天才剛毛ロリ童女を添えて~バレる、しょうもない嘘、もあるよっ!
「やってくれたな…」
「…はあ」
隊長の言葉に俺は大きな溜息で答える。
さてどうするか、周りには無数のオーク、目の前には以下にも強そうな隊長オークさらに奥には長と<オーガ>、無理やりココを突破するのは無理だろうな。
「てめェ一体何が目的だ? ん? 交渉する為に来たんじゃねーのか?」
「ちっ、そのつもりだったぜ、隊長さんよ」
「ならなぜこんな惨事になる? やはり手先か」
「言っておくがね、最初に使者を監禁して尋問しようとしたのはキミ等だからね、まったく、使者を監禁など聞いたこともないよ」
「……なるほど、逃げ出したわけか」
リリィの横やりに、隊長は咳払いなのか、失笑なのか溜息なのか、オーク独特のボフゥという鼻息を鳴らすと、少し考えるように左下を見る。
考えてみればこの状況、俺たちに逃げ場はない、交渉をするために牢屋を出て、長を探し、ここまで来たが…ん? 長? 俺は目の前に居る大きなオークに向き直る。
長ココに居るじゃねーか!
いや、いやいや、待て待て、さっき自分で言ったじゃねーか仲間を殺されて話を聞こうとする奴なんて一人もいねー、今ここで弁明してもそれはエルフの耳にも念仏ってもんだ。
…だが、今それ以外に選択肢はあるか?
「おい…おいキミ!」
「……なんだよ、どうすればいいか悩んでる最中なんだよ」
「考えてるって…バカかキミは」
小声でそんなことを言うリリィ…、もともとお前が暴走しなけりやこんな窮地に立たされることもなかったんだろうが。
「良いかね、この状況もはや考える余地などない、交渉だ、長が目の前にいる、キミが交渉してみるんだ!」
「はあ、だからよお、交渉ったってお前がアイツらの仲間殺してるんだぞ、上手くいくわけねーだろが」
「くっ、だが、今の状況をよく見ろ、それ以外に選択肢などあるか?」
…選択肢は、無い。確かに。
リリィの言いたいことは分かった、消去法、俺たちに選択肢など無いのだ。問題はリリィのやらかした事だろうアイツらは仲間を殺されている、ふつうはここでもうおしまいだが…考えてみればあっちの隊長さんは直ぐに攻撃に出るわけでも捕まえに来るわけでもなく、こうして俺らと対話に応じている。
リリィのやらかした問題も、そうだな、使者を監禁した無礼と、そっちが尋問にかけるだのなんだのと脅してきたこと、それらとすり替えれば…。
「それにキミ、あのオークの長と知り合いなのだろう? 拘留してた時に言っていたものな! いけるぞ、長を引っ張り出した私に感謝してほしいくらいだ!」
「…………ん? あっ、いやっ、そういや、そんなこと――――」
「オークの長よ! この度は互いに<誤解>があったようだね、だが、こうして敵対関係の身でありながらはるばると来たのは、キミの友人、<ジン君>から和解の話があるからなのだよ! どうか話だけでもさせて頂けないだろうか!」
「…………」
意気揚々と長に向かって話し出すリリィ、その自信満々な立ち振る舞いは、かつてバグライトでの交渉を終え、馬車に乗り込むとき、横切るオークに一々ビクついていたあのチンチクリンではなく、まさに、バグライトの未来を背負った立派な使者の様相だった――。
その様子に驚いたのか、辺りは静まり帰り、長はリリィの影に小さくなり隠れる俺をまじまじと見ると。
「……ど、どこかでお会いしましたっけ…?」
と、微妙な表情で俺に話しかけてくる。
「…え?」
「ん?」
おい、そんな顔で俺を見るんじゃねー、仕方ねーだろ、外に出るためにはこうするしかなかったんだよ。
「ええええええええええええええええええええええ!!!!」




