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Underworld  作者: まなか
30/68

木乃原家の過去

「俺はずっと滝さんに言いたかったことがあります」

しぐれは滝さんを自分のベッドに座らせた

「なんだよ?」

「陽仁の親友でありながら、あなたを殺すことを止められなくて、すいませんでした」

しぐれは深々とお辞儀をし、謝罪した

「陽仁のことか…」

「本来なら、陽仁はこのまま学生時代を送るはずだった、ですが…」

「陽仁も、親父の技にやられた、のか?」

しぐれは横に首を振る

「いえ、違います 陽仁は最初から、狙われていたんですよ、殺し屋結社から」

「陽仁の親父さんも?」

「はい、親父さんも最初からそのチームにおられたので」

滝はしぐれの部屋の窓をじっと見る

「純一さんも、俺の親父の力を狙って…」

しぐれは苦笑する

「ええ」

「お前は」

滝は腕を組み話す

「え?」

「お前は、しぐれは、身内が誰かに能力者の技でやられたのか?能力者はなにかのショッキングな出来事で能力者になってしまう、から…」

しぐれは思わずそう聞かれて口を閉ざす

「それは…」

「言えないか?」

滝は優しく微笑んだ顔をして聞く

「あなたは能力者のリーダー、なんですよね 話していいなら、話します」

「俺に関係あることか?」

「蒼山貴明さんと、俺の父親、木乃原正利は、元々、喧嘩が絶えずじまいでした 能力(ちから)を使って戦う時もしばしばでした そんなある日」


回想ーー――

佐々本純一の時代にも、ライバルであった蒼山家と協力して戦う時があった

しかし、純一の仲間であったしぐれの父親、木乃原正利が貴明と仲が大変悪かった

「純一チームと協力しようとしたが、これじゃあ一緒に戦えないな」

当時一緒にいた今の司令官、シルヴァも頭を悩ます程だった

「ええい、貴明、今こそ能力(ちから)を使って勝負しろ!!」

「お前は口答えに困ったらすぐ技を使うな 俺はそれを使ったら暴走するって言っただろ?」

正利は貴明の胸ぐらをつかむ

「怖気つくのか貴明…いつも力の話になるとそうやって避けようとするよな」

「本当なんだよ 力を使ってまで喧嘩はしたくない」

正利は痺れを切らしたのか、再び貴明と距離をとり、

技を出す構えをする

「毎日喧嘩をしていたが…お前のその戦いの才能が正直羨ましかった… 俺にはない、その素早さ、力の高さ… 俺はあんたに勝ってみたいんだ」

「だから、やめとけよ」

「覚悟しろ、蒼山貴明ー――!!!」

――回想終わり


「それからです、能力者戦争が広まったのは…俺の親父は、短気なのも災いして、毎日喧嘩をふっかけて…」

「それで親父が耐えきれず、自分の力を発動して、仲間たちを巻き込む大戦争に…」

貴明さんの力は、世界を滅ぼすとも言われている巨大な力

力を我慢していたが、やはり戦うとなると制御ができなかった…

滝は頭を抱える


<挿絵>

挿絵(By みてみん)

「正利さんは、親父の力を抑えきれずに?」

「いや、生きてますよ 仮にも敵対してましたからね、俺は滝さんと一緒に戦ってるだなんて、口が裂けても言えません」

貴明さんの大暴走は、しぐれの親父との大喧嘩がきっかけ、だった……

「そんな話を聞いて…しぐれはよく俺と一緒にいられるよな」

「俺は親友の陽仁を、ただ守るためにここにいるんです 親父は親父同士の喧嘩 俺は俺の目的 あなたをもちろん、守りますよ 滝さん」

滝は部屋の扉を開ける

ガチャ

「行かれるんですか」

「親父がふっかけた馬鹿げたこんな争い、やっぱり息子の俺が、止めなきゃいけないだろ しぐれにも、陽仁にも、迷惑かけて…」

すると、階段から瞳さんが戻ってきた

「瞳!」

「私…司令官から力を授かったわ 2人がいない今、戦わなくちゃね」

「久しぶりの戦闘だよな瞳は」

滝が瞳さんと話していると、後ろから声が聞こえてきた


「それは大変だなあ、俺が瞳の戦い方みてやろうか?」

「その声は……!!」

滝が目を大きく光らせた

「よ、滝」

「智嬉……!!!」

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