はじまり①
―――――――――――――――
冒険日誌?旅行記?とにかく日記。
―――――――――――――――
タイトル:旅の始まり
~~~~~~~~~~~~~~~~
さて、日記書き込み初日だから最初は無難に面白味もない感じで。
これからはちょくちょく日記をつけようと思う。
高名な冒険家とかって冒険日誌とか書いてるイメージあるし、まずは形から入ってみる。
まず、私の名前はセルピスカ・アーディウス。
通称『魔法の国』と呼ばれるルナティシアの田舎で育ってきた。
まぁ魔法の国は、他の国にはない特別な力…魔法なんてものがあって他の国との交流が閉鎖的なものだから人口は少ないし…。
王都周辺以外はほとんど田舎に分類される小さな村がほとんどなんだけども。
私は先月、18歳の誕生日を迎えた。
昔、私の住む村に訪れた冒険家に憧れて小さな頃から王都で騎士の経験があるお爺さんに剣を習って18歳になると同時に村を出た。
まぁ…正直なところ私には剣の才能も魔法の才能も、そんなに優れたものはない。
使える魔法も基本的な物ばかりで、剣も護身術としては合格と言われた程度。
そんな程度の才能しかないものだから周囲には女の一人旅は反対されまくりだったよ。
けれど、元騎士のお爺さんも周囲を説得してくれて何とか旅に出る事ができた。
ただ…少年よりも冒険心が強いのだから諦めた方がイイと言って説得するのは止めてほしかった。
まるで私が女らしくないと言われてるいたいだし。
まぁ、そんな経緯がありながら冒険、始めました。
今は魔法の国と隣の国…『水の国』と呼ばれるルーディアスの国境にいます。
ちなみにこの日誌は国境で買ったばかりの物。
明日からが本当の冒険という感じで凄く楽しみ!
てか魔法の国は結局、森だらけで冒険のやり甲斐がなかったし…。
他所の国の人からしてみれば無造作に遺跡があって冒険心が擽られるっぽいけど地元の人達にとっては子供の遊び場でしかなかったしなぁ…。
ちなみに魔物とか遺跡のガーディアンが出る本当に冒険甲斐のありそうな遺跡は国の監視下にあって入るのが凄く大変なのであしからず。
あと、国境で初めて知ったのだけど他所の国から魔法の国に入るのは大変らしい。
流石は閉鎖的な国なだけあって、国境で足止めされてる冒険家や商人のグループが沢山。
ちなみに魔法の国から他所の国に行くのはほとんどフリー。
火山の国、なんて呼ばれて危険な自然や…
錬金術の国、なんて呼ばれて兵器ばかり作ってる国家的に危険な国。
魔物の国、なんて呼ばれる街道を外れればすぐ魔物が出るような危険な国以外はフリーパスな感じだった。
まぁ初めての冒険でそんな危ない国になんて行かないけども。
ちなみに水の国は観光の国とも呼ばれるくらい安全な場所らしいです。
観光客を狙った詐欺師は多いらしいけど。
あと、国関連といえばいざ故郷へ帰ろうとした時に手続が面倒だと嫌だなぁ…と思ったけども国民だった人はやっぱりほとんどフリーらしい。
閉鎖的だけど身内には甘い国らしいね、魔法の国。
ただ閉鎖的な国で育った人間が仕事以外で国外に出るのは珍しいのだとか。
村では女らしくないと言われ、国境では変人扱いされ気分は大変よろしくない。
早く冒険して目新しい物、創造もしていなかった景色。そんな物を見て気分を発散させたい!
…さて、この辺りで日記1日目は終わり。
私はお祭りの前日とかはワクワクして眠れないタチだから早く眠れる事を祈る。