第三話 ヴァステルデと邂逅
ヒロインが連れて行ってくれたところは、お城だった。
どうやら、城でヒロインのお母さんの病気を治したら、帰っていいっぽいので頑張ろう。
病気を治すための診察をしつつ、病気にはミニゲームで立ち向かった現代を思い出す。
プレイしたときはミニゲームで薬を作るのか、と感心しつつ、ミニゲームはタイミングを合わせて、調合していくリズムゲーのようなものだった。
リズムゲーなら正直得意なもので、過去に俺のアイドルに培ったリズム感覚で、最高の薬が作れたんだよなぁ。
でも現実は頭の中にすらすらと、どの成分を混ぜればいいのか出てくるだけだから、味気なかった。
「これならきっと、お袋さんの病気も治るはずだ」
ヒロインに渡してから、撫でることも忘れない。頭を撫でるのは基礎中の基礎。
だが時と場合によっては、きもがられるので要注意。今の俺はイケメンだからこそ許される。
解放されて、よーっし帰るぞーと思ったところで、変な好奇心が過ぎる。
そういえば、このゲームシステムに、予言者機能ってあったよな。
ってことは、何処かに予言者いるのかな、俺は城の中をこそこそ探険し、やがて隠し扉に行き着き、広すぎる図書室みたいな場所に出くわす。
そこには、男が一人いて、瞬いている。
ああ、見たことがある、こいつだけは覚えている。ヴァステルデだ。
攻略対象のキャラの一人で、予言者というシステムを説明し案内するヒロインサポート系の隠し落としキャラ。
ヴァスティは、気味悪そうな表情で俺を見つめる。
「どうなってるんだ、これは。予言の書にはないことだ」
「いや、一度予言者システム気になっただけ。見たかっただけなので、後は帰るよ」
「おっと待った、俺のことはこの世界中にとって機密事項なんだ、そう簡単に帰るだなんて言わず、永久にお茶でもしていけよ。お茶でもしてその予言者システムをどうして知ってるかについて、語り合おうぜ?」
黒い笑みィ。
ア、もしかして情報知りすぎて軟禁ルートか?




