天才剛毛ロリ童女を添えて~戦争の行方もあるよっ!
「「「かんぱーーーーい!!!!」」」
「ぷっはあ˝あ˝あ˝あ˝あ˝あ˝あ˝あ˝あ˝!!」
赤髪の騎士は心底幸せそうに、自分の顔が隠れるほどの木のジョッキを傾けると、喉を鳴らし、そして盛大に息を吐くと私の目の前で豪快に口元を拭って見せた。
騎士…。
私の知っている騎士は、こんな場末の安いだけが取り柄の酒屋で、嬉しそうに土木工仲間と酒を飲み交わしたりしないものなのだけど、というか、鎧を脱ぎボンタン姿にバンダナを巻いたキミの姿はもはや騎士と呼べるそれではなくなっているよ。
私は同じ席についていた他三名に顔を向ける。
「どういうことだね? こんな自由を許していいものなのかね、看守君」
「…はあ、俺は反対したんだよ、けどな、今は街の復興も、戦争の準備も、全てが人手不足だ…それに――」
「元々はちーちゃん達が壊した所ですし、手伝ってくれって言われてたんすよ!」
看守君は痛々しい頭の包帯の側面を親指でポリポリと掻きながら答える。
それにしてもアルマ君はいつの間にか仲良くなったのか、今はあだ名で呼び合う仲らしい…。私は呼ばれていないのに…。
いや、そんなことより、この街は私の思っている以上に戦争と復興で人員不足のようだった、もともとそれほど人口は多くないが、それでも中立国とは名ばかりの、実質的な鎖国国家であるこの国は余り積極的に諸外国の手を借りるわけには行かないのだろうね、それとも、オークぐらいどうってことないという驕りから来ているものか…。
私の横にいたバーゼル君は咳ばらいを一つし、席を立つ。
「流れでココまで来てしまいましたが…、私はこれで」
「ええー、らんでだあ、もう少し一緒に飲まらいか~」
「ちょっ、何ですか! やめっ、ちょっ、髪型が崩れるッ!」
「何やってんだ! 離れろ!」
「ちーちゃん失礼っすよ、バーゼル様はこれでも賢者の一人なんすからね」
「これでも余計ですよアルマ!」
べろべろに酔っぱらった乳山君は席を立ったバーゼル君に絡み始めたが、二人が引きはがし席に座らせると、バーゼル君は改めて踵を返し席を離れようとする。
「バーゼル君!」
私の呼びかけに少しの間と共に振り返る。
「分かっているだろう? このままでは、このまま戦争に突入すれば、――――私たちは負ける」
酒場の喧騒の中、バーゼル君は押し黙る。
何故だ? 私の言っている意味、キミには分かるはずだ、なぜ理解しようとしない。
そのまま、何も言わずにバーゼルは酒場を後にした。
「……。」
「リ、リリィさん今のは…そのホントっすか…?」
「…………キミたちに――、一生のお願いがあるのだけれど」




