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Fehlen world ‐欠ける世界‐  作者: 長野晃輝
第二章 ニチジョウ
18/22

プロローグ


 僕には日常と呼べるものがなかった。

 いや、あるにはあった。でもそれは日常と呼べるものだったのか?

 改変によって書き換えられることが当たり前の毎日。

 誰かとの絆も、何かを得たとしても、上書きされ失くしてしまうようなその日々。

 日常とは日が移り変わっても変わらない生活の事だと思う。

 でも僕のそれは変わることが変わらない。そんなバカみたいな表現が正しい。

 それが僕の日常だった。

 全てが欠落する可能性を持つ世界の中で、僕は何かを拠り所にすることはできなかったのだ。


 あの騒動の後、

 僕は変わらない日常を手に入れることができたのだろうか?

 答えは分からない。

 でも、こんな日々が続けばいいと僕は願うようになっていた。

 それは大きな変化だと思う。


 そして僕は気付いていく。

 日常とは僕一人では築けないもので、関わり合う誰かがいて、ようやく本当の日常になるということを。


 エイナさん。

 ミルネさん。

 アリス。

 学校のみんな。

 それにエルさんや、……あともう一人は誰だっけ?

 とにかく、そうやって毎日変わらないようだけでも変わっていく日常があるんだ。



 僕らの日常が、ようやく始まるんだ。



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