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第10話 最終決戦前夜

樹海の最深部、月明かりの差すわずかな空間で、三人は小さな焚き火のそばに座った。霧が薄れ、森のざわめきだけが静かに聞こえる。


「……ついに、ここまで来たんだな」

凛が拳を握り直し、目を閉じる。戦いの日々、恐怖、孤独、仲間との絆――すべてが胸を満たしていた。


花梨は小さく息をつき、凛の横に座る。

「凛……零……ありがとう。二人がいたから、私、ここまで来られた」

声に震えが混ざり、涙が頬を伝う。凛はそっと彼女の手を握り返す。


零も静かに微笑む。

「俺もだ。恐怖や不安はあったけど、二人と共に戦えたから……ここまで来られた」


焚き火の炎が三人の顔を照らす。闇の中で、それぞれの決意と覚悟が光を帯びる。

──明日、秘密結社との最終決戦が待っている。


その時、樹海の霧がざわめき、微かな囁きが聞こえた。

──樹海そのものが、三人の覚悟を知っているかのようだった。


凛は拳を握り直す。胸の奥で祖父の声が響く。

「恐れるな、心を信じろ。仲間と共にあれば、どんな試練も超えられる」


「……明日、絶対に負けない」

凛の言葉に花梨と零も力強く頷く。


霧深き樹海の中で、三人の心は完全に一つになった。恐怖も孤独も、すべて力に変わる。


──翌日、歴史を変える戦いが、樹海の奥深くで始まろうとしていた。


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