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消えかかる灯し火
消えかかる灯し火
わたしは何も言わない
ただ 風が吹きすさぶなら
消えかかろうとする 灯し火の
その心の中の 見果てぬ夢は
今日も 誰かに知られることもなく
ただ消えかかる 目に見えない灯り
消えかかる灯し火
世の人は それを知らない
いつか 木霊した音色も 水に溶けて
消えかかろうとする 灯し火の
その聞こえぬ 静かな音色は
今日も 誰かの心を癒すこともなく
聞こえぬ音色となって 水に消えた
消えかかる灯し火
思い出すことさえ つらいなら
いつか夢みた あの日のことも
消えかかる灯し火のように
ありもしない 夢や幻のようで
今日も 太陽の輝きの中で 静かに
今も わたしのこころの中に ひとり美しく
消えかかる灯し火
わたしは何も知らない
移ろいの中の 忘れ去られた帽子
コップは割れたけど 水は飛ばなかった
消えかかろうとする 灯し火に照らされて
すべては 昨日みた夢ばかり
今も わたしの心を 照らすのは
夢の中の 消えかかる灯し火