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上書きセーブ〜31日目〜

やっぱり響は死んでしまった。

今度は楓をかばったわけではなかったが、また事故死だった。

楓は泣いた、泣いて泣いて泣いて泣いた。

けど、慣れない能力で時を戻すことはなかった。

永久も悲しかったが、夏休みの課題が終わっていないので落ち込んでばかりいるわけにもいかなかった。

そしてコーヒーを飲んで気合いを入れるためコーヒーを買いにコンビニに向かう途中だった。

『お前が...夏目 永久か?』

永久は知らない女に声をかけられた。

年齢は永久と同じくらいだろうか、髪は長く、メガネをかけ、黒いワンピースを着ていた。

その女は永久にとってタイプだった。

それどころかどストライクだった。

『(ああでも俺には流子がいるしなでも流子とはこの世界じゃ何も関わりないしああクソどうしよう)』

『おーい、聞いているのか?』

心の中で葛藤する永久とその目の前で手を振る女。

『お、やっと我に返ったか、お前が夏目 永久だろ?そうだろ〜?』

女は変な口調ながらも甘ったるい猫のような声だった。

『あ、ああ、そうだ、俺が永久だ』

『やはり夏目だったか!会いたかったぞ〜』

女は手をあわせながら喜ぶ。

ぶっちゃけ、ちょっと変わった人だ。

『私は知野(ちの) (きさき) 、よろしく頼むぞ』

『は、はあ』

永久は差し出された手を拒むわけにもいかず、握手をする。

『まあでも立ち話もあれだな、喫茶店にでも行こうか』

『は、はあ...』


『ふーん、お前がなぁ...』

妃は永久の顔をジロジロ見る。

『な、何なんだアンタは...』

すると妃は物凄く甘ったるいコーヒーを口に含んでから、真剣な目つきになる。

『今回の梅尾 楓の事件について、不可解な点をな』

永久はサンドイッチに伸ばしていた手を止める。

『何でそれを?』

『まあ良いではないか、それより不可解な点についてだ』

『不可解な点?』

永久が聞き返すと妃は自慢気になり、人差し指を立てる。

『まず1つめ、天音 響の死について、奴が死ぬのはこれで3度目で間違いないな?』

『最初のあれも夢じゃなかったのか...』

『まあこれはお前も気づいていると思うが、不自然すぎるだろう?何度やりなおしても死ぬなんてな』

永久の目が険しくなる。

『事故死、殺人、事故死...、もし全部犯人が同じだったら?』

永久の顔から嫌な汗が出る。

犯人(そいつ)の名前は...』

『そいつじゃないさ、そいつはただの捨て駒だ』

永久がさらに何か言おうとするが、妃は聞く耳を持たず中指も立てた。

『2つめ、私はある能力で改竄される前の記憶があるが、君は何であるんだ?』

『なっ!?』

永久は気づいていなかった、周りの人は皆夢という形ですら覚えていなかったことに。

『君は自覚を持った方が良いな、それと響のことには深入りするな、そっちは私の仕事だ、ではまた会おう、夏目』

妃は永久に千円札と封筒を手渡すと、足早に立ち去って行った。

永久は【ラブレター♡】と書かれた封筒から手紙を取り出す。

『なになに...、今回の件でお疲れで忘れていたかもしれないが、今日は君の誕生日だ、誰にも祝ってもらえず可哀想だからプレゼントを同封しておいた、2枚あるから親しい者と行くがいい、あっ親しい人なんかいないか(笑)』

永久はラブレター♡をクシャクシャにして、同封されていたチケットを見る。

『JOKERのマジックショー前売り券...』

『永久?何してんの?』

『ひゃっ!?』

いきなりかけられた声に永久は跳ね上がる。

『りゅ、流子...』

『永久もこの店来るんだ、私もよく来るよ、あ、今帰り?一緒に帰らない?』

永久は立ち上がる。

まだ終わったわけじゃない、むしろ始まったばかりだ。

『(響、悪いな、俺達がそっちに行くのはまだまだ先になりそうだ)』

『行こう、永久!』

『...、ああ!』


夏休み、終了。


夏休み編終わりました...

実は夏休み編の話はもう少し長かったのですが、永久、楓、響、流子を主軸にしたかったのでカットした話があります、いつかカットした話を集めてショートストーリー集を出すのでそこにその話もw

ではこれからも頑張るので応援してくれると嬉しいです

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