天才剛毛ロリ童女を添えて~ロリコン赤鬼、爆誕、もあるよっ!
「ひっ」リリィの怯えた声が響くが、イボーグは構わずじろじろとその体をなめるように見る。これも、どこかで見たような既視感があった。
イボーグは鼻息を荒げ、顔を上げると。
「気に入った! 気に入ったぞォオオオ!!!!」
と、赤い皮膚の張り付いた顔をさらに紅潮させながら、そんなことを里に響き渡るほどの大音量で叫んでいた。
気に入ったとは?
「なっなんだ? 何なのだ!?」そんな態度のイボーグに身の危険を感じたのか、リリィは手をかざし、今にも魔法を発動しそうだ。…おいやめとけよ。
「そうかそうか、リリ・リマキナと言うのか…うぅむ、その成人済みにも関わらずロリロリな体、保護欲をそそられる潤みを帯びた童顔、何といってもその鼻っ柱の強ェ性格! 最高だ、嫁に欲しい!!」
「何なのだ!? いきなり何を言い出しているんだ、あの魔族は!?」
正直俺も理解したくねーが、どうやら元同僚は<ロリコン>だったみてーだ。
「良かったなリリィ、貰い手が出来たぞ」
「は、はあ? おちょくるのも大概にしたまえ!」
いやたぶん本気だと思うが、つーか合法だと気が付いた途端これだ、結構本気でロリコンだと思うが、あのおっさん。
「リリ・リマキナ、まずは食事でもどうか? お互いのことをよく知るところから始めようじゃねーか!」
「意外と普通の価値観だった…! もっと魔族ってこうグイグイ来る感じかと思っていたが、いやとにかく、お断りする。恋愛とは無縁なのでね、これからもこれまでも」
「…そうか、そうかそうか! これはフられてしまったかな? ガッハッハ!! まあ、それもまた恋よ! ハッハッハッハ!!!!」
そう豪気に笑う巨大な鬼は次の瞬間、地面にこぶしを打ち付けると「酒はまだか!?」とキレ散らかしていた。感情の起伏が激しすぎねーかコイツ。
そんなことより、とリリィは酒を催促する我儘なおっさんに向き直ると、どうやらまだ諦めていなかったらしい、あの話の続きをしたいようだった。
「やはり承認出来かねる、首を突っ込むなだと? 突っ込まなかったらどうなる? このまま私たちが止めなければ――」
「戦争だ、――――戦争になる、確実になァ」
「なっ…! そうならないように私達が来たのだよ! どうか話を聞いてくれ!」
「断る。」
さっきまで、結婚だ何だと世迷言をほざいていた赤鬼だったが、今は冷静に淡々と、リリィの取り付く島などこれっぽっちも見せてはくれなかった。
「くっ…そうか、ならば…ならば仕方がない、力ずくでもッ!!」
リリィがそう叫ぶよりも早く、再びあの気持ちの悪い<術式反応>が辺りを包むが、俺はリリィの反応を予測し、それよりも早く駆け寄り阻止させようと、その細く小さな体にタックルをかます――。
その瞬間、俺たちが倒れこんだ上を風切り音を轟かせて何かが、通過する。
倒れこんだ後に、その物体を目で追うと、そこには赤く、リリィの身長ほどもある分厚い手があった。
こいつ、今、俺たちを殺そうと――。
先程まで楽しそうに会話し、気に入ったと断言していた相手を、ただあれだけの事で、殺そうとしてきやがったッ!?
「悪ィな、それについちゃ俺に出来ることはなにもねェ」
「なっ、何故だ!? 何故なのだ! 戦争など誰も望んでなど――」
「まだいうか!! お前ェの気の強さは魅力的だが…そんなに頑なだとなァ、破壊したくなってきちまうぞ!!!!」
「分かったああああああああああああああ!!!!」
叫んだ。
一瞬、周りにいたオークたちも誰の声か分からずに動きを止めるが、直ぐに俺の声だと気が付き視線を向けられる。
「分かった、オメーの勝ちだイボーグ、諦める。俺たちはこの件を――諦める」




