14話 でっかいなぁ
モンスター発見。うん。この憎たらしい顔はオーガプリーストでないな。
そんで……女探索者きた!
顔は郷田さんとまた違って可愛い系、大人しそうな雰囲気の割におっぱいがデカくて……
「って大丈夫か?」
何ヵ所も火傷してるじゃん。
これだと痛々しさが勝って、なんかもうやらしい目で見れないわ。
「探索者? 逃げて! 私に構ってたらあなたまで――」
――ボウッ!
容赦なく放たれた火球。
避けたいけど後ろに人がいるから避けるわけにもいかないか……。
どうせ生き返るし、ってさっきの奴より火球デカいな。これだと頭全部持ってかれ……。……。……。……。ましたぁっ!
威力たっかいなぁ。いくら『不死身』だからって威力が高い分痛みもおっきいんだぞ! これさえどうにかなればもっと突っ込めるんだけどなぁ。
それにしても、同じモンスターでも個体ごとに強さが違ったりす――
「ごめんなさい! ごめんなさいごめんなさいごめんなさい私が弱いせいで、借金なんて作ったせいで」
引くぐらい卑屈。ただ、さっきの人たちといい、うちの鬼頭とはいい人レベルが違い過ぎんか?
「あー。別に謝らなくてもいいぞ。攻撃食らったのはお前のせいじゃないし、そもそも俺、『不死身』だから」
「え? 生き、てる?」
「正確には生き返った、だな。おっ! あいつも驚いてんのか止まってくれてんじゃん! ラッキー!」
今ならあの火球を食らわなくて済む!
一気に距離を詰めてやるぜ!
「う、がが……」
「殴り合いは時間が掛かるから……。いってぇけど、腹一杯食いやがれ! 俺の毒の肉体はおかわりし放題だぞっ!!」
今回はナイフを取り出して指を食わせる作戦。
痛いけど、段々慣れてきたな。
流石にオーガプリーストの奴は面食らってるみたいだけど。
よし、どうせならこのまま押し倒して、馬乗りして、嫌がろうたって、無理矢理ぶちこんでやる!
「う、があっぁあああ!! ん、がぁ……」
「おうおう、馬乗りされてもやっぱ食い意地だけはあるのな。いいぞ、もっと食え! 食って、死んでくれ!!」
1、2、3、4、5、6……。
勢いに乗ったはいいものの、なかなか死なないな……。
もっとこう、スピーディーに食わしたいけど、あーっ!痛みが邪魔――
……。……。……。
あれ? 急に痛みが軽くなった。
なんで? って俺の身体ちょっと光ってる?それに女の人も……。
ああ、これも『力』か。
相手に影響を与えるとか、凄っ。
お陰でガンガン食わせられるし……『不死身』と相性よ過ぎんか?
――プシッ!
おっ! もう血が吹き出したじゃんっ!
「う、が……」
「これでお前はゲームオーバー。さぁて目を切り抜いて、売却――」
「あ、あの、ありがとうございました」
「だからそういうのいいって。別に元々お前を助けようとしたわけじゃないから」
ヤバい。カッコつけてクールぶり過ぎたかも……。
でも嫌そうな顔しないでいてくれるし、話しやすいかも。
「それに、お前の力……。うん。人柄もまともそうだし……なぁ、俺と一緒にモンスター殺してさぁ、借金返済しねえ?」
「え?」
流石にいきなり誘うのはまずかったか?
でもこの人と2人の方がモンスター狩り楽になるはずなんだよね。
お願い。お願いお願いお願いお願いお願いお願い!
「その、えっと……私でよければ」
よっしゃ、きたっ!
伝説のポ●モンをノーマルなボールで捕まえたときくらい嬉しい!
「おう、よろしくな! 俺は三鷹清四郎。『不死身』で……借金1憶返済中っ!」
「い、1億!? やっぱり主人公って桁が違うわね。なんか借金まで中途半端な額の私って……どこまでもしょうもな――」
「いやあ、あのすげえ力と俺の『不死身』があればすぐに借金返済できるなっ!」
「す、凄いって……私が?」
「ん? お前以外に誰がいるんだよ」
相変わらずの卑屈っぷり。
誉められ慣れてないんか――
『女、ナンパ……』
郷田さんの声怖っ……。
そうか、まだ監視は続いてるんだった……。
最悪の場合誤解されて約束を反古、とか……こうなりゃ2人でたっぷりモンスター殺して、この人の、仲間の必要性を説くしかなさそうだ。
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