荒井純との再会
「くそ、またあの戦闘員に負けてしまった…!」
俺の家は滝達が住んでいる街の離れに住んでいる
家に帰るといつも、反省会をするのが日課
「俺はなんて弱いんだ…このままじゃ、カルテー二にも勝てない」
俺の家はアパートの4階に住んでいる 一人暮らしには十分の広さだ
傍にソファにたてかけてあったタオルを手にする
すると、アジトへ通信をする小型モニターが反応をした
「もしもし…、あ、あなたは!?」
応答すると、敵方の上司、司令官が現れた
俺は動揺して後ろに仰け反った
『佐々本陽仁くん また今日も忍び込んだそうだね 我々の拠点に』
「は、はあ…」
『君がなんの目的で忍び込んでいるか、とっくに分かっているよ、…滝を暗殺するんだろう?』
「!!」
俺は動揺した
薄々気づいてはいたが、やはり司令官にも気づかれていたようだった
『陽仁、なぜ滝を殺さない』
「司令官…!?」
『殺るなら…殺るなら本気でかかってこい 滝に、能力者の恐ろしさを分かってもらう為にも』
そういうと、司令官は通信を切った
(なにを考えているんだ司令官は…!?自分達のリーダーを死なせたいのか!?)
俺は恐ろしくなって、その日の夜は中々寝付けなかった
そして再び、滝を暗殺しに行く
司令官の言うことが気になって、情報支部へ向かい案内してもらった
「新野みづきです」
「新野さん、すいませんが、司令官はいますか」
「どなたでしょうか?」
「…佐々本、と言えば分かります」
新野さんと話している最中に、また情報支部の玄関で戦闘員に出くわした
今度は智嬉ではない戦闘員だった
白いハチマキの、群青色の短髪、高身長の背丈…
「お前…佐々本、陽仁か」
「まずい!!」
俺はまた追いかけられる、と思い背中を向けて走り出した
「待てよ!!お前、陽仁だろ!?俺を覚えてるか!!荒井純だ!!昔の…ヤンキー時代の仲間だ!!」
「荒井純… やめてくれ 今は、そんなんじゃない」
「陽仁…?」
純の顔は動揺していた
俺は純に向かって振り向く
「純、俺はお前達の敵なんだぞ!?俺をどうしようっていうんだよ!!」
「陽仁、それが…」
純と言い合いしていると、白い装束姿の司令官が現れた
ずっと小型モニターでしか見ていなかったから、実物を見るとかなり大きい
「陽仁、待たせたな おっと、純、陽仁になにか?」
「司令官… いや、実は…」
「司令官、俺はこいつとなんの関係もありません 早く行きましょう」
「陽仁!!」
俺は純に踵を返そうとすると手首を強く掴まれた
「俺たちは…敵だ 昔のように、協力できない」
そう強く言い放ち、司令官の後を着いていく
純は途方に暮れていた
「陽仁… どうして… あいつは…滝を…」
純はその場に座り込んでしまった
「滝を…殺す気なんだ…やはりあいつは…っ滝!!」
純は立ち上がって、おぼつかない足で走り出した
(純…ごめん…俺は…蒼山家を憎んでいるんだ…)
純がついてくるのを俺は知らないでいた