上書きセーブ〜1日目〜
「夏休み〜1日目〜」と見比べてみると面白いかもしれません
『がはっ!......はぁ、はぁ、はぁ...』
永久は目を覚ます。
『夢、また夢?』
永久は辺りを見回す。
『8月、1日...』
すると永久は祭りの時に永久、流子、楓、響の4人で撮った写真がないことに気づき、それから流子のことを思い出した。
『流...子......!』
永久は時計を見る、10時30分だ。
永久は制服ではなく動きやすい服...、ジャージに得意の超高速着替えで着替える。
永久は歯を磨くことも、惣菜パンを鞄に入れることもない。
最後に適当に顔を洗うと、家を飛び出した。
通学路を走りながら携帯を忘れたことに気づくが、気にしない。
そして少し走ると、学校が見えてきた。
そこには見慣れた人物が...
いなかった。
『流子...』
息を切らして慌てて出てきた永久は立ち尽くしていた。
流子は、もう帰ったのか、はたまたここに来たのは夢の中だけの話だったのか、そこにはいなかった。
永久はへなへなと座り込み、頭をかかえる。
『俺は課題をやったのも覚えてるし、流子達と夏祭りや花火大会にも行った、1日1日をしっかり覚えてる、今日が8月1日なら、あれは全部嘘ってことかよ...?』
永久は力なく起き上がり、辺りを見渡す。
やはり、あの時歩いていた楓や響の姿もなかった。
永久は握る相手のいない手に力を込め、握りしめる。
そして力なく、手を開いた。
『帰るか』
永久の無気力さは流子と付き合い始める夢を見る前より悪化していた。
夏休み1日目、終了。