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大田康子 その2

メインタイトル、ちょっと変えました。

―大田康子 その2―


赤ちゃんから物語がスタートしたのには驚いたけど、これはこれで魅力的な展開だった。

私が生まれたのはベルセック伯爵家。

私は愛人の子らしいけど、私を捨てて母が消えてしまったのでベルセック伯爵家で引き取ってくれたんだ。

正妻のマリアさんが、生まれたばかりの私を抱きながら、父とそんな事を言ってたので間違いない。


そのとき、産まれたばっかりの私が言葉を理解するとは思っていなかったため、私を抱いたままマリアさんとベルセック伯爵は大喧嘩した。

私のために喧嘩するとか、胃が痛くなるからやめて欲しかった。


でも喧嘩した理由は、お父様が「捨てる」と言ったので継母のマリアさんが「こんな幼い子を捨てるとか何を言ってるんですか!私が育てます!」という話だったので、私は感動で涙が出てしまった。

マリア義母様、まじ聖母。


マリア義母様は私に「ヤスコー」と名づけて、我が子同然に可愛がってくれた。

でも、0歳児の私に、いきなりダイエーンさんという家庭教師を付けてくれたのには驚いた。

もちろん大炎姫さんが扮する家庭教師さんですが。

0歳児に、この世界の成り立ちや魔術の基礎を話して聞かせるダイエーンさんは大変だったと思う。


あ、それとベルセック伯爵家にはお姉様が居た。

デルリカお姉様といって、ウェーブのかかった長い金髪の凄くかわいい子。

すでにデルリカお姉様は14歳だったので、年が離れた私をとっても可愛がってくれた。


すごく良い家に生まれたみたい。


そうして英才教育と愛情に恵まれて育った私は今3歳。

ここで残念な事実が発覚した。


私が全然美しくない。


はっきり言って、前世の私とそっくりなゴリラ顔にゴツイ体。

3歳だけど、このあいだ私を「ゴリ女」とか言ってからかってきた高慢ちきな5歳の貴族少年をボコって泣かした。

そのくらい女の子らしくないパワーボディーなのだ。

なんで・・・なんで美しい姿に転生させてくれないのですか、マリユカ様!


乙女ゲーだと「私って可愛くないから」とか言ってるヒロインは、それでも充分可愛いものでしょ。

私みたいにガチで可愛くない娘なんていませんよ。

これ、ホントに16歳になったら乙女ゲーはじめられるの?

無理でしょ。

だってゴリラ顔にゴリラボディーですよ。


なんだろう、この乙女ゲーは大丈夫なんだろうか。

鏡を見ながら落ち込んでいると後ろから、フワリと誰かが抱きしめてきた。


「どうしたのヤスコー。」

デルリカお姉様だ。

17才になったお姉様は本当に美しい少女だ。

鏡の中に、私とデルリカお姉様の顔が一緒に映ると、よけい自分の醜さが辛い。

「お姉様・・・何度見ても私の顔がゴリラみたいなので・・・。」


するとお姉様は私の顔に頬を押し付けるように抱きしめてくる。

「アナタはとっても可愛らしいのですよ。このあいだ侯爵様の馬鹿息子にからかわれた事なんて気にしてはダメです。ヤスコーはワタクシの天使なのですから。」


ああ、お姉様は優しすぎる。

もしも高校に入った後に乙女ゲーが始まらなくても、私はお姉様ルート一直線で生きてもいいくらい大好き。

そう思えるほど、お姉様は私を可愛がってくれている。


そうそう、私が0歳の頃、ダイエーン先生が貴族の所作を私に一生懸命見せてくれていたことがあった。

私はまだ体が動かないから見るしか出来ないからね。

そうしたらデルリカお姉様も一緒に見本を見せてくれて、0歳児の私に一生懸命伝えようとしてくれた事があった。

あの時は、微笑ましく眺めさせてもらったけど、今思うと0歳児にそこまで全力で接するのは、そうとう可愛がってもらってたんだなと思う。


私はそんな事を思い出しながらも、デルリカお姉様と鏡で遊んでいると、ダイエーン先生が鋭い三角メガネの位置をスイっと直しながらやってきた。

「ヤスコー様、武道の訓練のお時間です。ご用意をなさってくださいませ。」


そう、貴族の女子の私が何故か武道の練習をさせられている。

普通は貴族の女子は優雅に生きるのではないの?

ちょっとどういう事?

・・・などと思うけど、後ろで拳を握り締めてデルリカお姉様が「応援していますわ。頑張って!」とエールを送ってくいるので普通のことなんだろうか?

まあお姉様が見ているから頑張るけど。


私は3歳で体が子供なので、練習相手はマネキン型のゴーレム。

ゴーレムを操るのは「人形遣いの魔術師」という触れ込みで、このお屋敷の雑用をゴーレムでこなすナガミーチさん。まあ石田長道さんなんだけど。


「ではお嬢様、セッティングできましたのでご用意ください。」

そういうとナガミーチさんは手元のノートパソコンでカチカチ操作して、子供型ゴーレムを起動した。


な、長道さん・・・ファンタジーの世界でノートパソコンは有りなんですか?

あとこのゴーレム、ロボットですよね!

昨日の夜に長道さんが「C言語だけでも結構動くもんだな」とか言いながらプログラミングしてたロボットですよね!


ちょっとホント3歳児にガンガンに突っ込みさせないで!

イロイロ頭の中でツッコミを入れていると子供型ゴーレムが私に殴りかかってきた。

甘い!

パンチを避けて、そのまま一本背負いでテヤ!

元オリンピック候補舐めるな!


投げると、ゴーレムはなんとすぐに自動で立ち上がる。

すごい自動動作だ。

長道さんって結構優秀なんじゃないの?


ゴーレムは私に向き直ると、また殴ってくる。

また一本背負でテヤ!


またすぐにゴーレムは跳ね起きてくる。

もう殴ってくるまで待つのも面倒だ。

起き上がり直後ゴーレムの胸元を掴むと、私は投げっぱなし背負投げで投げ飛ばした。

あ、ちなみに「投げっぱなし」というのは引き手を引かないで投げる方法で、頭から落ちたりして危険な投げ方なんだ。

当然に吹っ飛ばされたゴーレムは首から落ちて壊れた。


ふう、どんなものだ。

そこへデルリカお姉様が駆け寄ってきて私を抱きしめる。

「きゃー、ヤスコーカッコいいですわ。素敵ですよー。」


キャッキャと喜んでくれるデルリカお姉様、可愛すぎる。

おもわず釣られて私も笑顔になってしまた。

するとお姉様は私の顔をイタズラっぽく見つめる。

「ほら、ヤスコーの笑顔はとっても可愛い。カッコ良くって可愛いなんてズルイですよ。」

そういうとまた私を抱きしめる。


わたしは照れて、また笑いが出てしまった。


お読みくださりありがとうございます。

今週中にあと二回は更新したいです。

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