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藤木哲也 その16 エピローグ

登場人物

関君:のちにK-1でも少しだけ活躍する。

マリユカ宇宙同窓会のみなさん:意外に結束が固い。

―藤木哲也 その16 エピローグ―


気が付くと教室で居眠りしていたっす。

朝のHR前だから怒られることは無い。

そういえば、マリユカ宇宙に行く直前「急に異世界召還とかに巻き込まれないかな」とか思ってたんすよね。


夢だったんだろうか?

すると先生が教室に入ってきた。

先生はどこか神経質なおっさんて感じ。


「ほらHR始めるぞ。今日から転校生が来たから紹介する。仲良くしろよ。」


教室に女生徒が入ってきた。

可愛いコケティッシュな姿に、頭の両脇はシュシュでまとめている。

その子を見た瞬間、思わず身を乗り出して見入ってしまった。

ガタってやってしまったす。


当然クラス中から注目されてしまった。

でも気にしなかった。

「…魔栗鼠?」


学校の制服を着た魔栗鼠は軽く微笑み手を振ってきた。

「同じクラスなのですね、魔王様。」


その一言にクラス中が大爆笑した。

その日から自分のあだ名は魔王になった。


大海 魔栗鼠


それが彼女の日本での名前だ。

休み時間はクラスメイトが魔栗鼠に群がっていた。

可愛いもんな。


でも人だかりを押しのけて、魔栗鼠は疲れた顔で無理やりに自分の横に来る。

「魔王様、たすけて。なんて答えればいいか分からないですよ。」


とうぜん魔栗鼠を追ってきて、みんな自分を囲む。

「魔王藤木よ、彼女とはどういう関係なのか答えるのだ!」


クラスで一番軽い関君が詰問してくる。

どうこたえるか?


こういう時は誠意をもって答えるのが一番。

そうおもって、そのまま話すことにした。

「自分はダンジョンの魔王をやっていたんすが、魔栗鼠は魔王の副官で、ダンジョン四天王の一人っす。でも一緒にいた悪炎姫さんやデル魔女さんのほうが美人っす。」


そういったらシーンとされた。

言葉が足らなかっただろうか?


「ポイントをためて敵の城までダンジョンを伸ばすまで2年掛かったんすが、その間一緒に戦った仲っす。」


すると関が「あー」と急に納得した声を出す。

「もしかしてハーレムダンジョンの仲間?」


自分も魔栗鼠も同時に驚いた。

「「ハーレムダンジョンを知っているんすか(ですか)?」」


すると関は笑いながらタブレットPCをもってきて見せてくれた。

「あれはマイナーだから仲間が少ないんだよな。でも俺もやってるぜ。」


見ると、あの見慣れた画面が表示される。

驚いた。


自分は驚いて硬直したけど、魔栗鼠が先に気が付いた。

「それって参加スタッフとかわかります?」


「ん?どうなんだろう。」


しばらくヘルプ画面とか見ていてスタッフ欄を見つけてくれた。

「これかな?」


そこには小さくだけど確実に書いてあった。


『Directed by 石田長道』


そういうことかー

帰ったらID作らなくちゃな。


このおかげで、ゲーム内の知り合いということでクラス内では落ち着いた。


で家に帰ろうとしたら、魔栗鼠がついてきた。

「魔王様、おうちまで案内してください。」

「別にいいっすけど、なんで?」


そう言いながらウチに案内した。

すると、両親が出てきて魔栗鼠を出迎える。


え、なんで?


聞いたら、魔栗鼠はうちでひきとったらしい。

理屈は全く分からなかった。

ほんとうに何故か両親は意地でも理由を決して教えてくれなかったから。


まあ良いや。

べつに魔栗鼠との生活も慣れているし。

その日はハーレムダンジョンの登録だけおこなった。


二階にある自分の部屋からキッチンに降りてくると、魔栗鼠は夕食つくりを手伝いはじめ、楽しそうに家になじんでいる。

さすが天使、コミュニケーション力が高いっす。


そうして夜は平和に眠りにつく。



朝。

「ほら魔王様、朝ごはんができましたよ。起きてください!」

布団をひっぺがされた。


なんか実家で油断した。

自分はマグナムなマグナムを隠すことなくごろりとしてる。

するとパンパンとマグナムを叩かれた。


「ほら早くしてくださいね。」


そういってキッチンに戻っていく。

魔栗鼠、もしかして朝にマグナム叩くのは基本になってるすか?

悪くないっすが。


学校に一緒に行くと、またクラスの連中がわらわら寄ってきて魔栗鼠に話しかける。

飽きるまではしょうがないか。

魔栗鼠、がんばれよ。


放課後は部活っす。

部活に向かうと、魔栗鼠が無理やりついてきた。

女の子連れて部活に行くとか命の危機っす。

土下座して帰ってもらおうとしていたら先輩に見つかってしまったす。


「藤木。お前何やってるんだ?」

見ると3年の先輩がずらっといた。


ヤバイっす。


「いえ、部活についてくるっていうんで帰ってもらおうとしていたんす。」

「で、なんでお前が土下座しているんだよ。」

「帰ってもらおうと…」


「お前、情けないな。」

すると魔栗鼠が先輩と自分の間に飛び込んできた。


「うちの魔王様に対して偉そうですね。雑魚のくせに何ですかその態度h、、、うぐぐぐ。」


後ろから口を押えて押さえつける。

なにやってるのこの人!

「先輩すいません。この人はバカなもので!。サーセン!」


先輩は眉一つ動かさずに自分を見下ろす。

「今日中に退部届だしておけ。それで許してやる。」


そういって冷静に部室に入っていった。

なんてことだ。


魔栗鼠は「これで良いんですよ」とか鼻息荒く叫んでるけど…

わかってる?あなたのせいですよ?


しょうがないので自分は退部届をかきに職員室に行った。

顧問の先生には驚かれたけど、3年の先輩の怒りを買ったのでというと理解してくれる。

だって先輩ににらまれたら運動部で生きていいけないっすから。

デルリカさんほどは怖くないけど、針のむしろは嫌っす。


その話を後ろから聞いていた人がいた。

関だった。


「藤木!話は聞かせてもらったぞ。だったら俺が作る格闘部に入りたまえ。」

無視をして職員室をでようとした。


すると関や関と一緒にいる連中に必死な顔で捕まる。


「頼むよ、部室申請には7人いるんだよ。あと2人なんだ。しかもお前なら大会とか出ても一回戦くらいは勝てるだろ。これも運命だから頼むよ。」


「柔道部もいいなあ。」

「話を聞けよ!」


さすがにうざくなって関を見る。

関はどうせチャラチャラした理由だろう。

よこから魔栗鼠が口を出して来る。


「でも魔王様の好きに訓練ができるのでしたらここでも良いのではないですか?魔王様はナガミーチ様の8番弟子なのですからトップであってほしいと思います。」


ふと気になった。

「そういえば自分以外のナガミーチ師匠の弟子って誰がいるんすか?」

「一番がデルリカさん、二番が大田康子様、三番がカイルさん…。」


それを聞いていた格闘部の顧問らしい若い先生が身を乗り出す。

「ちょっとまって。もしかして大田康子さんて、あの冬洲宮康子様かい?」


魔栗鼠はうなずく。

「今は冬洲宮康子さんですね。オリンピックで活躍できたのは、大炎姫様とナガミーチ様のご指導の賜物らしいですよ。」


その言葉に、先生にも火が付く。

「おまえ、あの伝説の謎賢者、長道さんの弟子なのか!なあ話を聞かせてくれ。っていうかうちの部に入ってくれ。たのむよ。」


先生が自ら説得してきたので断り切れずに結局入部を受けた。

自分が入部すれば魔栗鼠も「副官ですから」と入部した。


その日のうちに、部活に参加することになった。

まあ稽古着はあるから良いっすけど。


最初の一時間は各自でアップと基礎練習。

ここは現存する部活では抱えられない格闘系の生徒を入れるのが目的らしい。

だからそれぞれ、好きに準備運動して、好きに基礎練習をする。


そして乱取りの時は、おたがいでルールを決めて始める。

最初に相手になるのは、古流柔術の松山君。


ルールは?と聞かれたので「なんでもいい」と答えた。

そしたら「では何でもありで」だそうだ。

オタクっぽい人で弱そうなのに強気だな。


「はじめ!」

掛け声があったので、向こうの練習に合わせようと思っていたらいきなり目をついてきた。

危ないから、相手の指を掴んで投げ飛ばした。

「いくらなんでも目は危ないっすよ?」


声をかけようと思ったけど松山君は起き上がってこない。

みたら、自分がつかんで投げたために、指が折れていた。

あちゃあ、悪いことしちゃったな。


先生は「あいつの方が悪い。あとで注意しておく。」と言ってくれたけど、ちょっと責任を感じてしまったす。

手加減も覚えないと。


次は関が相手だ。

関は空手を子供のころからやっていたけど、学校にフルコン空手の部がなかったのでここに来たらしい。


たぶん強いと思う。

でも自分相手だと秒殺っす。

後ろから魔栗鼠が「魔王様、手加減しないと相手が死にますよ!」とか気楽なことを言ってる。

魔栗鼠にはあとで教育が必要っすね。


広い体育館の隅っこでやっていたんすが、遠くで練習していた空手部がゲラゲラわらってくる。

「関、お前は口ばっかりか?全然弱いじゃないか。」


たぶん3年だと思う。噂ではこの空手部は地区優勝するくらい強いはず。


するとまたバカ魔栗鼠が反論した。

「関さんが弱いかどうかは知りませんけど、これはうちの魔王様が強すぎるんです。魔王様はまだ実力の5%も出してません。あなただって魔王様の前では雑魚ですよ!」


「あああ?」


おこった空手部が近寄ってきた。

ヤバイ、魔栗鼠だけ捨てて逃げるか?


空手部の先輩は構えた。

「じゃあ証明しろよ魔王様よ。俺に勝てなかったらそっちの女の子を空手部にもらうからな。」

「構いませんよ、魔王様が負けるはずないですから。ね、魔王様。」


可愛く腕に抱き着いてこないでほしいっす。

そういうことすると運動部は余計・・・ほら、目が怒ってる。

まいったすね。


すると耳元で聞きなれた声が聞こえた。

『魔王様なら余裕ですよ。これはたぶんっていうか絶対。うん余裕です。』


「受付子?」

『はい、私は人工精霊ですから一緒にきました。魔法少女のマスコット的なポジションで活用してくださいね。』


そこで空手部の主将が打ち込んできた。

「せいや!」


それをぱっと受けて押さえつける。

押さえつけられたせいで、腰が動かず連撃ができなくて困った表情をしてる。

そこに、触れた状態からパンチを打ち込む。


ずどおおおおむ


主将はひっくり返るように吹っ飛んだ。

「主将!」


空手部の人達はあわてて主将に駆け寄るが、気絶しているようで動かない。


関が隣に来た。

「おい、あれは寸勁ってやつか。すごいものだな。」

「寸勁?なにそれ?これは近い距離から撃つパンチだけど。」


関は呆れた顔をした。

「それが寸勁っていうんだよ。」

「そうなんだー。」



そして次の年。




自分は格闘家として名が売れていた。

とにかく強い。

誰が相手でも30秒以内に勝つので、ついたあだ名がまた『魔王』だった。


といっても、ここまでスピード出世したのには訳がある。

何故か、スパーアイドルの佐山里美さんのブログで紹介されたからっす。

『強すぎる高校生、魔王・藤木哲也』って。

しかも、そのなかで『彼は私の可愛い弟弟子なんですよ。一度会いたいなー』と書かれたものだから話題沸騰。


その話題性も込みで、オープントーナメントに出たら、すべての試合を15秒以内でKO。

そこで佐藤里美さんに初めてお会いして、可愛さに身をよじったす。

なんて話そうか悩んでいたとき、向こうから『長道Pは元気でした?』と聞かれて納得がいったっす。

よくよく聞くと、すでに受付子が里美さんのスマ子さんという人工精霊とコンタクトを取っていたらしい。


携帯電話よりも便利な奴め受付子。


そんな話題の新人の自分。

お正月の格闘技番組が見逃すはすがなく、魔栗鼠と佐山里美さんという美少女(?)二人をセコンドにしてプロに鮮烈デビュー。

そこで全試合30秒以内に勝利したため、一気にスターダムを駆け上がったわけっす。


最近はもう普通に、道ですれ違う知らない人にも魔王って呼ばれるっす。


そんな格闘技ばっかりの生活をしていたのに。

高校3年になった時。


自分は大学受験を軽々突破できる学力があることに気づいたっす。

大炎姫さんの勉強のおかげで、いつのまにか大学受験程度の学力が身についていたようっす。

もっとも人工精霊の受付子がいるので、カンニングし放題だからどのみち受験は余裕なんすが。


で、卒業直前の修学旅行も魔栗鼠と同じ班で過ごす。

そのとき、急に思い出したように聞いた。

「そういえば、なんで魔栗鼠はこっちに来たんすか?」


すると、見事な笑顔を返された。


「秘密です」


「じゃあ良いや。」

そう言って話題を変えようとしたらメチャクチャ怒られた。


「信じられないですよ!そこはもう少し聞くところですよ!魔王様は冷たすぎですよ。」

「えええー、自分が悪いんすか?なんか理不尽っす。勇者か!」

「魔王様が冷たいんです。」


スネられた。

修学旅行中にスネられとか勘弁してほしいっす。

しょうがないので、今回は下手に出ることにした。


「本当は気になってるっす。教えてもらえるっすか?」

「本当に知りたいですか?」

「知りたいっす。教えてよ。」


「じゃあ良いですよ。実は…」

「実は?」


「やっぱり内緒です!」

魔栗鼠は走って行ってしまった。

なんだろう、青春って感じで良い後姿だった。


さらに8年後。

自分は一生遊んで暮らせるだけ稼いだ。

受付子が『一か月に引き出せるのは国家公務員の給料並みまで。』と決めて鬼の管理をしているので、一気に資産を減らすことがないのがありがたいっす。


しかも、時々スキル<ドジっ娘>を解放して、ここ一番の決断で運がいい方を選べるので、資産は増える一方っす。

いろいろ安泰。


そして自分はプロポーズした。

魔栗鼠に。


魔栗鼠は泣いて喜んでくれた。

「せっかく無理やり着いてきたのに、捨てられたらどうしようかと思っていました。」

と言われたときは驚いたけど、うれしくもあった。


ちなみに魔栗鼠も女子格闘界のトップだ。

地獄天使のスペックがあるんだから、人間なんてアリと変わらないっすね。


自分と魔栗鼠の結婚はかなり話題の結婚式になったす。

なんせ出席者がすごい。


トップアイドルの佐山里美さんはもちろん、

世界的マジシャン玉置誠二さん、

財界の大御所、桐島達也さん。

もと総理大臣、吉田保先生。

さらに、伝説的アスリートにしてブス可愛い皇族、冬洲宮康子様まで来てれた。

そっと伝説の勇者、佐藤毅さんも来てくれていたのは自分的にうれしかったっす。



それも良い思い出っす。


すぐに魔栗鼠は妊娠した。


生まれてきた子には話してあげないといけないと思うっす。

パパとママが異世界で出会った物語を。


日本の常識ではありえない不思議な話を語り継ぎたいっす。


異世界の旅がいつまでも終わらないために。

お読みくださりありがとうございます。

次回:長道とデルリカとマリユカが、無駄にダラダラしゃべって落ちがない話!

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