5.恥を知れ
『恥を知れ』は、『感情が欠落しているからと婚約破棄された令嬢は、幼馴染と微笑み合う』に辛辣なコメントが付きまくり、心がポキっと折れたタイミングで書きました。
もうねぇ、色々言われまくったのが悔しくて悔しくて。
いっそのことアカウントごと小説全てを削除してしまおうかと悩んでいたのですが、このままじゃいけないと思いまして。(ざ・負けず嫌い)
リベンジを果たすべく分析を重ねていたところ、ある日ポンとアイディアが降りてきて、えいやっと書きあげた感じでした。
実は、二つの作品には大きな共通点があります。
それは『感情が欠落しているからと〜』のヒロインは、『恥を知れ』のヒロインと同じく、感情を表に出すことのできない令嬢だということです。
ただ、前者のヒロインは無表情であることに理由がなく(本人にも理由が分からない)、気心の知れた幼馴染の前でだけ本当の自分を出すことが可能でした。
その癖、大好きな婚約者に対しては素直に感情を出すことができず、ヒロインはそれが理由で浮気をされ、婚約を破棄されてしまいます。
さて、前回お話したとおり、なろうではヒロインに瑕疵があることを物凄く嫌われます。
本当にビックリするぐらい嫌われます。
このため、『婚約者に対して無表情だったのなら、婚約破棄をされて当然だ』と感想欄等でめちゃくちゃ言われました。
ただ、現実にも無表情の人はおりますし(そして本人にもどうして感情が表に出せないか理由がわからない)、ヒロインが無表情だからといって浮気をしていい理由にはならないのでは? とわたしは思っていて、当時は大変憤りました。
だけど、わたしの考えは考え。
感想は感想。
両者を明確に分けた上で、事実として受け入れざるを得ませんでした。
さてさて、そんなわけでわたしが考えたのは、前回と枠組みは同じで、けれど感情が表に出せない理由が明確に存在するヒロインの物語を作ることでした。
『恥を知れ』のヒロインのルーナは、氷のように冷たい、無表情の令嬢です。
けれどそれは、姉であるオリビアに散々虐げられ、その度に己の感情を殺し、自分の心を守ってきたからなんですねぇ。
そんなルーナが、ヒーローであるカーティス(似た者同士)と出会うことで、殺していた感情を少しずつ表に出せるようになっていく。姉に立ち向かうだけの強さを身に着けていく。そういう構成にしました。
そんなこんなで誕生し、日間一位を獲得し、コミカライズまでされた『恥を知れ』なんですけど、
当時は人気が出る(というか受け入れられる)とは全く思っていませんでした。
投稿をする直前まで、完全没にしようかどうしようか迷っていた程でして。(前回同様、辛辣な感想を貰うんじゃないかとめちゃくちゃビクビクしていたんですよねぇ)
少し枠組みを変えただけで、こんなにも結果が変わるのかと、とてもビックリしたものです。
今となってはこの作品を消さず、投稿して良かったと心から思います。
お陰様でコミカライズもされましたしね!
ただ、コミカライズされたことによって、今度はまた別の悩みが生じまして。(現在進行系)
こちらは次回、書いていきたいと思います。