の前まで来てしまった。


少し待つと、小さい扉から魔物が出てきたので、その扉が閉まる前に素早く門の中に入る。

ダンボールすら必要としない私のステルススキル、凄すぎる。


そこから、おもむろに魔王城を探索。

やっぱり広い。

伝説の剣とか見つけるの無理じゃないかな。

そう思っていたら、右手が勝手に行き先を指差す。

なんだ?

『旦那、こっちですぜ。』

右手からジャニーズっぽい若い声がした。じっさいは頭の中に直に響いているのだが。

声の主は右手の中に入っている伝説の鎧『鉄さん』だ。

初めてこの鎧が喋ったときは驚いたが、最近はすごく仲が良い。


まあ逆らう理由もないので素直に従うか。

そこからは右手ナビにそって、進む。


進むこと5分くらい。

目の前に大きな扉が現れる。

『旦那、ここに入ってくだせえ。感動のご対面でさあ。』

大きな扉を開けると、その先には魔王が玉座に座っていた。

いや魔王とか見たことないけど、一目で魔王とわかる厳つく禍々しい男が座っている。


『やっほー。旦那が探していた魔王ですぜ。やっちまいやしょうや。』


この馬鹿鎧!伝説の剣じゃなくて魔王に誘導しやがった。

前から好戦的で困った奴だとは思っていたが、ここで魔王に誘導するか、普通?

逃げようかと思ったが、すぐに別の魔族っポイ奴が入ってきて扉を閉めてしまった。


困ったな。


この玉座の間には魔王以外にも12人ほどの知能の高そうな魔族がいる。

みな忙しそうに働いていた。


こまったが、ついでなので情報を得ようと魔王の玉座の後ろに回って話を聞こうと思った。

玉座の後ろに来てビクっとしてしまった。

そこには大きな剣が置いてあったからだ。

これって、伝説の剣か?

『あ、剣子。えっと・・・そう、これに誘導したんでさ。旦那の探していた伝説の剣ですぜ。』

嘘ついているな。

まあ今は声を出せないから突っ込めないけど。


背負ったリュックをそっとおろし、剣に触ってみる。

すると、鎧の時と同じようにスルっと私の左手の中に吸い込まれた。

おおおお、なんか伝説の剣ゲット!


玉座の後ろで行われている事に、他の魔族は誰も気づいていない。

この任務、簡単すぎる。

次に考えるのは魔王の暗殺だ。

だが、ふと思う。


私が魔王を暗殺してしまって良いのだろうか?

魔王討伐はヤスコーさん問題と直結だから、デルリカさんに譲るべきではないだろうか?

く、この魔王め、デルリカさんのお陰で少し長生きできるのだ。デルリカさんに感謝するといい。


私は次に扉が開いたタイミングでさっと外にでて門まで戻る。


次は門の破壊か。

思念通信は、魔族にバレる可能性があるので最低限しか使えない。

しかも意味が分からないように、短い暗号を飛ばした。


もちろんデルリカさんに。

『トラトラトラ、我奇襲に成功せり』


数分まって返事が返ってきた。

『オスタカヤマ ノボレ』


つまり突撃準備完了と言う意味だ。

私は伝説の剣を左手から出して握る。

軽い。

2メートル以上ありそうなのに、発泡スチロールのように軽い。

だが弱さは感じない。

ゆっくり伝説の剣に意識を集中する。

すると剣から女性の声が聞こえてきた。

『やっとダァに持ってもらえてマジ、テンアゲ。でもダァは勇者の癖にジミーすぎてジワル。たく何年待たせるんだつうの。ゴリマッチョに連れられたときとかマジ最悪だったんですけどー。剣子を待たせるとかマジ信じらんない。秒で来いっちゅうの。』


一瞬クラっときた。

この剣は多分ナガミーチさんが用意したんだと思うけど、なにこのキャラ。

時々あの人の頭が心配になる。


「えっと、剣子。これから宜しく。」

『なに、もう呼び捨て?一回取り出しただけでダァ気取りかよ。でも・・・トリマ嫌いじゃないし。好きにして良いよ。』


あ、この剣(人)は面倒くさいタイプだ。

だが、ナガミーチさんのお陰でスルースキルを身につけた私には関係ない。


「あの扉を壊したい。できるかい?」

『マジ余裕っしょ。ターと剣子のラブラブビームってさけびながら振れば、トリマ破壊は安定で。』


意味わからん。

だが心の中で突っ込むのすら疲れてきた。

大人しくやるか。

「ターと剣子のラブラブビーム!!!」


思いっきり50メートルは離れた門に向けて剣を振る。

すると剣から眩いピンク色の光が飛び出し、一撃で巨大な門が砕け散った。

凄い。

『どう、褒めて褒めて。剣子は褒められて伸びる子です。』

「ああ凄い、驚いたよ、ありがとう剣子。」

『・・・ちゅき』


面倒なので、剣子は左手に仕舞った。

すぐに空間収納から、この2年半愛用していた大剣を出す。

右手から伝説の鎧を出し、身にまとう。

『旦那、やっと俺をお呼びですかい。今度の奴は少しは手ごたえがある奴でしょうな。』

でてくるなり伝説の鎧『鉄さん』は話しかけてきた。


「ああ、ご希望通りこれから魔王に突撃する。・・・それより、いままで鉄さんの好戦的な部分は面倒だと思っていたけど、今日伝説の剣を手に入れて分かった。鉄さんは理想的な相棒だった。」

『け、照れるじゃねえですかい。やめてくれよ、そういうの死亡フラグっていうんですぜ。だがそう高く評価されちゃ裏切れねえな。まかせな旦那。魔王の攻撃だろうがなんだろうが、俺が守ってやりますよ。』

「頼りにしているよ。」


言ってるそばから、門の外から凄い数のメイド型人形が飛び込んできた。

最初のザコ殲滅用兵器。マリア奥様の<人形爆弾>だ。

あ、私が門の中にいること分かってますよね。

・・・くそ、きっとナガミーチさんが『タケシーさんなら大丈夫ですよ。勇者だし』とか言ったんだろう。

勘弁してくれ。


飛び込んできた無数の人形は、次々に大爆発をして門の内側に居た魔物を吹き飛ばす。

ついでに私の周りにも突っ込んでくる。

危ないって!

すぐに鎧から透明な光の幕が展開され、私を爆発から守ってくれた。


『相変わらずマリア奥様はぶっ飛んでるぜ、惚れちまいそうだな。どうよ旦那、ありゃあ上玉だぜ。』

「いや、20歳も年上なんで遠慮しておく。」


すると、混乱した敵の中に斧を持って飛び込んできたデルリカさんが見えた。

一瞬で生き残りをふっとばし、一直線に突き進んでいる。


『ひゅー、デルリカ姐さんはあいかわらずブっとんでんな、惚れちまいそうだぜ。どうよ旦那、ありゃ上玉だぜ。』

「鉄さんはいつも同じ台詞だな・・・・。だがデルリカさんは上玉ではない。至高の究極宝玉だ。」

『へへ、旦那も相変わらずですな。よっしゃいこうぜ。』


鉄さんの言葉をきっかけに、私はデルリカさんの元に走り寄る。

「みなさんを待って突撃ですか?」

「はい、ですのでココで時間稼ぎをいたします。タケシー様も派手な魔法をお願いしますとナガミーチが言っておりました。」


「わかりました」

派手といえば爆裂魔法。

私は、レベル75で覚えた爆裂魔法をそこらじゅうに乱打した。


敵はパニックになり浮き足立つ。

その隙にメイド型ゴーレムの軍隊と共に後続が入って来た。

あいかわらずジャーニーさんがスキル<人形軍>で動かすゴーレムは強そうだ。


目で人数を確認する。

よし、全員いる。

「案内します。ついてきて下さい!」

私はさっき通った玉座の間を目指して進みだした。


場内に入ると、広いエントランスに出る。

そこですぐに魔族の大群が襲い掛かって来た。大群が待ち構えていたのだ。


するとジャーニーさんが人形軍を私達と魔族の間に移動させてくる。

「ここはあたしに任せな!。魔王は目の前だ、ザコはあたしに任せて進むんだよ。」

いうなり、人形軍で敵の魔族を押し返しだした。


ジャーニーさん・・・

エロい体なのに、性格はさっぱりした兄貴風で付き合いやすい人だった。

私は、少し考えて後ろ髪をひかれる気持ちで、ジャーニーさんに背を向ける。

「待っていてください、とっとと片付けてすぐに戻ってきます。」


ジャーニーさんは、良い笑顔で手のひらをヒラヒラさせてくれた。


「みなさん、こっちです。」

私は走って先に進む。


すると、ちょうど階段のところに、巨大な猿のような魔物が10匹ほど待ち構えている。

その魔物を従えるように魔族の紳士がこちらを見おろしていた。

「おやおや、人間風情がこの城に入るとは許せませんな。Aクラスの魔物の力を味合わせてあげましょう。」

紳士の魔族が指示を出すと、巨大な猿のような魔物が飛び掛ってきた。

その魔物達を大きな影が受け止める。


私は驚いて、自分を助けてくれたモノを見上げた。


二体のドラゴンゴーレムだった。

その背にはマリーちゃんとマリア奥様が乗っている。

「さあ、私とマリーのマリマリコンビがココをうけもちます。あなたがたは先へ進みなさい。」


マリマリコンビって奥様・・・・

唖然としてしまったが、すぐにドラゴンゴーレムと魔物たちは乱戦に入った。

するとデルリカさんが走り出す。

「タケシーさま、悩む暇はありません。魔王を倒す事だけをお考えください。」

く・・・奥様、マリーちゃん。すいません。


私も走り出した。

少し進むと、廊下に変な音が響いてくる。


ぶううううううう

ぶううううう


音は少し先の曲がり角の先からだ。

私は恐る恐る、そっと曲がり角の先を見る。

すると、そこは視界がないくらい、真っ黒に虫の大群が飛んでいた。


いやいや、これは無理でしょ。

<探索鑑定>のスキルで虫達をチェックする。

虫ばかり2億ひき居た。


なんだこれ、展開早すぎ。

一瞬で、ここまでイロイロなピンチ起きないで欲しいよ。

みんなが城に突入してから、まだ4~5分だよ。


すると、いままで私の次に空気だった大空さんが剣を抜く。

「どうやらそれがしの力が必要になったようでござるな。某が風でトンネルを作るゆえそこを通りぬけるのだ。全員が通り抜けたら、某がここの面倒を見よう。」

いうが早いか突風が駆け抜け、飛んでいた虫が天井や壁に押し付けられる。

私達は慌てて走り抜けた。


全員走りぬけたところで、大空さんが私達に背を向け虫の大群に向く。

「あとは某に任せよ。帰ったら一杯おごれよ。」


死亡フラグ立てないでください、大空さん。

しかし突っ込んでいる暇はない。

私達はさらに走る。

お読みくださりありがとうございます。


大空「やっと某が活躍できるようでございるな」

マリー「これで出番終わりだけどね」

大空「またまた・・・・。嘘でござるよね・・・。」

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