気持ち悪い一日
━━「・・・さい。」
んっお母さん・・・?
「なゆき!起きなさい!遅刻だよ!しらないからね」
ガチャン
んー・・・
「・・・うわ!!!遅刻じゃん!ってえ?10時って!!」
壊滅的だよ本当。時計を見たら10時と書いてあった。
そして、私の学校は8時35分から1時間目が始まる 完全に遅刻した・・・。
でも、お母さん責めることはできない。だって絶対私が起きなかったから。
「最悪・・・。もう今とか行く気なくすよ~。」
あれ・・・?でもこの状況、どっかで・・・
「ん~・・・?」
そんなことを考えているとお母さんが怒りながら部屋に来た。
「なゆき!いい加減にしなさい!もうお母さん行くからね?学校いきなさいよ」
「はーい。行きますよ~」
学校はめんどくさいけど、なおもいるしな~。お母さんにも怒られるし。
あれ?さっき
「何考えてたっけ。まっいいや、いってきまーす」
この時の私は、遅刻した。そのことしか頭になくて考えていたことを忘れていた。
けど、この後から私の人生を180度変える出来事が待っているとは、この時の私にわかるはずもない。
━キーンコーンカーンコーン━
ガララ
「失礼します。遅刻しました~」
どうどうと机にひじをついてにらんできた教師に私は報告しに行った。
するとクラスが笑いに包まれた。
「あはは、なゆーまた寝坊?何回目だよww」
「なゆちゃんおはよー」「おはよー」
次々と発せられた声に私の耳は少しキーンとした。
「おはよー。今日は起きれなかったよ・・・」
昨日はちゃんとおきれたのに。という表情で言った私にみんなは口をそろえて
「いや、いつもだから!」
と突っ込んでくれた。
3時間目の途中から来た私は職員室に入室許可書をもらいにきたのだが、
「ですからね?君はいつもいつも・・・」
この口うるさい教師は学年主任の 芹沢先生。
この先生はこうやって遅刻したりするとうるさい先生だが、普段は普通に優しい先生だ。
遅刻した時もぜひ優しい先生のままでいてほしい。
そんなことを考えながら先生の話を右から左に聞き流していると
━キーンコーンカーンコーン━
「とまあ、ちょうどよくチャイムもなったから戻ってよいぞ、ただこれからは気をつけなさい。」
ナイスチャイム!と心の中でガッツポーズを決めた私は笑顔で
「はい、次から気を付けます。」
と先生に告げ教室に戻った。
次の授業は体育みたいで、クラスはガヤガヤとにぎわいながらみんな着替えていた。
「長かったじゃん。せりちんのお説教」「おかえり~」
私が席に戻ったとき同じクラスの 佐久間 朱莉となおが話しかけてきた。
「まじで、せりちゃんひたすら話しててこの人息大丈夫かなってこっちが心配しちゃったよ。」
「あはは、それけっさく!まじでなゆは遅刻しすぎ」
「なゆちゃん今日はお母さん早かったの?」
あれ。これどっかで・・・。
私が急に黙って下を向いているとなおが
「なゆちゃーん?どうしたの?」
「ん?あ、お母さん起こしてくれてたみたいだけど私が起きれなかったんだ~。」
「そうだったんだね~」
「あ、次体育だから早く着替えなよ、なゆ。」
「あ、うん。」
本当にたわいもない会話だけどこれどっかで見た気がする。
気のせいかな・・・?いや、でも朝も確か同じようなことあったような・・・。
「なゆちゃん!!」
「え?あ・・・。ごめん今着替える。」
「大丈夫~、なゆまだ寝ぼけてる?」
「なわけ、先行ってて。」
「おけー」「はーい」
今のは、初めてみたな~。やっぱ気のせいだったのかな。
私はどこか忘れたけど絶対どこかで体感したような気がする状況に少し動揺してしまった。
それは、前遅刻した時とたまたま同じ会話をしたのか、それとも夢でまったく同じものを見たのか
それすらもあやふやだったけど、私は考えた。
「もし、夢だとしてもこんな正確に現実になるのかな、しかも少し覚えてるし・・・」
私はどこかで見たことあるようなそんな状況が目の前で起きたので少しおびえていた。
いや、でも奇跡だよね。
「そんなことはいいから、体育いこっと」
私はいつものように楽観的な考えでこのことをたまたま起きた奇跡。
そう信じて軽く流した。
この後は順調に授業も終わって放課後になり、みんなと別れて家に帰った。
「はー、今日はまた不思議な一日でしたな~」
そんなことを呟きながらゆっくりとお風呂であったまっていた。
ここでどうでもいいことだけど、
私はお風呂が大好きで、お風呂に1時間も費やしてしまうほど長居してしまう。
特に冬のお風呂は格別大好きで、この寒いと思ってるときお風呂に入ってじーんとする感じがたまらない。
本当にどうでもいい話だけどね。
私はベッドでごろごろして気づいたら寝ている。そんな感じでいつも眠っている。
そしてたまに疲れて眠ると夢を見る。
━「なゆちゃん今日も遅刻じゃん!」
「さすがだな~なゆは。もういっそのこと学校に布団持ってきて寝泊りすれば?」
「それいいアイディアだよあかりちゃん!」
そんな怒らないでよなお~、あかりも余計な案ださないで~。学校で寝泊りとか絶対ヤダ。
「冗談だよ~なお」
「わかってるよ!ここまで言わないとまた遅刻しそうだもんなゆちゃんは!」
もうしないって!よしつぎこそは寝坊しな・・・・・。
「・・・ゆき!なゆき!いい加減起きなさい!また遅刻よあんた」
え・・・?薄目でお母さんを見るとかんかんに怒っていて時計を見ると10時・・・。
「え!!?また~寝坊?しかもまた10時!奇跡じゃん。」
そんなどうでもいいことを発したせいでお母さんはかんかんに怒り
「そんなどうでもいいこと言ってないでさっさと学校行きなさい!ばか!」
この後、家を出るまでずっとお母さんは怒っていて、今日はお弁当なし・・・。
そして急いで学校行くと次はせりちゃんのお説教が始まった・・・。
あ~あ、またか・・・。
「きいてるのか!すすき」
「はい。」
「まったくお前は・・・。」
今日も昨日と同じ感じで始まったな~。
逆に何が昨日と違うのかというと、今日は3時間目が体育のため、今日は
教室によらずに直接職員室でお説教を聞いてます。
今は春だから対して必要な授業もやっていない。体育なんてどうせ集団行動の練習かなんかだ。
そんなもの別にやらなくてもいいけど。
そんなことを考えていると、昨日よりも早くせりちゃんのお説教が終わった。
「はー、これ以上遅刻するなよすすき。」
「はーい」
「よし、戻っていいぞ」
「ありがとうございました。」
思ったよりもせりちゃんのお説教が早く終わったので私は教室でみんなが戻ってくるのを待つことにした。
といっても、残り5分程度だけど。
「なゆ~起きて~」「なゆちゃーん」
「ん~?」
その少ない時間で気づいたら私は眠っていたらしく教室に戻ってきたなおとあかりが起こしてきた。
「あ、おはほお~」
「はいおはよう。」
そんなやりとりをあかりとしているとなおが怒り口調で
「なゆちゃん今日も遅刻じゃん!」
と言ってきた。それに続いてあかりも
「いや~いつも思うけどさすがだよねなゆは。もういっそのこと学校に布団持ってきて寝泊りすれば?」
「それいいアイディアだよあかりちゃん!」
「そんな怒らないでよなお~、あかりも余計な案ださないで~。学校で寝泊りとか絶対ヤダ。」
「あはは、冗談だよ!ね、なお~」
「そうそう!ここまで言わないとまた遅刻しそうだもん、なゆちゃんは!」
二人がそんなやり取りをしている中、私は固まってしまった。
そう、今日?みた夢の中で起きたこととまったくではないが同じことが起きたからだ。
最近よく似たようなことがあって、気のせいとか奇跡とか言って信じてこなかったけど、
今日のは同じすぎて、少し疑ってしまった。
いつもは別に気にしないけど今日のは、夢と同じすぎて気持ち悪い。
そんなことを一人黙って考えているとあかりが心配した顔で
「どうした?なゆ」
と聞いてきた。
「最近さ、おかしいんだよね。私」
「は?」
「いやそれいつもだよなゆちゃん」
あかりは急に何言ってんだこいつ?みたいな顔で声を出した。
なおはいつものおふざけみたいに返してきた。
だけど
「いや、ふざけてないんだよね。本当におかしいんだ。」
私は普段真剣に物事を話すことがない。
だからなのか、やけに神妙な面持ちで話す私になおもあかりも
「どうした?おかしいって」
「具合でも悪いの?だから最近遅刻なの?」
と心配してくれた。
「いや、違うんだ。あのね?最近夢を見るんだ。」
「夢?」
なおはかなり心配した様子で聞き返す。
あかりは黙って私の話を聞いてくれてる。
「そう、夢。その夢と全く同じことが、最近起きてるんだよね。現実で」
私たちが真剣に話していると横から
「それって正夢ってやつじゃねーの?」
ってクラスの男子が言ってきた。
「確かに、私もそうやって考えたけど・・・でも」
「でも?」
「でも、やけにリアルっていうか、こんなに合うものなのかなって。」
そう、正夢ってことも考えた。何度も。
でも、正夢って考えても正夢以上のことが起きすぎた。
だから私は今気持ち悪いくらいに真剣にばかみたいな話をみんなに話しているのだ。
「どんな夢なの?それって」
あかりはいつもとはガラッと雰囲気を変えて聞いてきた。
「今日は私が遅刻して、なおやあかりに怒られる夢だったんだ。」
とりあえず、今日の起きた夢のことを話すと
「あ、だからさっき固まってたの?」
となおも状況が分かったようで話し始める。
私も初めはこんな軽いことで少し気持ち悪いなとしか思わなかったし、二人にいうことでもないなって思っていた。引かれるかもしれないから。
でも、あかりもなおも真剣に話を聞いてくれて、少しうれしく感じていた。
自分ではこの程度としか思っていなかったが、このときもっとちゃんと
二人に相談しておけばよかったと後悔することになる。