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天才剛毛ロリ童女を添えて~イボーグ死す、もあるよっ!

 それは魔術を行使すること。

 魔法と魔術は広義的には一緒の物といってもいい、けれど私にしてみたらその差は歴然だった。

 基本的に魔法とは、魔力を使い即時的に術を発動するものを言う。たいして魔術とは所謂、魔法陣を描いて魔力を送り込み、そこで術を発動する。

 ふつうに魔術を発動しようとすれば、『魔法陣を書く→魔力を送り込む→発動』。という流れなのだが、『魔法陣を書く→魔力を送り込む→ × 』、ここで私の体から離れない魔力は送り込めず、術は発動しない。けれど、何度も見て来たと思うが、私は攻撃魔法を自傷することによって発動している、(それもそれでリスクはあるだけれど…)つまりは、私の体の部位であれば遠隔で魔法を発動できるというわけだ。

 『魔法陣を書く→魔力を送り込む→発動』。ではこの流れのどこに、魔力を仕込むのかというと、一番最初。魔法陣を描く段階で、自身の血を取り出し、魔法陣を書くというふうにすれば、魔力を送りこむ必要はなくなり魔術を発動できるというわけだ。

 血の魔法陣なんて何だか野蛮で、私もあまり好きではないのだけれど、こういう体質なのだから仕方がない。

 と言っている間に、完成。


 ――眼球がこちらに向かって動く。


「ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝!!!! テメー等ァ!! 俺に何しやがったアアアアアアアアアア!!!!」


 イボーグは時の流れから解放され、凄まじい雄たけびを上げる。草原に轟くその雄叫びは私たちの体を揺らした。


「こんにちは、さっきぶりだね」


 私は繫がりきっていない魔法陣を前に、小刀で自身の首を深く切りつけると、ドバドバと吹き出す血液で魔法陣をつなげる、張り詰めた風船のように大きく開いた傷口から

、余った、可視化できるほど高濃度の魔力が一気に噴き出る。

 ――――≪パシュパラストラ≫

 魔術を発動すると、眼前の土くれが膨れ上がり、大気がそれらに吸い込まれるように吸収し光を放つ。

 草は土の中に消えていき、流動的に動き膨れ上がる土が、今度はどろどろと崩れ落ち、中からは鉄の塊に包まれたクリスタルが姿を表す。それは禍々しく光を放ち、クリスタルの中ではパチパチと眩い光が明滅し、赤や黄色、オレンジに青といった様々色の光りが乱反射するように動き出す。


「では、さようなら」


 光はやがて全てが白く輝きを放ち、巨大な一塊のクリスタルの中で、ピカッと一瞬、閃光を放つと次の瞬間、巨大なイボーグを遥かに凌ぐほどの青白い巨大なレーザーを照射した。





「派手な魔法が好きなんですね」

「う…たまたまだよ」


 射線上に大きくえぐり溶かした草原と懐中時計を見ながらバーゼルは呟く。

 ≪癒えよ(ヒール)≫

 魔導砲。確か街に落ちてきた巨大な連合国の戦艦も搭載されていたね、ま、あんなもの私の術式に比べればおもちゃみたいなものだがね。

 黒く焦げたイボーグは白目を向きながら倒れている。


「リリィさーん! 大丈夫っすかー!!」

「リリィさん! バーゼル様も、無事か!」

「お、おい! まて、走るのが早いっ! ハアハア…あの魔族は倒したんだろうな!」

「ア、アルマ君! 乳山君! 看守君!」


 三人が小走りで近寄ってくる。


「おい乳山、それよりも心配することがあんだろう!」

「まあまあ、倒したみたいっすからいいじゃないっすか」

「兵は呼びましたか?」


 看守君は後ろを振り返ると、ガシャガシャと音を立てて鎧を着こんだ兵士達が歩いてくるのが見える。

 なっなに!?


「バーゼル君、連合国の兵を呼んだのかね?」

「ええ、遅くなりましたが」


 援軍は期待できないとばかり思っていたが、まあいいかね。



「ああ、それくらいじゃねーと、面白くねーよなァ!」



 ――!!

 後ろを振り返る。

 そこには、にやにやと笑みを浮かべ、自身についた煤を払っている、鬼が立っていた。


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