天才剛毛ロリ童女を添えて~名物、牢屋もあるよっ!
船が街に墜落するという不慮の事故の後、俺たちはあっさりと確保、拘留されてしまい、今はこの灰色の部屋の中に閉じ込められてしまったのだが、この部屋には既にもう一人の人間がいた、俺から見ればそれは…ガキだ、つーかロリだ<金髪剛毛ロリ童女>だ。
ごわごわな長い金髪に茶目、白がくすみ、灰色チックになった布切れのような服から覗かせた透き通る程の白い肌、手折ればポキッといきそうな肢体、なんだかローアングルから見ているコッチがまるで変態扱いされそうな、傾国美人というより人によっては警告媚人ってかんじだろう、そんなニッチな需要を抑えた見た目、俺は乳山のようなボンキュボンが好みなんだが、コイツは何というか保護欲をそそらされる印象だ。
俺たちがこの部屋に入るや否や、俺の方に寄ってくると、何を思ったのか俺の体をじろじろと眺め、そして「キミ、魔物だ! そうだろう!」と開口一番そんなことを言いながら興味津々に騒ぎ出したので、とりあえずテキトーに話を合わせながら俺の周りをチョロチョロするその童女を膝に乗せ、ほっぺや髪をツンツンとイジっていたところ、ズルい! とウズウズと母性を刺激され我慢が出来ずに飛び掛かってきた乳山に、そのごわごわな髪を編み込まれ、先程の陣形が完成したというわけだ。
「さっきから人が話しているというのになんだね! 何なんだねキミたちは!」
「まあまあそう怒るな、ほら、おねーちゃんが手品を見せてやろう! 親指がーー、ホイッ! 取れました~、そして~くっ付いた~、どうだ? すごいだろう」
「バカにしているのかねッ! そうなんのろう!?」
酔っぱらった親戚みたいな絡み方をする乳山に、顔を真っ赤にして地団駄を踏み怒り狂うリリィ。
「そーだぜ乳山、今時の子はな、そんなんじゃ満足しねーんだよ、見てろよー、ここに指輪があんだろ? これを手の中に握って…開くと~、なんと、指輪のほかにサイコロが増えてまーす!」
「おおー! 凄いなお前、どうやったんだ」
「ん? いや、一瞬凄いかもと思ってしまったがよく見るとその指輪、保管の印が刻まれた、ただのマジックアイテムじゃないか! そりゃあ中から物でてきて増えて当然だよ!!」
おー、なかなか頭のいい子なのかもしれない、以前魔王城でイカサマでやった時はバレない手口だったんだけどな。こんなマイナーなマジックアイテムの使い方して、それすら簡単に見破るとは。
「というか、二人とも私のことを子供だと思っているんじゃないのかね! 失礼な! 私は今年で19なんだぞ!」
「なっなに!?」
「…。」
どうやら、<金髪剛毛ロリ童女>は<金髪剛毛ロリ童女(合法)>という上級職だったらしい。
そんなやり取りを聞いてか、青い制服に身を包んだ男が、鉄格子を外からガンガンと叩きつける。
「おいうるさいぞ、楽しそうに喋ってるんじゃねーっての、はあ……ったく後輩は言うこと聞かねーし、この忙しい時に船なんか落ちてくるし、その船から魔物も出てくるしで、もうこの国はどうなってんだ」
なんだかずいぶんお疲れの様子。乳山が思い出したかのように「お前私たちが捕まえられたときに居た奴じゃないか?」と言っていたが、そうだったか?
まあなんにせよ、コイツの言っていた<こんな忙しい時に>ってのは気になる、空から見ていた時は何だかいいところのように感じたが、もしかしてスゲー財政難だったりすんのか? 今後の移住先の参考にさせてもらいたいので聞いてみるか、つーか、まずはここから出ることが先決か。
「おい、忙しいってのはどういう意味だ?」
「あ? お前には関係ねーよ、魔物、お前のせいで仕事増えてんだからな、大人しくしとけよ」
「んだと? 鉄格子の隙間からそっちにションベン引っかけてテメーの仕事増やしてやっても良いんだぞ国の犬っころが」
「そんなことしてみろ、魔法でチ〇毛炙るぞ魔物野郎」
「ま、まあまあ、それぐらい教えてもいいのではないか? 別に損になることは何もないではないか」
「……リリィさん、アンタ状況分かってんのか? こんな奴と仲良く話してる場合じゃねーんじゃねーの」
「分かっているさ、――少なくともキミ達よりはね」
「パイセンパイセンパイセンパイセーーン!!」




