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天才剛毛ロリ童女を添えて~弱点と罠、もあるよっ!

挿絵(By みてみん)


 私は魔法を唱える。

 ≪ビルトアップ-マッスル-≫、≪ビルトアップ-アジリティ-≫、≪ビルトアップ-フィジカル-≫、≪ビルトアップ-アボイダンス-≫、≪ビルトアップ-コンサントレイション-≫、グッ…!! ≪…ライズセンセーション≫、≪ハイパーベンチレーション≫、≪ライズアイサイト≫、≪ライズヒヤリング≫


「≪呪縛:磔≫――ああ˝!!」


 武器を破壊すると聞いたイボーグはそれを阻止しようと、看守君とジャック君をそっちのけでこちらに向かって進んだ瞬間、アルマ君の呪術が発動し、イボーグは何かに両腕を引っ張られるように、広げた状態で静止した。

 だが、イボーグの抵抗が凄まじい物だったのか、術をかけたアルマ君はその場で苦しそうに跪いてしまう。当然だ、人を呪わば穴二つ。古来から魔術として研究されてきた古代魔術は強力だけれど、それ以上に術者の負担が大きい。

 あんなにも力の差があると、術を継続させることすら困難だろうね。


 私はさらに魔力を集中させる。

 武器を、武器を奪いさえすれば…!

 イボーグの能力は強力だ、それこそあんな破壊の権化のような奴に武器を持たせれば鬼に金棒だ、けれど…それだけの能力。

 イボーグが何故最初からあんなにも大量の武器を持っていたのか、ジャック君達を吹き飛ばした時、止めを刺すチャンスだったにも関わらず武器を取りに行ったのか。それは武器の力に依存しているからに過ぎない、ジャック君達に止めを刺しに行かなかったのは、武器なしでは止めを刺すのは出来ないと判断したからだろう。

 確かに種族差による力の差は大きい、けれど魔物の力の本質は能力。それさえつぶしてしまえば、ただのでくの坊だ。後はジャック君にでも任せれば方が付くだろう。


 だから、だからこそ…。

 私は今! 今頑張らなければならないのだ!!


「おいリリィ! 何をするつもりだ!?」

「乳山君、君はあの刺さっている武器、いくつ破壊できる?」

「は? む、むむむ無理だ! あんなデカい鉄の塊、壊すだけでも一苦労だ」

「そうかね、ならそこで――」

「あっ…だが、分解することは出来るかもしれん」

「分解だと?」

「ああ、要するに使えなくすればいいのだろう? なら、持ち手を外せる武器は外してしまえば…その、使えないのではないか?」

「なるほどね、…ま、そんな時間は無いけれど」


 足に力を込める。

 バフ魔法が体中を駆け巡っているのがわかる。力を込めた地面がえぐれ、一気に駆けると、数十メートルほど離れていた武器は目の前に移動する。

 後ろからは連合軍の魔法部隊が遠くから石や火、はたまた風などで地面に刺さっている武器を破壊しようとしていた。

 私は飛び上がると、思いっきり刺さっていた武器を殴る。すると武器は手折られた花々のようにぐにゃりと歪んだ。そして私の指も折れた。


「ぐああああああああああああああ!!!!」


 ついにイボーグが呪縛から解放されたようで、アルマ君の方を見ると、その場で倒れこんでいたのを、乳山君が介抱に当たっているのが見えた。なにやら怪しい草を食ませているのが見えたが…、今はこっちだ。


「このっ…! グッ…!! テメーら、しつけ―ぞ!!」

「汗を流せば流すほど、この後の酒がうまいってもんだ、そう思うだろ?」

「今は酒の話は無だ…クソッ、思いっきり吹き飛ばしやがって、頭打ったじゃねーか」

「退け! お前ら、死にて―のか!!」


 そう言ってイボーグは再びロングソードを力いっぱい振り回すと、凄まじい衝撃波が全員を襲い、皆その衝撃に耐えるように腕でガードする。

 そして、その衝撃に耐えきれなかった、ロングソードは、ポキリと中心付近から砕け散ってしまう。


「クソが!! 武器! 武器は!! ――なっ!」


 だが武器を刺してあったそこには、私を含め、ここにいる全ての人間の努力により、一本残らず破壊しつくされていた。 


「はあ…はあ…、イボーグ、酒呑イボーグ。君は私たちをなめ過ぎた…グッ…いい機会だからね、言わせてもらうよ、嫁探セクハラしなら、実家ジゴクでやるんだね、鬼畜野郎」

「グッ…グウウウ…グアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」


 イボーグの恐ろしいまでの叫びは、地獄のそこから響くような、耳というよりも腹に響くような、そんな絶叫だった――。


 そしてその叫びが、いつの間にか笑いに変わっていた頃には、私は魔力切れで、意識が朦朧としていた。


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