第二話 王子様らしくなれるかな?!
自慢じゃないが根はポジティブだ。
兎に角明るいオニイサマで、地元であほ扱いされるくらいには。
ヤンデレになれるかなという不安は五秒で消え、取りあえず、今はヒロイン待ちらしいと気付けば後は簡単だよなぁ。
ヒロインの顔は、多分、死ぬ前にやってたあのゲームだろ、セオリー的に考えて。
攻略されるのか、俺。
できれば、攻略する側にまわりたかったなぁ、ギャルゲーとして!!
ヒロインとの出会いはどんなんだろう、毒医者ってからにはヒロインが何か病を治す状態なのかな。
ヒロインの顔可愛かったから楽しみだな-。
「うわぁああああああ!」
親方! 空から! ヒロインが!
という暇も無く、俺を物理的に潰しにかかるヒロイン。
要するに、頭上から俺の上に落っこちてきたってわけだ。
「いったたた……」
これ、ゲームじゃなきゃ死んでたよな。
「な、何をする?! 無礼者!」
あ、すまんすまん、無意識にヒロインの胸に触れていた。
鷲掴みにしてから手を離すと、ばちんと頬をぶたれたので、慌てて事情を説明しようとする。
「空から落ちてきたお前が悪いンだろ、普通空から落ちてくるか!?」
「それは、ドラゴンに載っていて……ッ、あ、すまない、この辺にリーチェという医者はいないかな? お医者様にしか、お母様の病気は治せないんだ……!」
「はいはーい、俺がリーチェでーす!」
挙手した瞬間に、キャラプロフィールで見えていた箇所の文章が、変化する。
『兎に角明るい馬鹿王子。たいがいのことは自力解決を好む、どうしてこの人が王子……?』
うるせぇわぼけ。
ヒロインのプラチナブロンドの女の子は、きょとんとしていて戸惑っている様子だが、気にせず声をかける。
ああ、折角だから乙女ゲーらしいことしてみるか。
ヒロインの手の甲に、唇を寄せて、甘ったるい声をかけてみる。
「それでは、俺を病人の元に連れて行ってください、お嬢さん」
ヒロインは顔真っ赤だ、とりあえず、王子としては相応しい行動とれたのかな。