肉体言語で話そうか
主人公視点
ここの労働は、中二不登校の俺にはマジきつい。慣れた手つきで飯の配給を受け取ると、宿舎広間で今日も一人飯を食っている。豆のスープ(笑)なんだそりゃ。そりゃ奴隷はすぐ工業病で死ぬだろうよ。さすがリアルコミュ症の俺、文句も言わず(誰とも会話せず)奴隷生活1ヵ月だぞ凄過ぎだろ。
最初は、脱走を目指した時期が俺にもありました。
いまではこんなに逞しい奴隷です。(豆のスープで太るかよリアルを彷彿とさせるガッリガリだよ)
「おい。そんな生温かい目で俺をみるな」
なんだ(?)カ○ジも真っ青の地下労働生活は、おっさんはいちいち俺につっかかってくるし、女はこそこそと俺のことを見てやがる。今度は、がきんちょか――
「あの――。僕の黒パン、これ」
なんだ(?)犯罪臭のするショタが黒パンをおいてったぞ。しかも、あいつなんか紅くなってなかったか。(そんな趣味ねぇよ)
「ん?」
いや待て、あいつどっかで見たような気がするぞ。あの犯罪臭のするショタ。ちょい――覗いてみっか。
これもゲームの時の仕様のままで、キャラを注視するとそのキャラの装備や称号が解るといった仕組みだ。「君の為なら死ねる」では、鑑定というスキルは無い。それに見たとしても、ステータスには適当なことしか書いてないしな。
上級者ほど、詳しいことは装備できるアイテム適正と称号で判断していた。
▲▽▲
称号 :知識の織手
頭 :麻布のベレー帽子
…略
この称号、確かなんかのクエストの称号だった気がするぞ。
そして、勇者は全装備OKなの対して、NPCやガチャキャラは明らかに違う。麻布とはいえベレー帽子ってことは魔法職か前衛職の適正があるってことで
(ん?つまりわからんってことやろって?)
いやいやそうでもないんだがな、あれは騎士系では装備出来ない。前衛では限られたJOBになるからおそらく――魔法職だ。
「まて」
追いかけるようにくいっと掴んだ手のせいで、ショタがよろけて俺の胸に抱かれるように倒れこんできて不可抗力でむぎゅっと抱きしめる。
「君の全てが知りたい(ショタなに紅くなってやがる)」
(おいいいいいっ。なんか俺の台詞が発した言葉と違う内容になってんぞ)