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風が吹いている
風が吹いている
ただ それだけの話
空には雲ひとつない
ただ あの日の 夢のように
孤独は 引き裂くように 消えた
そこに とどまるのを 拒むように
今 再び この天井に
あの夢が 宿った
ただ 出会い
ただ 別れて
僕は 人生の中に 取り残された
この道 この店
みな 記憶の中にあった
すべてが 昨日 来た道
ただ 僕は その道を進んだ
この道の 真ん中に
蟻が 一匹 死んでいた
働き者の蟻
何を考え
何を思って
生きていたのか
こいつの気持ちは
誰にも わからない
そんな この道に佇む
僕ひとり




