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天才剛毛ロリ童女を添えて~求婚、変態鬼、もあるよっ!

挿絵(By みてみん)


 騒然。

 悲鳴、驚嘆、後悔、懺悔、祈り。皆様々に、この絶望を享受していた。


「ガハハハ――ガーーーハッハッハァアアア!!!!」


 鬼人族オーガの笑い声が私たちの体を揺らす。

 このタイミングで来るかね普通。

 というか、コイツは魔族じゃなかったのかね!? 魔族が何故私たちの国を攻撃してくるのか、何の利益があるのかね、大体こんな堂々と領地に踏み込んでくるなんて、宣戦布告と捉えられてもおかしくないじゃないかね…。


「イボーグ…。」

「んー、リリィちゃん! 俺の名前覚えててくれたんだなあ!! こいつはうれしいねえ」

「君の目的は一体なんだね、こんなに堂々と攻め込んで来るなんて」

「攻める? 何のことだ、俺は侵略何てしてねーぜ」

「……は?」


 こいつは何を言っているんだね?


「俺がここにきてやったことはなんだ? ん? この街を襲ったオークを殺したこと、それ以外に何かあるか?」


 このオーガは…ここにきて、そして、その丸太のような腕でガブを殺し、そして…。


「俺は助けに来たんだよ、この街をなあ、この下劣なオークどもからな…!」

「な、何を言っているのだね……」


 騒然。

 困惑と戸惑い、当然だね、イボーグの目的が読めない。

 そんなことを尻目に、イボーグは私の遥か頭上からにやにやとこちらを視姦してくる。


「なにを…鬼が…魔族が何をしに来たのですか!!」

「……。」


 バーゼルはそう叫ぶが、イボーグは一瞥すると、やれやれと言って表情で向き直る。


「だから言ってんだろ、この街を救いに来たってよお。…だが、俺は聖人じゃねーんだ、無償でこんなことするわけねーってのは分かるよな、おいバーゼル、この街の救世主には、なにか褒美が必要だろ? なあ…!」

「な、なんですと…!?」


 そういうとイボーグは大きく振りかぶり、私の頭ほどある指を私に向けると、「この女を頂こうか!」と言い放った。


「「「えっ…ええええええええええええええ!!!!」」」


 アルマ君や看守君は私の前に出ると、武器を構える。

 ふ、二人とも…。あ、あれ、そう言えば乳山君は何処に行ったのだね?

 そう思いあたりを見渡すが乳山君の姿が見えない、ん…? 十メートルほど離れた瓦礫から覗いた顔が、私と目が合った瞬間慌てたように引っ込む。…知れば知るほど騎士とはほど遠いな…。まあ、無事なようで良かったよ。


「な、何をバカなことを言っているのです!」

「……俺は本気だぜ、よく聞け、そしてよく考えろよ。コイツは取引だ、俺はリリィを貰い嫁にして、この街の救世主としてこの場を去る、…もしくは、それを断り、俺はこの街の破壊者として、全てを破壊しこの街を去る」

「なっなに…」

「賢いオメー等ならどうすれば良いか分かるよな、オメー賢者なんだろ? バーゼル」

「…。」


 バーゼルは黙り込むと、周囲の生徒たちが騒ぎ出す。

 「リリィって…」「あのリリ・リマキナ?」「キラベルきっての天才」「じゃああの子ホントにリリィだったんだ」「あの事件の…?」

 そんな声をさえぎるようにバーゼルは前に出ると、イボーグに向かう。


「…貴方、何を企んでいるんですか? 何が目的ですか…!?」

「なにも? つーかよおオメーに関係あるか? そんなこと」

「……、分かりました。リリィ……すみません」

「聞いたか…! 聞いたかリリィ! 俺たちは赤い糸で結ばれてんだなあ!!  やっぱり恋愛ってのは外堀を埋めなきゃな、よし、リリィこっちに来い、もうお前は俺の…………どういう、つもりだ?」


 私の前で武器を構え離れようとしない二人。


「聞いてなかったのか? あ˝あ˝!?」

「き、君たち」

「バーゼルさん、アンタ正気か!? 本気で魔族と取引するんですか!?」

「リ、リリィさんは渡さないっすよ、もう、お友達っすからね!」


 看守君にアルマ君は、額に脂汗をにじませながらも懸命に私を庇ってくれていた。どうして私がこんなにも執着されているのか分からなかった、けれど、このままでは、このままではこの子達まで危険な目に――。


「…オメー等、邪魔だぞ、破壊されて―のか? リリィ、おいリリィ、こっちに来い、じゃねーと、分かってんだろうな…?」

「くっ…」


 どうする? どうするべきだ? 私は、この街を守るんじゃなかったのか!?


「リリィさん、アンタの贖罪は、コイツに身を売ることじゃねーぞ、アンタこの街を守りたいんだろうが!」

「リリィさん! 行くべきじゃないっす! こいつからは冷たくて、悪い魔力を感じます! それに、結婚相手はやっぱり落ち着いた優しい人じゃないとダメっす!!」


 看守君! アルマ君! 私は…私は……!!


「悪いね、やっぱり赤い糸ってのは、勘違いじゃないかね?」


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