いつか来る戦いのために
「こうやって5人揃うのも久しぶりだな」
智嬉がふと滝の目の前で呟いた
「ええ、そうね、なんだか昔を思い出すわ」
「久しぶりにみづきや瞳の顔を見れて良かったよ、じゃ、俺はこれで」
滝は颯爽と皆の前から去っていった
「滝…?」
瞳さんは滝の様子が気になるようだ
「なあ、瞳 お前さ、滝と付き合ってんだろ?」
「え?ええ…今は戦闘が忙しくて、中々連絡できていないけど 付き合っているわ それがどうかしたかしら?」
純はニヤリと笑う
「今時間あるか?」
「大丈夫よ?遅くならなければ…ってあなた、もしかして私を誘っていかがわしいことを!?」
瞳さんは1人であたふた戸惑っている
純はそれを見てため息をつく
「はあ…んなことしたら、滝の雷が落ちるぜ!とにかく、話があるからこのままサロンにいてくれないか」
「分かった」
みづきさんと智嬉は2人の様子を見て怪訝そうな顔をしていた
「あの2人で話し合い…?珍しいわね!」
「雨が降るな ま、とりあえず強敵の登場だ、みづき、できるだけ敵の情報を集めて欲しい」
「分かったわ 情報支部の出番ね!」
みづきさんは軽快な足取りで去っていった
(俺も、鍛錬を続けなきゃ)
「智嬉、悪いけど…」
純は左手を縦にしてごめん、の合図をする
「あ?ああ、大事な話か お前にしては珍しい 邪魔者は退散しますよ」
「邪魔じゃねえ!…今は、少し離れて欲しい」
智嬉は純の対応を見て小さくくすくす笑う
「はいはい、俺は風呂でも入ってくるわ 敵が来ないうちに」
智嬉がスタスタ去って行くと、2人の間の空気感が変わった
「…で?なに?話って」
「お前に、頼みたいことがある」
所変わって司令官室では
俺と滝は司令官に呼び出されていた
「ルインはな…私たちの勝てなかった敵なんだ…」
「はい、今までにない、かなり強いオーラを感じます」
「滝…仮に、能力者をやめたいと思ったことはないかね?」
「えっ!?」
思わぬ司令官の質問に滝は驚く
「い、いや、今はそんなことは…」
「そうか、今度の敵は、本当に蒼山貴明、いや、私たちを倒そうとしている能力者だ この敵さえ倒せば…」
滝はぱあっと顔が明るくなった
「そいつを倒したら、戦いが終わるんですね!?」
トヴァースさんは神妙な顔で滝に訴える
「はたしてそうか? 私たちが戦ってきた敵を倒すのだから、私たちの戦いは終わって、シルヴァの住んでいる世界は平和になる しかし、お前たちこの世界の戦いはきっと続くだろう」
俺はその話を聞いてハッとした
「まさかとは思いますが、その最強の敵に勝てば、滝の能力をまた狙う奴が…?」
滝は隣で肩を震わせる
「俺もそう感じていた」
「くる可能性は十分にある しかし、私たちの世界の敵、ルインを倒せば数年は大丈夫だ」
「滝…っ俺も、滝たちと協力して戦う!!」
俺も腹を括った
「ああ、そうだな、俺も力を合わせて戦うよ トヴァースさんの世界の仲間は大丈夫なんですか? 」
滝がそう聞くとトヴァースさんは腰に手を当てて話す
「あいつらは王宮を守るために待機してもらってるんだ いつか、お前たちにも会わせたいよ、ほんとお前らとそっくりな顔してるから」
そう笑いながら話していた
滝と俺は司令官室を後にした
「とにかく、協力しよう、今後のことは勝ってから考えればいい」
「そうだな 今のやるべきことを考えよう」
そうして滝は自室に戻る途中、バッタリ純に会った
「よ、滝」
「純…」
「今話があるんだが構わないか?」
「特に用事はないから、大丈夫だよ」
滝は純の部屋へ入っていった――




