最高の恋愛。
いつからこんなに、嫉妬深い子になったのかが、自分でもわからない。
私はもともと恋愛には奥手な方だったから、なかなか積極的にもなれなかったし、全然進展とかもなかった。
彼氏が出来たのも、向こうから告白してきてくれるまで、付き合うとか無理だったし、付き合っても、自分の意見を言ったりする事は、わりと難しかった。
そんな私が、
ただ単純に話すだけで幸せだった私がこんなに嫉妬しちゃうなんて……
自分でもおかしいと思う。
私、いつからこんなに
恋愛に熱する子になったのかな。
「あーなんか喉痛くなってきたなぁ。てゆうか、西蓮寺歌わねぇの?」
「あ、うん。私まだいいやっ!ちょっと外出て風当たってくるね……」
「・・・・。」
……やっぱり………涼太は優しい。いつも、皆の事気にかけてくれる。
そう……皆の事……を。
私だけが特別って訳では無い。
でも、涼太が気にしてくれるのは、嬉しい。
私……こんなに涼太の事が・・・
「・・・好きなのになぁ……」
「……西蓮寺………⁇」
・・・‼⁉……涼太⁉
「りっ涼太⁉ど、どうしたの⁇」
「いや…その…大丈夫かなーと思ってさぁ」
心配……してくれたんだ。
やっぱり……涼太は・・・
「涼太ってさ、基本皆に優しいよね」
「は?いきなり何だよっ、らしくねぇ事ゆうなよな」
「ホントだよ?今だってさ、
わざわざ見にきてくれたじゃん」
「それは……その・・・さ。」
「涼太は皆に優しいもんね♪」
「そうかー?別に普通だけどなー。俺は西蓮寺も結構いい奴って思うけどなー。カワイイしっ♪」
「は、はぁ⁈ちょっ、意味わかんない事言わないでよ……」
「意味わかんないことなんてねぇーよ?西蓮寺はカワイイじゃん!少なくとも俺はそう思うけど…」
「え・・そんなこと急に言わないでよ……」
「・・・なぁ、西蓮寺は今好きな奴とかいねぇの?」
「・・い、いるよ」
「そっか、だよなー。ま、いいや実は俺さ……」
バカみたいで、
夢のようで、
自意識過剰かもしれない。
だけど止まらない。
止まらないんだ。
涼太……もしかして・・・
あたしの事……
「あのさ、俺・・・西蓮寺の事
……」
「おーい!涼太ぁ〜!ここにいたんだぁっ!」
えっ・・・・?
「・・・あ、香織。どうしたんだよ、そんな急いで」
「実はねー、隼人君がが酔っちゃってさぁ……皆今大変でさぁ。だから帰ろうって事になったんだぁ!だから呼びに来たの」
隼人君がが酔った?
「あ、悪い。西蓮寺、俺ちょっと隼人見て来るわ」
「あ、うん。私もすぐ行くね」
……あーあ。
涼太行っちゃった……。
「ちょっと、西蓮寺さん」
え、私?香織が私に話かけて来るなんて珍しいな。
普段からあんましゃべんないし。
「えっと……何?」
「・・・しい・・のよ。」
「……え??」
「うっとおしいのよ!涼太とイチャイチャしないでよ!」
「え?あたし別にイチャイチャしたつもりなんてないよ?てゆうか、何でそんな事香織に言われなきゃいけないの?」
「・・・それは……だって……」
「だいたい、イチャイチャしてるのは私じゃなくって香織の方……」
「だって・・・涼太は私の彼氏だもんっ!だから取らないでよ!」
え・・・
涼太が香織の彼氏?
どういう事?
涼太は香織と付き合ってたって事⁇
それが本当になら……私……
「香織、それ、ホント?」
「・・・ホントだよ……!なんなら涼太に聞いても・・・」
「……わかった。ごめんね、香織。私もう諦めるから。ホントごめん。」
「わ、分かればいいの!何よ、泣かないでよ……じゃあ私行くから……!」
バカだ・・・
分かってたはずなのに・・・
変に期待して、
涼太の優しさに甘え過ぎてたんだ。
涼太が私を好きだなんて
あるわけなかったんだ。
涼太には香織みたいにかわいい人がお似合いだしね。
でもね、あたしだって、
付き合うのは無理でも
ちょっと位……片想いとかして、
たのしみたかったよ?
だけど、もう私は好きでいる事すら許されることはないんだね。