表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
885/1520

ミニ人物紹介(801 ガルマニア帝国の興亡(43) ~ 850 ガルマニア帝国の興亡(92))

 改稿作業がサブタイトル850まで来ましたので、十七回目のミニ人物紹介を入れます。

 また、登場人物の所属はこのパートでのものになります。

 なお、ここまでのネタバレがありますので、ご注意ください。



中原ちゅうげん

 この物語の舞台となる世界。

 別名を『豊穣神エナンの箱庭』というように、肥沃ひよく穀倉こくそう地帯。

 西のはしはスカンポ河、北はベルギス大山脈、東はガルム大森林、南はアルアリ大湿原しつげんに囲まれている。

 大湿原の南側にあるスーサス山脈のさらに南に沿海えんかい諸国がある。

 スカンポ河の西側には辺境が広がっている。

 中原は、乾燥かんそうした西部と湿潤しつじゅんな東部、肥沃ひよくな北部とせ地の南部、という二つのじくによって、西北・西南・東北・東南の四つの地域にわけることができる。



【魔道について】

 中原には魔道という技術体系が存在する。

 人間が本来持っている理気力ロゴスを使うものとされている。

 また、マオール帝国には、独自に発達した東方魔道がある。


 波動:てのひらからロゴスを放出し、相手に衝撃を与える。


 発火:指先を口元に当て、息を吹きかけることで火を出す。


 隠形おんぎょう:周囲の色彩にけ込み、姿を消すわざ。上級者になると、かすかな気配すら感じさせない。


 浮身ふしん:文字どおり身体からだを浮かせる技であるが、垂直水平の移動だけでなく、所謂いわゆる飛行までを含む。


 跳躍リープ:瞬間移動。ただし、大きな距離を移動すると航跡こうせきが残るため、中継点を取って、ジグザクに進むことが多いため、時間がかかる場合がある。


 転送ポート:人や物を瞬間移動させる。


 結界けっかい:一定の区域内を進入禁止にしたり、中の話し声が外に聞こえないようにする。


 時渡ときわたり:時間移動。ただし、禁じられている。


 隔力サイコキネシス:空間的に離れた相手をつかんだり、物を持ち上げたりできる。


 鬼火おにび:指先に炎を出して周囲を照らす。上級者になると、指先から離して移動させることもできる。


 言霊縛ことだましばり:言葉の暗示により、相手の行動に制限を掛けるわざ。技を掛けた人間が解除しない限り、無効にすることはできない。


 潜時術せんじじゅつ:サンジェルマヌスが得意とする術で、時の狭間はざまもぐり、自由に活動できる。

 ただし、上下左右が閉鎖された場所でしか使えない。

 尚、ここでの出来事は、術を掛けている本人以外、記憶に残らない。


 識閾下しきいきか回廊かいろう:上記と同じくサンジェルマヌスが得意とする。別名『夢のかよ』。通常と異なる次元の通路となっており、精神だけが移動できる。


 仮死術かしじゅつ:大きな怪我けがなどで動けない時、生命活動を極端に低下させ、仮死状態で仲間の救出を待つ技。

 但し、あらかじめ復活を設定して置かないと、本当に死んでしまう。


 幻術げんじゅつ:暗示により、他人をあやつわざ。効果を高めるために、魔香まこうなどを使う場合もある。


 呪詛返じゅそがえし:幻術などが効かないアールヴ族は、それ以上の力で相手に同じ技を掛けることができる。


 幻影げんえいまわりの人間に自分の分身などを見せる技。高度な術者は、幻影に簡単な受け答えをしゃべらせたりもできる。


 消魔草しょうまそう:本来は若返りの妙薬みょうやくとされる薬草だが、魔道を使える者にせんじて飲ませると、数日間魔道の力をうばうことができる。


 虚空眼こくうがん:魔道屋スルージの得意技。空間のひずみを感知して、時間がったリープの航跡こうせきを追える。


 魔種ましゅ:東方魔道に特有の技。頭頂部にこの種を植え込まれると、術者じゅつしゃあやつり人形となり、最後は廃人となって死ぬ。



うしなわれた種族】

 太古、中原に高度な文明をきずいていた共通祖先(ノシス族?)に、天からの災厄さいやくおそい、生き残った人々は南の大海にあったダフィニア島に移住し、普通の人間より寿命が長く、特殊な能力を持つ十の種族となった。

 そのかん、徐々に中原にも人が住めるようになり、周辺地域から流入したが、原始的な生活のままであった。

 二千年前、一夜にしてダフィニア島が海中に没し、十種族の大部分は対岸の沿海諸国に渡り、中原にも広がった。

 一般的にはこれ以降の十種族のことを、失われた種族とう。

 なお、混血が進むほど普通の人間に近くなる。


 両性アンドロギノス族:寿命数百年。両性具有りょうせいぐゆうで、一人の身体からだに男女両方の人格を持つ。

 尚、女性形の方が魔道の力が強い。


 長命メトス族:寿命三千年。見た目は普通の人間と変わらないが、様々な能力を持つ。

 ただし、孤立をこのむため、人間との混血は少ない。


 妖精アールヴ族:寿命千年。サラサラの直毛、先のとがった耳などの特徴を持つ。

 人懐ひとなつこく、一番人間との混血が進んでいる。


 主知ノシス族:太古の時代、中原を支配していたという。

 自分たちが失われた種族すべての共通の先祖であると主張している。

 アルゴドラスに弾圧され、廃都はいとヤナンの地下に取り残されて赤目族になったという。⇒赤目族を参照。


 妖蛇ガンド族:寿命二千年。大蛇に変身する。


 霊癒サナト族:寿命は人間とあまり変わらない。別名、たみ癒しヒーリングができ、薬草等の知識もある。


 マギア族:ダフィニア島の海没かいぼつの際、絶滅したと思われていた。



魔道神バルルの三種の利器りき

 古代ノシス族が持っていたとされる超文明の道具のようなもの。


 機械魔神デウスエクスマキナ:巨人のような機械。

 口から火をき、目から熱光線を出す。


 干渉機オムニポテンテオルガノンのちの『アルゴドラスの聖剣』


 有翼獣神ケルビム:実際に見た者はいない。ゾイアのことであるらしい。



【出身国不明】


 ゾイア:本編の主人公。天空から飛来した光の球体が、タロスと合体したことにより、この世界に登場した。

 超絶的な剣のわざを持ち、獣人じゅうじん鳥人ちょうじんに変身する。

 通称、獣人将軍。

 変身能力も徐々じょじょに高度化しつつあるが、心理的なショックがきっかけとなり、最初の光の球体に戻ること(=初期化)がある。

 かつてサンジェルマヌスがタロスにほどこしていた識閾下の回廊も、最初の合体の際に転写コピーされていた。

 また、この回廊でウルス・ウルスラと繋がった際、相互の入れわりにより、魔道や癒しヒーリングを使えるようになった。

 現在はバロードの参謀総長さんぼうそうちょう



【古代バロード聖王国】

 二千年前にアルゴドラスによって建国され、中原を統一したが、千年前にほろんだことにより、戦乱の世をまねいた。


 アルゴドラス:聖王。両性アンドロギノス族。禁断の時渡ときわたりを行い、二千年の時を越えて現代によみがえった。

 現在は、ドーラ(妹)、または大元帥だいげんすいドーン(兄)を名乗っている。

 ドーラの姿の時には魔道を使うことができ、魔女ドーラとも呼ばれる。

 尚、孫のウルス・ウルスラと違って、男女間の性格の違いはほとんどない同型ホモで、表裏一体ひょうりいったいである。


 マルス:聖王。千五百年前、初めて聖剣でドゥルブを中和した。また、辺境伯を置き、北長城をつくらせた。


 ナルス:聖王。千三百年前、王都をヤナンからバロンに移した。通称、遷都王。


 ボルス:最後の聖王。最初で最後のバロン大公。最初のバローニャ公。



【バロード連合王国】

 古代バロード聖王国の子孫が建てた国。王都バロン。

 ガルマニア帝国支配下の自治領から独立し、共和国となったが、カルス王の復帰によって、王政復古おうせいふっこした。

 赤ん坊のレウスが形式上の聖王となったが、生母せいぼレナと共にガルマニア帝国に亡命し、一旦いったん空位くういとなった。

 現在は、ウルス王子・ウルスラ王女が政権を奪還だっかんし、新体制に移行しつつある。


 カルス:王。両性族。カルボンきょう謀叛むほんによって死んだと思われていたが、変身して北方ほっぽうのがれ、蛮族の帝王カーンとして戻って来た。

 バロードを奪い返し、王に復帰した。

 しかし、蛮族の長老レオンらの叛乱はんらんによって重傷をい、ウルスラたちに看取みとられながら死去。


 ウィナ:王妃おうひ。カルボン卿の謀叛で殺された。


 ウルス:王子。両性族。男性形(弟)。ウルスラと同じ肉体を共有。現在十二歳。

 カルボン卿の謀叛の際、タロスと共に国外へ逃亡し、放浪の王子となった。

 サンジェルマヌスの識閾下の回廊で、ゾイア、タロスと複雑に心と身体が入れ替わったが、クジュケたちの協力で元に戻り、ゲティスベルクで行われた父の葬儀そうぎでは、名演説を行った。

 姉ウルスラが白魔ドゥルブを中和する役目を果たすため、ゾイアの身体からだを借りて国内に残ったが、偶々たまたま入れ替わってしまい、結果的にウルスがその役目を果たす。

 また、王都おうとバロンで大蜥蜴おおとかげが暴れた際、冷気を吹く魔道によって冬眠させた。


 ウルスラ:王女。両性族。女性形(姉)。ウルスと同じ肉体を共有。魔道が使える。

 生後まもなくウルスラの存在を知った両親は、それをかくし、本人が物心ものごころついてからも、表面に出ないようにめいじていた。

 凡庸ぼんような弟に比べ、利発りはつで大人びているが、やや感情的なところがある。

 ほこり高く、母国を救いたいと、女王として即位することを望んでいる。

 父カルスの死去の際、偶々たまたまゾイアと身体が入れ替わっていたため、母ウィナの姿となって最期さいごを見届けた。

 大怪我をした老師ケロニウスを救うため、ゾイアの言葉をヒントに、癒しヒーリングの力を身にけた。


 クジュケ:元魔道師。共和国の外交担当参与さんよであったが、王政復古により国外へのがれ、ニノフの参謀さんぼう的な立場になった。

 その後、逃亡中のゲルヌ皇子と共にいたが、ウルス・ウルスラのもとに戻った。

 現在は、連合王国の統領コンスル

 アールヴ族サンサルスの曽孫そうそんに当たる。


 ツイム:マリシ将軍の部下であった。カリオテの出身。元海賊。マリシに命じられウルス・ウルスラに同行して旅に出た。

 ゾイアと共に、ヤナンで義勇軍をひきいて戦った。

 現在は将軍。

 

 ロック:元コソ泥。カリオテの出身。幼い頃、ツイムに生命いのちを救われた。

 ゾイア、ツイムと共に義勇軍を率いていたが、ピリカを助けようとメギラ族の族長ギルガと戦い、からくも勝利した。

 現在は軍団長。


 タロス:ウルスとウルスラの従者じゅうしゃ

 最初のゾイアとの合体で記憶をうしない、ティルスとして暮らしていたが、記憶が戻り、逆にティルスの記憶を失った。

 サイカ包囲戦でゾイアと再度合体し、またティルスとなった。

 その後、ティルスの親友ベゼルの死で、タロスに戻った。

 ゾイアがドーラに身体を乗っ取られた際には、ゾイアの心が逃げ込んで来て、ウルスラたちも含めて複雑に心と身体が入れわってしまったこともある。

 現在は将軍。


 シャンロウ:小太りの東方魔道師。他のマオール人と違い、被征服民族ひせいふくみんぞく南人なんじん

 ゲルヌ皇子おうじを誘拐する際、上司のタンリンに捨てられ、ゾイアたちの味方になる。


 トニトルス:元バロード軍の軍曹。


 ピリカ:トニトルスの孫娘。実は、ニノフの異父妹いふまい。母がサナト族であったため、癒しヒーリングの力を持つ。



暁の女神エオス

 元は野盗『暁の軍団』のとりでであった。

 その後ゾイアらによって陥落かんらくし、辺境からの難民受け入れの拠点となっている。


 ニノフ:カルス王の落とし子。両性族。男性形(兄)。バロード共和国機動軍の将軍であった。

 エオスを中心にした国造くにづくりを目指している。


 ニーナ:ニノフの女性形(妹)。癒しヒーリングの力がある。


 ボロー:機動軍副将。ニノフの親友。常にニノフと行動を共にしている。

 ワルテールの会戦で大怪我おおけがうが、ニーナの癒しの力で救われる。


 ペテオ:北方警備軍の元哨戒兵レンジャー

 将軍となったゾイアの副将ふくしょうを務めていたが、現在はニノフを手伝っている。


かくざと

 他種族とまじわることをけるため、霊癒サナト族が隠れ住む里。所在は不明。


 エマ:サナト族。隠れ里の責任者。ニノフやピリカの祖母。


 リリル:エマの娘。カルス王と恋に落ち、里から追放される。ニノフやピリカの母。

 不遇のまま死去。


 ゲルカッツェ:ゲールの次男。正妻の子。太っており、成人しているのに甘えん坊。

 チャドスらにあやつられてブロシウスを討伐とうばつし、ガルマニア帝国皇帝に即位。

 バロードから亡命して来たレナと愛し合うようになり、皇帝失脚しっきゃく後は共にバロードへ逃げた。

 その後、サナト族の隠れ里に移住。


 レナ:シトラ族の娘。母方にアールヴ族の血を引く。

 カルス王の愛人であった時、レウス王子を出産。

 カルスの死後ガルマニア帝国に亡命していたが、皇帝ゲルカッツェと共にバロードにのがれた。

 現在は、ゲルカッツェと共にサナト族の隠れ里にいる。


 レウス:生まれたばかりの赤ん坊ながら、外曾祖父がいそうそふのレオンによって、一度は聖王に祭り上げられた。

 母レナと共にガルマニア帝国からバロードへ移動。

 母とゲルカッツェと共に、サナト族の隠れ里に移住。


 レイチェル:レウスの女性形。超絶的な魔道の力を持っている。



【自由都市エイサ】

 魔道師のみやことして千年の間、中立を保っていたが、ガルマニア帝国に焼きちされた。

 なお、その市内の荘園しょうえんの一つが、かつてバロードの直轄領ちょっかつりょうであったバローニャ。

 ガルマニア帝国の新帝都しんていとゲルポリス、イサニアン帝国の首都エイサと変遷へんせんし、現在はガルマニア帝国の占領下にある。

 また、その地下には古代神殿があり、赤目族の新たな拠点となっている。


 ゲルヌ:ゲールの三男。ウルスと同じ年齢。

 おさないながら、軍略ぐんりゃくさいがあり、サイカ包囲戦を勝利にみちびく。

 チャドスの配下の東方魔道師にエイサに誘拐ゆうかいされたが、クジュケらに助け出される。

 そこで出会った赤目族に、クジュケと共にエイサの地下にある古代神殿に案内され、この世界の秘密の一端いったんを知る。

 額に第三の赤い目が現れ、赤目族から『魔道神バルルのみ使い』と尊称そんしょうされる。

 エイサで『神聖ガルマニア帝国』を宣言するが、次兄じけいゲルカッツェの報復に市民が巻き込まれることをおそれ、赤目族のもとで身をかくしていた。

 そこでの修行により、魔道が使えるようになった。

 また、母方にアールヴ族の血筋を引く。

 兄ゲーリッヒに幽閉ゆうへいされ、臣下になることを条件に解放された。

 その後、ギルマン戦に参加したためガルマニアに戻れなくなり、エイサに身をかくしている。


 ケロニウス:魔道師の都であった頃のエイサのおさ。ウルスラ王女の魔道の師。

 活発化しているンザビの動きを探るため、ウルスラと共に辺境に渡ったが、機械化したタンリンによって大怪我おおけがい、ゾイアとウルスラの協力で一命いちめいを取りめる。


 スルージ:正規の教育を受けていないが、魔道師同様に魔道を使える魔道屋。

 かねのためにはどんな仕事でも引き受けるが、業界での信用は高い。

 実は、老師ケロニウスの養子であったが、若い頃に家出してしまったという。



【赤目族】

 元々失われた種族のノシス族であったが、アルゴドラスにイサニアから拉致らちされ、ヤナンに連れて行かれた。歴史上、これを『ヤナン虜囚りょしゅう』という。

 弾圧をのがれるため地下に移り住み、ヤナンが廃都はいととなったのち、地下生活のためか赤い目となった。

 赤目族はずっとヤナンの地下に住んでいたが、ドーラに居場所を察知さっちされたと勘違かんちがいし、全員エイサの地下にある古代神殿に移住した。


 第一発言者:常に薄い板のようなものを持っている。


 ゲルニア:ゲルヌ皇子おうじ遠隔監視モニターするために作られた擬体アバター



【ガルマニア帝国】

 ガルム大森林の野人やじんとも言われるガルマニア人(ガルム族)が建てた国。帝都ていとゲオグスト。


 ゲール:皇帝。大剣グレートソード二本をあやつ双剣術そうけんじゅつの達人。

 新帝都ゲルポリス(=エイサ)滞在中にブロシウスの謀叛にい、奮戦ふんせんしたのち自死じし


 ゲーリッヒ:ゲールの長男。母が野人であるため、野人太子やじんたいしと呼ばれる。

 チャドスに生命いのちねらわれるのがわずらわしいと、みずから皇太子の地位をりた。

 しかし、方面将軍たちを味方に付け、帝位を奪還した。

 強引なやり方で帝国を統一しようとしたが、かえって方面将軍たちの離反りはんまねき、わず数箇月すうかげつで帝位を追われ、国外に逃亡を余儀よぎなくされる。


 ミラ:元海賊『ラカム水軍』の女首領おんなしゅりょう。現在はゲーリッヒの妻。


 ギラン:野人やじんガルム族の族長で、ゲーリッヒの実の祖父。ていしてゲーリッヒをいさめ、帝位を去るよう説得した。


 チャドス:元宰相。マオール人。かつての宰相ザギムを陰謀いんぼうによっておとしいれ、その座をうばった。

 ブロシウスの謀叛も、実は、裏でお膳立ぜんだてをした。

 皇太子ゲーリッヒの暗殺もくわだてたが、ゲーリッヒ自身がくらいりたため、目論見もくろみどおり次男のゲルカッツェを擁立ようりつ

 そのゲルカッツェが逃亡し、ゲーリッヒが即位したため、国外に脱出した。

 現在は、皇帝の従兄いとこコパ将軍を擁立ようりつしようと画策かくさくしていたが、ヌルチェンの『ゆうの玉』によって惨殺ざんさつされる。


 チャロア:東方魔道師。元は暗黒都市マオロンの警備団長。

 エイサも管轄かんかつしていたが、ゲルヌにエイサから追い出され、帝都ゲオグストで直接チャドスにつかえることになった。

 チャドスと共に国外へ脱出し、行動を共にしていた。

 そのチャドスの死を隠蔽いんぺいするために影武者かげむしゃとなったが、結果的にチャドスと間違われて殺されてしまう。


 ヌルチェン:親衛魔道師隊隊長タンファンの弟タンチェンと思われていたが、実は、マオール皇帝ヌルギスの第九皇子。十三歳ながら、皇帝となったゲーリッヒの補佐官となって暗躍あんやくしていた。

 しかし、ゲーリッヒの失脚しっきゃくと前後して、いずこかへ失踪しっそうした。


 ツァラト:通称つうしょう赤髭あかひげ将軍。生粋きっすいのガルマニア人。

 じょうあついが、義理堅ぎりがたい。

 当初は、暴君ゲーリッヒに従っていたが、ゲルヌらに説得されて離反し、ザネンコフのもとを寄せた。


 カール:皇帝直属の魔道師。死んだ兄のカノン同様、すぐに顔を忘れるほど目立たない。

 隠形を得意とし、魔女ドーラにも気づかれずに接近できる。


 コパ:皇帝ゲールのおい。ギルマン自治領を占有せんゆうしていたが、蛮族にうばわれた。ガルマニア帝国軍五万をひきいて奪還だっかんこころみたがたせず、彷徨さまよえる軍となっていた。

 皇帝を僭称せんしょうしていたが、部下に裏切られ、首をねられる。


 マインドルフ:元方面軍将軍。あぶらぎった顔の野心家。

 元々独立志向があったため、謀叛むほんを起こす前に皇帝ゲーリッヒの追討ついとうを受けたが、コパの軍勢をたてにして逃げ、アルゴドラスの力を借りてゴンザレスをたおし、その砦をうばって立てこももった。

 一時はツァラトひきいる十万を超える軍に包囲されたが、皇帝ゲーリッヒがツァラトを謹慎処分きんしんしょぶんにしたため、包囲軍は内部分裂し、ザネンコフの離反もあって、逆にマインドルフの配下となってしまう。

 現在は、新帝国アーズラムの初代皇帝を僭称せんしょうしている。


 ゴンザレス:元方面軍将軍。山賊上がりの大男。

 弟のかたきであるマインドルフを倒そうと挑戦したが、助太刀すけだちのアルゴドラスに馬ごと惨殺ざんさつされた。


 ヒューイ:元方面軍将軍。貴族出身。

 コパ軍に攻められたため皇帝ゲーリッヒに泣きついて援軍をもらったが、それはわなであり、行軍中にヌルチェンに殺された。


 ザネンコフ:元方面軍将軍。剣豪けんごう将軍との異名いみょうを持つ。

 私淑ししゅくするツァラトに頼まれ、マインドルフが立て籠もるゴンザレスの砦を包囲していたが、ゲーリッヒのやり方に嫌気いやけがさし、じんを払って自分の領地に戻った。

 その後、ゲーリッヒの依頼を受けたマオール軍二万に攻められたが、ゾイアのたすけと、ツァラトの参戦で撃破し、独立勢力となった。


 ポーマ:方面軍四将軍の一人。ギョロリとした目をしており、短気。

 ゲーリッヒの命令でマインドルフの包囲に加わっていたが、ザネンコフと対立し、同僚のジョレと共にマインドルフの配下となった。

 しかし、敗走するマオール軍二万と激突し、戦死。


 ジョレ:方面軍四将軍の一人。山羊カペルのような顎鬚あごひげをしており、気弱。

 同僚のポーマと共にマインドルフの配下となった。


 リンドル:方面軍四将軍の一人。短い頭髪に不釣ふつり合いな口髭くちひげやしている。筋肉自慢で、二の腕が見えるようにそでのない服を着ている。

 皇帝ゲーリッヒに従うフリをしていたが、帝都ゲオグストが手薄てうすになったところをねらって武力で占拠せんきょして帝国を簒奪さんだつし、元首プリンケプスとなった。


 ハリス:方面軍四将軍の一人。ガーコ族で、常に白い頭巾ずきんかぶっている。智将ちしょう

 元々旅商人たびあきんど時代のマインドルフの部下であったため、敵味方にかれた後も、情報を伝えたりしていた。

 領地が近いこともあり、自分を差別しないリンドルとは盟友めいゆう関係であったが、事前の相談なく帝都ゲオグストを奪取だっしゅされて以来、多少ギクシャクしている。

 かつて宿敵同士であったガイ族のバドリヌと恋仲こいなかとなり、生まれた子供がハンゼであるが、ゾイアの仲介ちゅうかいもあってようやく親子の名乗りを上げることができた。



【ギルマン自治領じちりょう

 かつては王国であったが、諸侯しょこうの一人であったザギムによって国ごとガルマニア帝国に差し出され、自治領となった。

 その後、ゲール帝の死による混乱の中、コパ将軍に占拠され、さらにセガ戦役中に蛮族軍に占領されてしまった。

 ガルマニア帝国軍との戦いのため、分裂していた蛮族が共に戦うこととなり、新たな国造りへ向かって動き始めた。


 アンリ:最後の王。


 アンヌ:アンリの遺児いじ



【ギルマン王国(三千年前)】

 ギルマン中央の竪穴たてあなひそむ怪物ヒュドラを退治しようとしたゾイアは、そこで『ケルビムの石碑せきひ』と呼ばれているモノリスを発見し、三千年前の世界へ送り込まれる。


 ジェルマ:見た目は五歳、実は百五十歳当時のサンジェルマヌス。

 ゾイアを救うため、思わず「時よ、まれ!」と発言し、はじめて潜時術が使えるようになった。

 三千年後にゾイアに会うまで、『ケルビム』という名前しか知らなかった。


 ルネ:当時のギルマン王。家宝として聖剣を保管していた。


 第一発言者:当時のノシス族の族長。


 惑星開発委員会:この時代より更に一万年前に墜落した宙船そらふねに乗っていた謎の知性体。

 ジェルマの潜時術にかなわず、逆に協力を申し出る。

 のちのバルル。


 モノリス:惑星開発委員会が救難信号を送るためにつくった送信装置だが、独自の知能を持っており、ギルマン中のロゴスを集めてゾイアを過去へ送り込んだ。



北方ほっぽう蛮族】

 辺境伯領の北の地域。ここに住んでいた蛮族たちは、カルス王と共に、中原へ渡り、バロードの支配階級となった。

 しかし、カルス王死後の内戦でバロードを去り、セガ戦役の最中さなか、ギルマン自治領を占領した。

 さらに、ガルマニア帝国軍との戦いによって一致団結するようになり、新しい国造りへ動き出した。


 クビラ族:武器は戦大鎌ウオーサイス。通称は北方の死神。現在2,400名。


 マゴラ族:全身を刺青いれずみおおっている。食人しょくじん族。ほぼ絶滅した。


 シトラ族:唯一中原と交易こうえきを行っている。実は、時渡ときわたりしたアルゴドラスの子孫。現在2,100名。


 メギラ族:武器は半月刀はんげつとう。通称は北方の処刑人。顔がマオール人にている。現在900名。


 キナラ族:現在1,700名。


 サテラ族:現在800名。


 ビガラ族:現在600名


 イダラ族:現在1,900名


 バサラ族:現在900名。


 パイラ族:武器は三叉みつまたもり。現在2,200名。


 アテラ族:蛮族で唯一の農耕民。現在2,100名。


 アニラ族:現在2,200名


 ローラ:レロンの娘でシトラ族の若き族長。先祖返りした両性アンドロギノス族。十二歳。


 ローランド:ローラの男性形。弟。性格は冷酷。


 ゴーク:メギラ族の若い指導者。中原の言葉が得意だが、仲間にバレないようにしている。


 ガタロ:クビラ族の指導者。元はカルス王の秘書官で、流暢りゅうちょうに中原の言葉を話す。


 シンザ:イダラ族の族長の息子。発明の才能がある。



辺境伯領へんきょうはくりょう

 古代バロード聖王国に北方警備を命ぜられて、この地を領有するようになった。中心はクルム城。

 愈々いよいよ北方の異変が迫って来ており、全住民が中原へ渡った。


 アーロン:辺境伯。温厚おんこうで人がい。現在はニノフのもとに身を寄せている。


 シメン:アーロンの傅役もりやく


 マリシ:北長城をまもる北方警備軍の将軍。ンザビに腕をまれたため、みずかり落とした。


 マーサ姫:マリシの娘。甲冑かっちゅうを身にまとい、皆から姫御前ひめごぜと呼ばれている。



荒野あれのの兄弟】

 野盗やとうであったが、現在は、辺境伯アーロンやニノフらと同盟関係にある。


 ルキッフ:首領。常に片目に黒い眼帯をしているが、その目だけ色が違う。

 実は、ツイムの長兄ちょうけいルイームであるが、自分のせいで母が不義ふぎうたがわれたため、国を出たという。



沿海えんかい諸国】

 南の大海に面した小国の集まり。カリオテが最大、ダフィネが最古の国。


 ファイム:カリオテ海軍の提督ていとく。ツイムの次兄じけい


 スーラ大公:カリオテの元首げんしゅ


 リゲス:ロックの従兄いとこほほに大きな刀創かたなきずがある。

 かつて頬の刀創をつけた因縁いんねんの相手として、ツイムの生命いのちねらっている。



【ダフィニア島】

 二千百年前、一夜にして海中にぼっした。


 サンジェルマヌス伯爵:長命メトス族。年齢は三千さい。大魔道師とも呼ばれる。

 時間の狭間はざまもぐる『潜時術せんじじゅつ』を使う。

 アルゴドラス聖王とは親友、同体の妹アルゴドーラは初恋の相手であったが、聖剣をめぐる攻防で決裂けつれつし、ウルスラに命じて『アルゴドーラの魔剣』を消滅させた。

『アルゴドラスの聖剣』をあずかったまま、行方ゆくえくらませていたが、白魔ドゥルブの活動を一時停止するために、ウルスラの前に現れた。

 ウルスラに後事こうじたくし、死去。



【自由都市サイカ】

 別名、商人あきんどみやこ。商人がつくり、みずか統治とうちしている都市国家。

 中原南西部の自由都市を糾合きゅうごうし、『自由都市同盟』の盟主となった。


 ライナ:サイカの実質的な支配者。女性。


 ギータ:情報屋。小人ボップ族。剣も上手うまい。

 ゲルヌの誘拐事件で、敵であったシャンロウを味方に引き入れた。


 ロレンゾ:辺境砂漠の遊牧民ベド族の族長。

 ギータの誘いを受け、中原に渡河して来た。



【自由都市リベラ】

 サイカ包囲戦でガネス将軍の副将をつとめたロムは、実は、カルス王の圧政と蛮族支配に抵抗する秘密組織『自由の風』の指導者であり、サイカ包囲戦の後、一万の兵をバロードから離脱させ、放棄ほうきされた自由都市を復活させ、リベラと名付けた。

 現在は『自由都市同盟』の一翼いちよくになっている。


 ロム:市政長官。


 フォルス:サイカ包囲戦では千人長であったが、終戦後の会議ではバロード側の代表となった。

 現在はロムの副官となっている。



【ガイ族】

 暗殺部族。諜報ちょうほう活動を得意とする。

 黒尽くろずくめの衣装をまとい、顔も黒い布でおおっている。


 バドリヌ:女族長おんなぞくちょう。幽閉していたカルス王に徐々に心惹こころひかれていたが、蛮族の叛乱の際、大怪我おおけがをしたカルスをヤナンの地下神殿跡地あとちかくまった。

 しかし、生命いのちを救うことができず、号泣ごうきゅうする。

 魔女ドーラと蛮族のレオンをそのかたきと思い込み、復讐するため生命懸いのちがけの呪術を仕掛け、死亡。


 ハンゼ:バドリヌの息子。ピリカの患者として、ヤナンにかよっていた。

 ゾイアとのあいだに友情が芽生めばえている。

 父はガーコ族のハリス。



【プシュケー教団】

 武装宗教団。中心は聖地シンガリア。


 サンサルス:教主きょうしゅ妖精アールヴ族。年齢は千歳。

 クジュケの曾祖父そうそふに当たる。

 ウルスラ王女をあきらめ、現在はゲルヌ皇子を教団の後継者にしたいと考えている。


 ヨルム:妖蛇ガンド族。サンサルスの弟子。

 いつも詰襟つめえりの制服をている青年。

 怒ると大蛇に変身する。


 ファーン:本来は親衛魔道師隊隊長のタンファンであるが、ドーラのせいで記憶をくし、さらにサンサルスに暗示を掛けられて、弟子のファーンと信じ込んでいる。



【マオール帝国】

 別名暗黒帝国。ガルム大森林のさらに東側にある。


 ヌルハン:南北朝を統一し、初代皇帝となった。


 ヌルガン:二代皇帝。


 ヌルギス:三代皇帝。母はマギア族。魔眼イビルアイを持つという。



【魔物など】


 腐死者ンザビ:北方や辺境で死んだ者の屍体したいを焼却しないと、ンザビ化して動き出す。

 ンザビにまれた人間もンザビとなる。

 辺境では夜間だけ動くが、北方では日中でも動ける。

 現在、蛮族が去った北方を占拠せんきょし、徐々じょじょに辺境にせまりつつある。


 ガンク:ザリガニのような動物。スカンポ河の底にひそみ、人や他の動物、さらにはンザビをもおそう。

 実は、このガンクのおかげで、ンザビは中原に渡って来れない。


 ノスフェル:コウモリのような動物。吸血性だが、れたものは伝書鳩でんしょばとのような役割をする。


 龍馬りゅうば:全身をうろこおおわれた馬のような生き物。一日で千タイルを走る。


 白魔ドゥルブ:永遠にこおり付いている北の大海に突き刺さる巨大な円盤にる謎の存在。

 幾重いくえにもズレた白い影のように見える。

 赤目族は非位相者ストレンジャーと呼んでいる。


 機械兵ゴーレム:ドゥルブによって、東方魔道師タンリンをモデルにつくられた機械兵士。

 口から銃口じゅうこうを出し、ひじひざの関節からロケット砲をつ。


 ヒュドラ:ギルマンの中央にある巨大な竪穴たてあなの底にむ。

 自由自在に伸びる多数の触手を持ち、その中心部に家が一軒いっけん丸ごと入りそうな大きさの円形の口がある。

 口の三方からギザギザの白い板のような巨大な歯が一本ずつ出て来て少し交差するように開閉かいへいする。

 実は、元々隕石孔クレーターであるギルマンを『惑星開発委員会』(=魔道神バルル)がパラボラアンテナとして利用する際、隕石に含まれていた種子しゅしから育てた伝導蔦でんどうづたを、常温超伝導じょうおんちょうでんどうができるため回路の一部に使っていたが、数千年に一度、それが突然変異を起こし、怪物化したもの。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ