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プロローグ
彼女はその罪を愛した。
だからこそ、彼女は罰を受け入れた。
罪には罰を。
それは明らかな罪だった。彼女が犯した、彼女のものだけではない罪。
だけれど、彼女はそれを一人のものにした。罰を、自分だけのものにした。
彼女は罪を犯したことを決して後悔しない。
彼女は甘んじて罰を受け入れる。
認められなくてもよかった。
許されなくてもよかった。
彼女は一生その罪と罰を持って生きていこうと思っていた。
それがどんなに辛くとも。
それが彼女の生き方なのだ。
その罪無くして、その罰無くして、彼女は。
――彼女という存在は在り得ない。
前に書いていたものの書き直しです。