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第四十八話 アレク先生の推し

 妹さんの具合がよくなると妹さんはお淑やかに御礼を告げてくれて、俺とディスタードを学園まで見送ってくれた。


 学園につくなり待っていたのは、――テストだーーーーー!!!!!



 ああ、ああ、そうだとも学生の本分を忘れてましたよッ。

 今回追試だろうな、ハハッ。

 ディスタードも流石に唸って嘆息をついていたが、すぐさま部屋に籠もり勉強し始めた。

 少しは真面目になったかな?


 テストまであと三日だけれど、本気になれば俺だって俺だって!!

 とりあえずテスト範囲をアレク先生に聞きに行こうと、アレク先生の研究所に行こうと思ったら即刻、クラスメイトが引き留めた。


「テスト範囲が判らないのは可哀想だし教える気にもならないけれど、アレク先生の研究部屋だけは行かない方がいいのよ!!!」

「学校中で噂になっているんだから、行ったら二度と帰ってこれないとか! 呪われるとか!! 何でだかは知らないけど!!」


 そうはいわれてもこの人ら教える気ないんだろ、もしかしたらただの嫌がらせの可能性もあるから、無視して研究部屋にイミテと共にきた。

 研究部屋に辿りつくなり、イミテがぞわぞわとするのかやたら寒がって俺にくっつきたがる。

「どうしたんだよ」

「や、やめぬか? 嫌な予感しかしないのだ」

「そうはいってもテスト範囲判らなきゃ困るだろ、しつれいしまーす!」


 このとき、俺はアッシュたちから聞けば良かったんだってふと思い出したが、一気に脳からはじけ飛ぶ。


 研究部屋には、この国の王妃の肖像画ばかりがはられていた……。





「リーチェくん? おや、おやや? どうしました、こんなところに」

 後ろから声が掛かってびく!!!っとすると、逃さず扉がしまった。


 アレク先生がにっこり笑みを浮かべていたが、なんでかなー?? 目が笑ってないよね-??


 俺はぶるぶる震えて、イミテはがくがくと武者震いしながら俺を庇うように隠す。


「私の推し部屋にくるとは、君もシリウス国家推しですか? そうですよね、そうでなきゃキャロライン姫とはあんなに仲良くしませんよね、判ります、嗚呼キャロライン姫、尊い……王妃の娘というだけでも、尊いのにお若い頃そっくりで……」


 こっちの世界にきてから、推しって言葉久しぶりに聞いたよ!

 そういえば、攻略ルートだとこの人やたらこの国詳しくて、ちょっと頭良い設定だと勘違いしてた。とんでもない、詳しいのは推しだったからだ。


「君には感謝してるんですよ、リーチェくん。王妃様の珠の肌に触れたのは極刑にあたりますが、それでも貴方にしかあの病は治せなかった。君は私の恩人でもあります」


 しかも何かキャロラインとの出会いも知ってるしぃ!!

 なんか怖いこの人!!

 妹が、アレク先生の話の時に、鼻で笑う感覚だったのをすごい思い出すよ、お兄ちゃん!!

 そ、う、い、う、こと、か!!


「リーチェくんはやっぱり、キャロライン姫推しですか? 君なら私の趣味を判って貰えると思うんですよね。いや、他の低俗な連中ならともかく、王妃様を直に見て看病した貴方なら少しは趣味を共有してさしあげても構わないかな、って思うんですよ」

「お、俺は……」


 これは拒否する選択肢がない、すまねえすまねえ姫さんたち!!


「ヴァスティとキャロラインの応援派っすね!!」


 嘘は言ってない、これで駄目だったら諦めるしかねえええ!!!!

 イミテは正直に言ったオレの頭を馬鹿者と言いたげに、振り返って叩いた。


 アレク先生はぽかんとしていたものの、すぐにいつもの温和な笑みに戻った。


「納得しました、全ての貴方の行動に。お茶でも淹れましょうか、まぁ取って食ったりしませんから、少しお話ししませんか?」


 せ、正解ルートだったっぽい!


「もしも姫を弄んでいたら、どのような地獄を見せてやろうかと思ってました」




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