天才剛毛ロリ童女を添えて~【バトル】獣の戦士、もあるよっ!
「あっ、あれ…?」
「「リリィさん!!」」「なっ! お、お前!」
後ろで、――何かが刺された音がした。
「う…」
は、早く助けに…確認しなければいけない。後ろには…確か看守、看守君が…いたはず。
ん…? ペタペタと触る。
こ、これは、この穂先は…私の体から出ている、この穂先は…。
「ボフゥウウ…、逃げる…か、やはりテメーたちは頭が良いな、まず戦士じゃ考えねーことだ」
「うっ…あ、ああああああ…!」ズルズルと、体の中から冷たい感触が通り抜け、すぐさま燃えるような激痛が脳を、背骨を刺しめぐる。
「終わりだ、テメーたちのリーダーは、今ここで獲る」
「ぐっ、させるかよ」「<呪刑…!>」「ま、待て! 話し合おう!!」
アルマ君たちの言葉など聞こえていないかのように、ゆっくりと、ガブは私の首を取る為、横薙ぎに槍を構える。
――そうして、槍を顔に近づけたね。
「ぐあ˝あ˝あ˝あ˝あ˝あ˝あ˝あ˝あ˝あ˝あ˝あ˝あ˝あ˝あ˝!!」
「えっ!?」アルマ君には、突然穂先が爆発したように見えただろう。
槍が体を貫通したとき、私の魔力をタップリと浴びた血液と、ダメ押しで髪の毛を結んでおいて正解だった。
「<ヒール!!>アルマ君! 走れ!!」
「リリィさん!!」
私は体に空いた大きな穴を一瞬で塞ぐと、アルマ君の手を引き乳山君のいる裏路地まで走る。
「ぐううううう…ガキィ…」
「右目と、右耳が死んだな――」
いつの間にか回り込んで移動していた看守君は、焼け焦げたガブの死角を付き、ナイフを突き立てるがすれすれの所で躱されてしまう、だが、確実に、先程までの勢いは無くなっているように思える。相当最初の攻撃が後を引いてるみたいだね。
走る。
ひとまず立て直す。疲弊しているとはいえ、さっきみたいな攻撃を何度も食らうのは勘弁したい。
乳山君が焦った様子で路地へ手招きする。
十メートル、九メートル、三メートル――。
「ブ、ブオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
後ろから、凄まじい咆哮が響き渡る。
私が走りながら後ろを振り向いた瞬間。巨大な何かが顔の近くを通り過ぎ、次に聞こえたのは乳山君の悲鳴。
急いで再び正面に振り返ると、そこには瓦礫の山が出来上がっていた。
…何だねこれは?
「ちーちゃん!!」
な、何が起きた!? 一瞬にして、レンガ造りの、こんな大きな集合住宅が瓦礫に!? 乳山君は!
そんな、まとまらない思考を必死に整理していたが、それは、後ろからのピリピリとひりつく魔力で無駄な事だったと思い知らされる、今やるべきはそんなことではないと、思い知らされる。
「ブフゥウウ……ブゥ、ブゥ…ブオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
振り返ると、そこには四つん這いで、オークの里で会ったオーガに匹敵するほどの大きさに膨れ上がった、――獣の戦士が居た。




