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異世界に行かないやり方

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警告:この章は日本語ネイティブではない私が書いているため、文法や意味の誤り、ぎこちない表現が含まれている可能性があります。まだ勉強中ですので、もし気づいた点やアドバイスがあれば、ぜひ教えてください。Discord: @kobayuji でコラボも大歓迎です。よろしくお願いします!

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駐車してるトラックに轢かれて死ぬ――。


……正気の沙汰じゃないよな?

でもいちばんヤバいのは、「助かった」と思った直後にそれが起こるってところだ。


少し、話を巻き戻そう。


俺の名前は藤村隼人。十六歳。東京で一人暮らし中の、どうしようもない高校生――要するに俺だ。

その日、俺は、アニメを徹夜でぶっ通し視聴した翌日、昼になってようやく起き上がった。


ベッドの上に座ったまま、眠気で重いまぶたのまま、しばらく壁をぼーっと眺めていた。

そこへ、ぐう、と腹の虫が鳴く。いいかげん何か腹に入れろという、体からのクレームだ。


「しゃーねぇ……」


健康とは真逆の即席ジャンクで燃料補給するか、と俺は立ち上がって冷蔵庫に向かった。


……が、扉を開けてみれば中身はほぼ空っぽ。

いや、完全にじゃない。一応、何かはあった。


いつ買ったのかも覚えてないカップラーメン。

表面一面にカビがびっしりで、もはや「生き返ろうとしてる何か」にしか見えない異形と化していた。


俺はしばらくそれを見つめながら、真剣に「これまだ食えるかな」と考えた。

だが、よく見ると、そのカビラーメンが「たすけて」って訴えてるように見えてきて――


「……無理だわ」


勢いよく冷蔵庫の扉を閉めた。

ラーメンと会話する境地には、まだメンタルが追いついていない。


適当に服を着て、顔を洗って、人間の形だけ整えた俺は、朝飯を買いに近所のスーパーへ向かった。

もちろん選ぶのは、いちばん安いインスタント食品である。


半分寝たまま、目は腫れぼったくて、思考はオートパイロット。

そんな状態で、俺は何気なく道路に一歩踏み出した。


信号が赤だったことに気づいたのは、耳をつんざくクラクションが鳴った、その瞬間だった。


顔を上げたときには、急な坂道を、トラックがありえないスピードで駆け上がって来ていた。

ドライバーは必死の形相でクラクションを鳴らしっぱなしだ。


お互い、避けるだけの時間も、余裕もない。

すべてが一瞬の出来事だった。


反射だけで、俺はアクション映画の主演も真っ青な勢いで、トラックと同じ進行方向へ飛び込んだ。

完璧な、条件反射のダイブだったと思う。


顔面からアスファルトに突っ込み、そのすぐ横をトラックが轟音を立てて通り過ぎる。

熱気を帯びたエンジンの風が首筋をかすめ、俺の手から飛び散ったインスタント食品たちが、スローモーションで宙に舞った。


……にもかかわらず、俺の体にはかすり傷ひとつなかった。


「……ラッキー、なのか?」


トラックが数メートル先でようやく止まったのが、タイヤがアスファルトをきしませる悲鳴でわかった。


俺はなんとかして身を起こした。

――といっても、正確には「座った」だけだ。全身が震えて立ち上がるなんてとても無理で、アスファルトの上に、粘土細工一号みたいにぺたりと座り込むしかなかった。


しばらくして、額の汗をぬぐい、少しだけ呼吸が落ち着いた俺は、前のめりになって、飛び散ったラーメンたちの悲しい末路を確認しようとして――


隼人

「いやー、マジで死ぬかと思っ――」


――ドンッ!!


トラックの運転手が、たぶん「今年いちばんパニクってる人」賞を狙えるレベルで、すぐさまトラックから飛び降りてこっちへ全力疾走してきた。


……が、その途中で、ようやく「ある事実」に気づいたらしい。


自分が降りたトラックのほうが、自分より速いスピードで後ろに下がってきている、という事実に。


どうやらサイドブレーキを引き忘れていたらしく、トラックは坂をバックでどんどん加速していた。


運転手は慌てて振り返り、必死に止めようとしていた。

その必死さは見てとれたが――どうやら物理法則は、彼の味方ではなかったようだ。


俺の膝はまだガクガクで、言うことを聞かない。

逃げるなんてできるはずもなく――


ガツンッ、と頭に衝撃が走ったところで、視界が真っ暗になった。


◇ ◇ ◇


どれくらい時間が経ったのか。


意識が戻ったとき、俺の周りは、何かの実験に盛大に失敗したあとのように、黒い煙に包まれていた。


きょろきょろと見回してみても、そこにあるのは、どこまでも続く真っ白な空間。

その白の中から、誰かがこちらへ歩いてくるのが見えた。


その人影は、むせこみながら、かすれた声でなにかをつぶやいている。


女の声

「だ、だれか……いるの? こほんっ……こほ、こほっ……」


隼人

「えっと……たぶん、います」


俺の声が届いた瞬間、その人影――女の人は、ぱっと顔を輝かせて駆け寄ってきて、そのまま勢いよく飛びついてきた。


まるで、何百万年も他の人間を見てこなかったかのような抱きつき方だった。


俺の頭は、その人の巨大な胸に押しつけられ、呼吸ができないレベルだったが、彼女はそんなことにはまったく気づかない様子で、テンション高くしゃべり続ける。


女の声

「わぁっ! すごい! すごいすごい! やった! やっと成功した!」


なんとか胸の谷間から頭を引きはがし、ぜぇぜぇ言いながら、俺はようやく質問を絞り出す。


隼人

「……あのー……何が、どう、成功したんですか?」


彼女は一歩下がって、じろじろと俺を上から下まで見回した。

そのおかげで、俺も彼女の姿をちゃんと確認できた。


三十代くらいに見える、ものすごい美人。

長いピンク色の髪を三つ編みにして、目はきらきらと大きく輝いている。感情がそのまま光になって漏れているみたいだ。


体からは、ほんのり甘い香りが漂っていて、柔らかい光をまとっているようにも見える。

完璧な天使――いや、もしかしたらそれ以上の、なにか。


そう思ったところで、彼女は急に俺の腕やら足やらをぺたぺた触りはじめ、まるで実験動物をチェックする科学者みたいな勢いで質問を飛ばしてきた。


女の声

「痛いところは? 変なところは? ちゃんと全部、付いてる?」


どこに何が「ちゃんと付いてる」のか。

妙な言い回しに、急に不安になってくる。


膝がまだ震えているのを感じながら、俺は必死に勇気を振り絞り、美人――というか、正直言ってドタイプすぎる女性に向き直って、質問をぶつけた。


隼人

「えっと……話の腰を折って悪いんですけど……俺、さっき、死にましたよね?

 ここって、いわゆる『あの世』的な何かだったり……します?」


彼女は一通り俺の体を確認し終えると、ほっとしたように息をつき、俺の正面に回り込んで、にこっと優しく笑った。


女の声

「うん、そうよ。わたしが、あなたを召喚したの」


隼人

「え……あなたが?」


女の声

「あ、自己紹介すっかり忘れてた。ごめんごめん。

 わたし、ユリヒメ。色欲とかなんとか、きらきらした肩書きがいろいろ付いてる女神なの。

 でね? 世界を救う勇者として、あなたを呼んじゃいました☆」


色欲の女神、という肩書きは、彼女の見た目と妙にしっくりきてしまう。

俺の視線は、つい無意識のうちに、彼女の体のあちこちをさまよった。いや、べつにやましい意味じゃなくてだな、その、事実確認というか科学的好奇心というか――うん、この話は忘れてくれ。


それよりも、彼女の言葉が頭の中をぐるぐると回りはじめて、ようやく一つの結論に辿り着いた。


興奮と衝撃がごちゃ混ぜになって、俺はほとんど叫ぶように言っていた。


隼人

「ちょ、ちょっと待って! ってことは、これ……

 俺、もしかして――異世界転生した!?」

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