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2.選挙

前話の誤字脱字や表現などを少し修整致しました。

対した変化はありませんが気になる方はご覧下さい。

さて、今回も誤字脱字や描写や表現などめちゃくちゃで読みにくい文章かと思いますが、お付き合い頂けると幸いです。

それから数日が過ぎ、桜はすっかり散り、気温も上がりつつある、夏が近づいてきた。

そんな頃、桜桃高等学校は生徒会選挙を間近にしていた。

だからと言って、一部だけが張り切り他の生徒は特に興味が無い、そんな行事だった。

「おい翔太、このゲームもってるか!?」

英治が夕日に照らされて光を反射する赤色の最新型携帯ゲーム機を片手に話しかけてきた。

言うまでもないが、ゲーム機などの学校生活に不要なものは持ち込み禁止だ。

まぁ、俺の鞄の中にも同じ形の黒い機械が入っているが。

「あぁ、一応持ってるぞ。」

「翔太ならそう言ってくれると思ったぞ!対戦しよぜ、対戦!」

「まあ、暇だしいいぞ、やるか」

こいつとゲームの対戦は何度もやったことがある、ただいつも俺が勝つ。

英治は操作は上手いのだが、行動が読みやすい。

「うわぁ〜、負けた…」

やはり英治が負けた、でも何度負けても勝負を挑む英治は夕日のせいかもしれないが少し輝いて見えた。

そんなことをしているうちに日がくれてきた。

「よし、そろそろ帰るか。」

「うわっやっべ、もうこんな時間かよ。」

そろそろ生徒は学校から出ないといけない時間だ、この時間が過ぎても校舎に居ると生徒指導の教師にすっごく怒られる。

あの教師は本当に人間かと、疑いたくなるほど怖い、鬼だ。

「進級して早々怒られたくないし、さっさとかえろーぜ。」

「だな。」


「はぁはぁ…ギリギリセーフ」

「お前、こんな距離で息切れしてるとか春休みの間、運動してなかっただろ。」

「ば、バレたか。」

こいつと一緒に居て何度怒られたことか…

でも、なんたかんだでこいつと居ると楽しい。

こいつと居ると気楽でいい。

校門を出た後は2人でくだらない会話をしながらゆっくり歩きだした。

気づいた頃には西から街をオレンジ色に染めていたコンパスで書いたかのような綺麗な丸をした太陽は顔を隠し、そのタイミングを見計らっていたかのように太陽と比べると控え目な光を発するネズミにかじられたような少し欠けた月出てきた。

太陽は自由だ自分が光っていたいときは存分に光り輝いている、月は太陽がいるときは姿を消し、影の役に徹している。

俺はどうしてもこの太陽と月があやかと自分に見えて仕方がなかった。

いや、あやかはともかく、俺は月にすら及ぶことはないだろうと思う。

そんな自分でも訳のわからないことを考えていたら急に声を掛けられ意識が戻った。

「どうした?そんな難しい顔して。」

「ん?あぁなんでもねぇよ。」

「そうか、あっそう言えばよ──」

それからはまたくだらない会話を続けていた。

途中で英治と別れ、家に着き、夕食をすませ、風呂に入り、ベッドに寝転がった。

2年後にはこの日常も変わってしまうのか、なんて考えながらいつも通り7時30分にアラームを設定し、眠りに着いた。


「…うるさい。」

自分で設定したアラームに文句を言い、起床した。

眠い目を擦って居ると──

ぴーんぽーん

インターホンがなった。

「は!? まて今何時だ。」

先程文句を言われた時計は嫌な顔せず、いや、していたかもしれないが、しっかり間違いなく7時30分を少し過ぎたところを指している。

あやかに文句を言う為に部屋の窓を開ける。

眩しい。

「お前、来るの早すぎるだろ!」

玄関の前で制服に身を包みたたずんでいるあやかに言った。

「今日ねー職員室に生徒会役員の立候補用紙出さないと行けないから先に行くねーって言う連絡をしに参りました!と言うことで先行くねー。遅刻しちゃだめだよー。」

嵐は一瞬で過ぎていった。

起きてすぐの寝ぼけた頭にはあやかの言ったことを理解するのに少し時間がかかった。

「はぁ!?」

確かにあやかは人望はあるが、今まで一緒にいて生徒会役員なんて興味あるように見えなかった。

あやかには難しいんじゃないか、成績は悪くないむしろ良い方だけどでも──

俺がどうこう考えることじゃない、あやかが決めたことなんだ。

そもそもあやかがなにをしようが俺には関係のないことだ。

モヤモヤする気持ちを無理やり閉じ込め部屋を出た。


「おいおいどうした。喧嘩か?」

教室に入って早々に英治が訳のわからないことを言ってきた。

「俺が?誰と?」

「ほら、お前とあやかいつも一緒に来てただろ、今日は別々に来たから。」

「あぁそう言うことな、あいつは生徒会役員の立候補用紙を職員室に出すとかで先に学校に行った。」

「え!?まぁありえない話では無いか。」

英治は納得したようだ。もう少しびっくりすると思った分、反応がつまらなくて残念だ。

「俺、あやかに応援してくるわ。お前を来いよ。」

「俺はいいよ、1人で行ってやれ。」

「えぇ…そうするわ。」

英治は翔太の席と逆の窓側の1番前、あやかの席に行った。

英治があやかに何かを言っている、それにあやかはニコニコしながら相槌をうっていた。

途中あやかがこっちを見て笑ってくる。

俺も頑張れとだけ口を動かすことなくあやかに言った。


それから数日後、選挙の結果が出た。

新生徒会名簿に大野あやかの文字があった。

教室の中では唯一の2年生の生徒会役員の誕生を手を叩き祝福した。

その輪の中であやかは器用に笑いながら泣いていた。

俺はそれを嬉し泣きとしか思っていなかった。

いや、実際そうであったのかもしれない。

あの表情の意味は輪の中心にいる彼女しか知らない。

外を見ると雲が太陽を隠し、辺り一面が曇天模様だった。

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