脱落者発生イベント
いつもどおり学校へ向かう。
今日の夢見の悪さから言って、やっぱりどうもだるい。
しかし、それでも隙を見せるわけには行かない。
ボヤっとしてるといつかのあの子のように…。いや、あんな惨めな奴にだけはなりたくない。自分のプライドを保つためにああはなりたくないものだ。
「おはよっ、しゅーこ!」
「わぁ!いきなり何?あ、瑠奈か~。びっくりさせないでよ~。」
いきなり現れたのは谷川瑠奈。瑠奈とは小学生のときからの幼馴染。まぁ、一応仲がいいと言えばいいのだけど…、なんか根がまじめすぎるので物足りない奴。
「な~に~今日は暗い顔して~。」
「も~朝っぱらから勘弁してよ~。今日は夢見が悪くてさ~ぜんぜん寝た気がしないんだわ~。」
「そりゃかわいそうに~。私は今日ケーキ食べ放題の夢見たわ~。」
「お前、少しは空気読んで気の聞いたこと言えよ~。」
「それでも夢だからさ~、ぜーんぜんたべた気がしなくってさ~?」
「それもまた、いやだわ~。」
「でしょー?良くも悪くも夢は夢なんだから、元気だそうよ~。」
「ま、そうだな…。」
とまぁ、私も学校では普通の会話をする普通の女子中学生。いつもこんなノリではいる。
しかし、今日はまた久しぶりに何かありそうな気がした。それは…。
学校の校門付近に来ると今日はなにやら騒がしかった。大勢の生徒達がなにやらざわざわ言っている中、なんとパトカーや救急車までもが来ていた。
「ま~たですか~?おたくの学校はいったいどれだけ騒ぎを起こせば気がすむのですか!?」
警察もすでにあきれ果てている様子だ。
それもそのはず、私が通う衣ヶ原南中学校では去年から6回も警察にご厄介になっているぐらいだから、言われて当然だと思う。でも、たかだかそれくらいのことで警察がいちいち来るなんて、ものすごくオーバーなんだよな。ほんとあほくさ~。で?今度はいったい何?どうせまた今回も標的がトチ狂っておかしなことをしただけのことでしょ?もしくはどこかの頭のおかしいモンペが滅茶苦茶なことをしでかしたか…。
「おい!たいへんだぞ!!」
「いったい何があったというんだよっ!?」
「2年C組の担任が自殺したってよ!!」
「えっ!?まじかよっ!!?」
それを聞いたとたん、自殺って?冗談でしょ?とさすがに思った。
2年C組の担任って?大野雪花…うちらの担任じゃん!!!?の世界だった。