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ただの遺品整理のはずなのに。




私は人の汚れを拭き取ることに快感を覚える。

気持ちが悪いか?

そんなの私には関係ない。


「正円寺茉莉花の遺品整理、ですか。」


ある日私は、かつてどハマりした画家の正円寺茉莉花の遺品整理の依頼を受けた。


正円寺茉莉花は生前、独創的な美しくも醜い人間のイラストとともに情景に合わせたストーリーを描く画家で、世界でも評価された。


そんな彼女の遺品整理を断る理由が見つからなかった。 彼女の生活感や、葛藤。

彼女の汚かった部分を拭き取ることに心臓から何まで全身をドギマギしながら当日を迎えた。


「ここが…。」


普通の一軒家だった。

「あ、ここは違う人の家でした。」

…なんて言われても信じてしまうほどだ。

彼女は画家として売れたのでもっと大きな家だって買えただろうに。

けど、すぐに分かった。

彼女にとってこの家はただの作業場所でしかないのだろう。 それを示すのが、この部屋の簡潔さ。


一階はリビングにダイニング。

お風呂場やトイレ、もう一つ倉庫的なところがある。

全てほぼほぼ新品な状態。

二階は彼女の作業部屋に寝室。

トイレともう一つ余った部屋があった。

作業部屋は色々な画材が置いてあって、私は画家の家に入ったのはこの家が初めてだったが分かる、彼女の熱。彼女の生きた証。彼女の高揚。

そのほかの新品状態がもっと現実味出している。


彼女にとって、『芸術』は全てなのだろう。




彼女の全てを知りたい。




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