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3.入部

今回も誤字脱字などなど、お見苦しいかと思いますが、お付き合い頂けると幸いです。

すっかり気温も上がり、少し動いただけでも汗が出てくるようになった。

あやかが実は副会長になっているとは当選当初は知らず、すごくびっくりしたのは1ヶ月も前の話だ。


「……うるさい」

日課のアラームに文句を言い、翔太は体を起こした。

眠気と壮絶な戦いをしながら支度を進めるといつもの時間に…

ぴーんぽーん

「しょーたーでてこーい」

ほら来た。

「少し待ってろ。すぐ出るから。」

急いで靴を履いて外に出た。

「おそいぞー」

「遅くはない。まだ余裕で間に合う。」

「ちゃんと集合時間守らないと女の子とデートなんてできないぞー」

「余計なお世話だ。」

朝からこいつはうるさい。言い方が悪かった、やかま…元気だ。

「お前のそのテンションはどこから出てくるんだよ。」

「んー…火星?いや木星かな?いやいやまさかの土星とかもありえるかな。でも──」

地雷を踏んでしまった…

こいつはどうでもいいようなことでも真剣に考えてしまう。バカなのか真面目なのかバカなのか良く分からない。

「いやいや惑星と言う固定観念から離れてみると──」

離れなくていいし…てかもうそろそろやめろよ。

あやかが斜め前で自分の元気の源を探していると学校が見えてきた。

「おいあやか。そろそろ学校着くぞ。」

「わっ!びっくりした。」

どんだけ真剣に考えてんだよ…

「ちょうど今ね結論出たんだよ!」

「一応聞いとく。なんだ?」

「納豆!!」

「おぉそうかそうか。じゃあ俺先行くわ。」

「待って待って、私達同じクラスだよー」

こいつが副会長をやってるなんて…

この学校の存続に関わってきそうで落ち着かない。

「ほら早くしろよ。本当に先行くぞ。」

「はーい」

あやかには俺の前に居てもらわないと困る。俺はあやかの影の中が1番落ち着くのだから。

教室に入るといつものように英治がこっちに来て話しかけてくる。

相変わらず、

くだらない会話をして過ごした。


すごく退屈な授業が全て終わった。

さてとさっさと帰るか。なんて思い、帰り支度をしていると、あやかが声を掛けてきた。

「私、今日ね生徒会の仕事あるから先帰っててー。それと、今週は新入生関係の仕事がたくさんあって朝も迎えに行けないや…ごめんね。」

「あぁ案外ちゃんとやってるんだな。まぁなんだ、頑張れ。」

「案外とか失礼な!」

「まぁまぁ、とりあえず了解した。」

「じゃあ私は生徒会の仕事に行ってくるねー。ばいばーい。」

そう言い残すとあやかは颯爽と去っていった。

その日は英治は家の用事だとかで既に帰っているので、1人で帰ることした。

1人で歩く帰り道はなにか足りないようで充実している。そんな不思議な感覚だった。

翌日の朝も1人で登校した。朝からあのテンションの相手をしなくて済むのはとてもとても良いものだと思うのだが、いつもあったことがいきなりなくなるのはどこか気持ち悪さがあった。


その日もいつも通りの退屈な授業を受け終わりある用事を済ませに職員室に行こうとして立ち上がると、英治がこっちに来た。

「なぁなぁその紙なんだ?」

「あぁこれか?入部届。これから職員室に出しに行くところ。」

「……………え?」

英治がフリーズした。

俺はそんな英治を放置し、職員室に向かうことにした。

「まてまてまてまて落ち着け落ち着け」

「まずお前が落ち着けよ。」

「おい翔太どうした?なんか悪いものでも食べたか?それとも重い病か?」

「俺はいたって正常だ。」

「嘘だ。」

嘘ついてどうするんだよ…

それにこいつの反応は流石に失礼だろ…

「本当にどうしたんだ…お前が部活とかありえないぞ。」

「少し気になる部活あってそこの部員が1人しかいないらしくてさ、しかも見てみろよこの勧誘のチラシ、ほら。」

これは下手だとかいうレベルではない。得体の知れない物体が棒を持ってるように見える。

「だろ?ここまでひどい絵だと逆に興味出てくるよな。」

「確かにそれはわからなくもない…ていうか何部だ…天文部?絵じゃ分からない…」

ただこの得体の知れない絵の中にある【天文部 部員募集】と言う文字はとても美しい字だ。

「俺もパッと見天文部って言う文字を見ない限りは分からなかったからな。んじゃあ、ちょっくら行ってくるわ。」

「おう。門で待ってるわ。」

「へいへい。」

職員室に入部届けを出し、門で待っている英治と合流し、帰路に着いた。

夕日に照らされた道はオレンジ色に色づいていた。


翌日、授業が全て終わりいつもなら帰っているところを今日は本館の西側にある本館と比べると2周り程小さな別棟の2階にある、天文部の部室に向かった。

コンコン

「どうぞ。」

「失礼します、新井翔太です。」

そこには夕日を目一杯反射し、腰の位置にまで伸びた黒く輝く髪をなびかせこちらを向く少女の姿があった。

「あぁあなたが新井くんね。話は聞いているわ、あなたを新入生部員として歓迎するわ。」

言葉が出なかった。自分が見とれていると言うことに気づかないほど彼女に見とれていた。

「そっそんなに見られると照れるのだけれど…」

「あっ。す、すみません…」

「まぁいいわ。私は古川奈緒、あなたの1つ上よ。よろしくね。」

「はい、こちらこそよろしくお願いします。」

「そんなに固くならないでいいわよ。」

「は、はい。」

終始こんな感じで初日の部活は終わった。

まさかこんな美少女が居るとはあのポスターを見たが故に微塵も想像していなかったので焦って上手く話せなかった。

「はぁ…」

緊張が解けて帰り道でため息を漏らしていると後ろから声を掛けられた。

「あれ?翔太じゃん、なんでこんな時間にいるの?」

「ん?あやかか、部活だよ。」

「え?」

「だから、部活。」

「そんな隠さなくてもわかるぞー説教だろー。何やったんだー?ほれほれー。」

「本当に部活だから。」

「マジで?」

「マジで」

「私は感動しているよ!」

あやかが急に叫び出した。

「え?え?何部?何部なの?」

英治といい、あやかといい焦り過ぎだ。

「天文部」

「なんか、似合う。」

「なんだそれ。」

それからは最近2人で話すことがなかったので他愛のない話に花を咲かせた。


久しぶりに(と言ってもほんの数日だが)あやかと歩くこの道はいつもより濃いオレンジ色に色づいているように感じた。

ただ、影というものは近くに強い輝きがある程、濃く大きくなるのだ。

奈緒先輩は完全に作者の好みをそのまま書いているので、これから出番が多いかもしれません。完全に自己満足です。

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