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ボールが弾けるように 君を忘れて
ボールが弾けるように 君を忘れて
あの日の思い出も 夢に溶けて
まどろみの中に 本当があって
掛け走った 昨日に向かって
そして 天井に蘇るのは
夕焼けの空の色
遠い昔の 出来事のように
そして それは 昨日のように
あるいは まだ見ぬ夢のように
忘れて 忘れて 忘れて 忘れてしまった
思い出すことも忘れてしまった 昨日の夢の中
ボールが弾けるように 君を忘れて
霞んだ 夜明けは ついに来なくて
そんなに 目覚めが悪いなら
ひとつ 夢の中を 彷徨い歩いて
窓辺に浮かぶ 紅い睡蓮のように
脳裏に残る 燈籠の色
遠い昔の 記憶のような
そして それは 明日のような
何も見えないのに 見えているような
忘れて 忘れて 忘れて 忘れてしまった
何もかも忘れてしまった 昨日の夢の外