力尽きても
「…滝さん」
「えっ!?なんで今更さん付け!?」
俺は陽仁に呼ばれたがつい驚いてしまった
「俺は最初、あなたを殺す目的であなたに近づきました、でも、あなたが庇ってくれたから今の俺たちがいるんです こんな俺を、一緒に戦わせてくれて、ありがとうございます」
陽仁はルインとの一騎打ちに警戒しながらも、俺に話しかけてくる
ルインは今にも俺たちに襲いかかりそうな気迫だ
「あ、ああ…でも、どうしてこんな時にそんな事を?」
「俺は…今はあなたを守る立場にいる…貴明さんの爆発で私の母親が巻き込まれたのは事実です 何も分からないままで。犯人がその人と知ったら、憎んで、殺していたかもしれない けど」
陽仁はルインに走って攻め込む
「陽仁!!」
「国王を守るために戦っていたなら話は別です、最後まで、俺も守ってみせます!!仲間を!!」
「陽仁!!滝を殺せー!!」
陽仁はルインに構わず武器を構えた
「風よ、我の身に纏い、力を…"三節斬"!!」
目にも止まらぬ速さで三節棍でルインを薙ぎ払う
「うぉぉぉー――!!!」
そして、陽仁はルインを壁に追いやった
「陽仁…!!」
「裏切り者めが…」
ルインはすかさず壁にかかっていた剣を取り出した
「"風雪斬"!!」
ルインは先程から俺の仲間の技と近い技を出している
ルインも剣で陽仁を薙ぎ払っていた
「くっ…強い…!!ルインはもしかして俺たちの技を真似ているのか…!?」
「お前達よりは、能力は高いぞ」
三節棍で防御していたが、ルインの力で武器が落ちた
「あっ!!」
陽仁は思わずしゃがんで、ルインは剣の切先で陽仁を追い込む
「くくっ…私に攻め込んで来たのは褒めてやろう だが、貴様の勇気もこれまで」
「……滝」
「智嬉?なんだ」
陽仁をずっと心配そうに見ていると、智嬉が俺に後ろから声を掛けてきた
「お前も剣を使え 最終決戦だろ ルインを本気で殺さなきゃ、この戦いは終わらない」
「でも、剣は…」
「私に任せろ!!」
結界を張っていた司令官が武器を持ってきてテレポートで戻ってきた
「司令官!!無事でしたか!!」
「こなくそ…っ!!貴明の時は、ロダの国は全滅に等しかったのに…!!」
「私たちは、あの時から学習したんだ 更に結界を何重にも強くした そして、貴明達の住む、現代の世界も」
司令官は俺に近づく
「滝も無事だな」
「司令官、ご無事で何よりです それは…」
「貴明の最終決戦に使っていた武器だ あいつも、棍棒では敵を殺せないと思って、剣を用意していたんだ」
俺は棍棒しか使ったことがなく、剣を習ってはいたが実践ではほぼしたことがないに等しい
恐る恐る司令官が持っている武器を手に取る
「これが、親父が最後に使っていた武器…」
『滝 迷わず戦え』
「え…その声は…」
しばらく親父とは会っていなかったが、最終決戦で親父が亡霊ではあるが現れた
「親父…親父!!」
『言っただろう? 君が窮地に立たされた時、私は必ず現れるって』
ルインは親父を見た途端、すかさず剣で俺に襲いかかってきた!!
「死に損ないがあああ――!!!」
「俺を、殺してみろ!!ルイン!!」
「ダメです、 滝さん!!」
すると、陽仁は俺の目の前に立って、俺を庇った
しかし、それは遅かった
陽仁の腰には剣が突き刺さっていた……
「かはッ……!!」
「陽仁――!!!」
陽仁は一言も発しなく、目が虚ろになっていき、目をゆっくり閉じて、俺の目の前で倒れた……
ドサッ…
「陽仁…なんで…俺を…っ」
「ハア、ハア…あなたが…庇ってくれたから…俺も全力で守りたかった…あなたを…」
俺はゆっくり陽仁の手を握る
「陽仁…」
『滝さん、聞こえますか、キャドスです 陽仁も1度こちらに身体を預けます』
ポケットに入っていた通信機からキャドスさんの声が聞こえた
また、コールドスリープ状態になり、陽仁の体は司令官の国に預けられた
「ふふ、後はタキの親友と、陽仁の親友、シルヴァ、トヴァースだなあ… ロダが守れなかったらこの世界の滅亡も近い」
「許さない…許さない!!」
俺はまた、涙が止まらなかった
それを見かねたのか、司令官とロダ様が立ち上がった
「あんな悲しい戦いは懲り懲りだ 私たちも貴明のために、戦う!!」
「司令官…」
「滝くん、共に戦おう 力を合わせて」
ロダ様がそういうと、ルインは剣を再び構えてニヤリと笑った




