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木の葉隠れ

作者:

 そろそろアルバイトの時間か。

 棚の時計を見ると14時を表そうとしていた。

 身支度を整え、トートバッグを担ぐと私はマンションの階段を下った。

 カギをバッグの外ポケットに仕舞い、小学校の角を曲がる。うん、いつも通りの日常だ。

 日常の繰り返しというのは素晴らしい。日常というのは人間がその人生をかけて作る一瞬の時間。

 反復する生活行為の中でやがて考えることをやめる景色。その「無駄」を堪能する。この贅沢は何物にも代えがたい。

 いつもの木漏れ日が淡く斑なスポットライトにすら感じる・・・はずだった。

 特に大したことではないかもしれないが木に葉っぱが一枚も見当たらなかったのだ。フェンス越しに校庭を探るも枯れ葉一枚見当たらなかった。

 妙なこともあるもんだ。夏場に葉のない木があるとは。

 そんなことを考え、交差点に立って信号の移り変わりを待っているとトラックの風圧で葉の擦れる音が聞こえた。

 草木の無い異変に頭を傾げた私は平然とした人に流れて駅へと歩を進めた。

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